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夢の終わり


意気込んで突破とか言ったけど……。

ミク、お二人を撃退していいの?


《いいですよ、多分無理だと思いますので》

え? どう言う事?


「がアぁぁーっ!」

聞き返していると王妃と王子が襲いかかって来た。

ミクの言ってた事が気になるが降りかかる火の粉は払わねば!

2人の間を縫うように躱すと同時に胴を一閃。


ザンッ!


「うぅ…」

2人は同じように苦悶の声を上げたが、斬った箇所が即座に塞がっていく。


「うそっ⁉︎」

《と言うわけです》


何がと言うわけなのっ! 何の説明にもなってないよっ! どう言う事っ⁉︎

《今まで夢の中で撃退してきたのは本人の想像物や異物で夢の本人ではありません。

本人が消滅すればそこで夢が終わりますから、基本的には肉体的な痛みはありません。

本人が見てない夢なんてないでしょう?

従って不死だと思って下さい。

今回は不死者が3人いるという事ですね》


………ちょっと待てい!

不死相手にどうしろとっ⁉︎


「ぐるぁっ!」

「っ⁉︎」

俺の動揺なんてお構いなしにさっきまでの掴み掛かろうとする動きから一転、王子が獣のように腕を振り下ろして引っ掻きに来た!

しかもさっきより速い!


ガキィ!

硬っ⁉︎

受け止めた感触が異様に固い⁉︎


ドゴォッ!

「がっ⁉︎」

刀で受け止めた直後に壁に吹き飛ばされた。


「ってぇ〜!」

油断した! こんな力があるとは思って無かった!


「ガアッ!」

「わあっ⁉︎ ちょっと待って!」

ボゴォッ!


追撃に来た王妃の拳を間一髪避けたが、王妃の腕が壁にめり込んだ。


家族揃ってとんでもねぇ!

《そんな感想漏らしてる場合ですか?》

どーしろとっ⁉︎


……いや、待てよ?

さっき斬った時は苦悶の声を出してたような?

ホントに効果無いのか?


《全く効果が無いわけでは無いですよ》

何だよそれならそうと言ってくれよ。

完全に手詰まりかと思ったじゃん。


《夢でうなされるって言いますよね、あれと同じです》

…………え? じゃあ何か⁉︎

俺が危害を加える度にお2人が悪夢にうなされるって事⁉︎


《そうなります》

不死よりタチ悪りぃっ!!


《今回隠し玉は無いのでマスターに全てを任せます》

そこはあって欲しかった!


どうする⁉︎ 相手は不死な上に攻撃加えると悪夢にうなされるとか正直手が出せん!

ここは多少の悪夢は覚悟してもらうか?

本人達の了承は一切無いが…。


チート無双で殲滅が出来ない状況なんて全く想像して無かった!

《無双出来なくて嘆いててついに手に入れたのに贅沢ですね》


そんな事言ってる場合、かっ!

ゴン!

「うがっ⁉︎」

あっ! 殴っちまった。


思考しながらも襲いかかってくる2人の攻撃を躱していたがつい手が出てしまった。

斬ったんじゃなくて殴ったから悪夢も軽傷だよね?


「ガアッ!」

王子を殴った事に激昂したのか王妃が襲いかかって来た。

「ちょっとぉ!」

こっちはヘタに手を出せないのに卑怯だ!


王妃の突進を躱して後方に大きく後退する。

その間に王子も行手を阻むように立ち塞がった。


暫し睨み合いが続く…………襲って来ないな?

手出し出来ないから向かって来ないに越した事は無いがこのままじゃ進展も無い。


無理矢理進むしか無いか?

力は異常だが捕まらなければどうということは無い!

《どこかで聞いたようなセリフですね?》

ミクのセリフをスルーして一歩踏み出すと2人が身構えた。


一瞬2人の動きを止めて突っ走る!

不死身の相手をする事ほど不毛な事無いからな。


と言うわけで一発ぐらいは大目に見てもらおう!

刀を鞘に納めて駆け出すのとほぼ同時に2人も襲いかかって来た。


「があっ!」

王子の突進を躱さず鞘で胴を打ち付けそのまま後ろに迫って来る王妃に向かって王子を吹き飛ばした。

「ガッ⁉︎」


2人が団子になった所をすかさず走り抜けて奥へと進む。

2人もすぐに立ち上がってこちらを追って来る。


夢の中で鬼ごっことか悪夢でうなされてる場面まんまじゃねぇか!

これじゃ夢なのにリアル鬼ごっこだよ!

《ネタですか?》

そんな場合かっ!


走る速度はこちらの方が速いらしく徐々に距離は開いて行くがそれは長くは続かなかった。

だって牢屋に続く通路だもん、すぐに終点に辿り着いたよ。


そこで待っていたのは、3人目の不死者。

王様だ。


目当てのモノはすぐに目についた。

王様の被っている王冠にレッド・ブルー・イエローの宝玉のようなモノが埋め込まれている。

アリシアさんの夢の中で見たモノとタイプは違うが同じ類…、アレを壊せばミッションコンプリートとなるはず!


てなわけで問答無用で王様に斬りかかる!

現実だったら真っ先にお縄になるような行動だが、ここは夢でかつ救出に来てるので微塵も躊躇いは無い!

むしろ早くしないと王妃と王子が追いついて来る。


しかし王様の王冠に向けて放った斬撃は後ろに下がる事で躱されてしまう。


焦り過ぎたっ⁉︎

再度斬りかかろうと一歩踏み出すと同時に王様も同じように後退した。


襲って来ない? 時間稼ぎか!


完全に防御に徹しており近づけば下がり斬りかかれば躱すだけで攻めてこない。

急いでるって時にっ!


「グぅ」

手間取っているうちに後ろの2人に追いつかれた!


それを見て王様が下がるのを止めた。

時間稼ぎは終了ってか。


俺は見事に挟まれる形になった。

「がアぁァっ!」

考える間もなく後ろの2人が襲いかかって来た。


刀を鞘から抜かずさっきみたいに吹き飛ばす!

鞘ごと全力で振りかぶった、が…。

ガシィッ!

掴まれた⁉︎


王子が掴んだ直後王妃が迫る!

「ガアッ!」


鞘を左手で掴んで抜刀して王妃を迎え討つ!

キィッ!

げっ⁉︎ 素手で受け止めたっ⁉︎

そのまま2人と押し合いになった。


まずっ! 完全に両手が塞がって後ろがガラ空き!

考える事は一緒、王様が間近に迫っていた。


やっべぇーっ!!

前言撤回っ! 命大事にっ!

一発ぐらいとか言ってられん!


ピキキッ!

何かに響きが入る音が聞こえた。

俺は持っていた鞘を引き王子の態勢を崩しそのまま後ろに鞘ごと投げ捨てた。

空いた手で刀を両手で掴み王妃を王子の方へ振り抜く。

それでも刀を離さないのは意外だったが、ならばと王子に王妃を投げ飛ばすように刀を手放した。

2人は鞘と刀を持ったままの状態でぶつかった。


王様は寸前で止まり2人を回避した。

ついでに王様も巻き込まれてくれればよかったのに。

そんな事を思ったが、その隙をついて2人を踏み台にして王様の王冠を奪い取る!


俺の伸ばした右手に反応して王様が左側に逃げようとする、が。

逃すかっ!

ドオッ!

「ギッ⁉︎」


王冠に手を伸ばしたのはフェイク!

俺の左からの蹴りが王様の腹を捉えた。

そのまま王様の左手を掴み踏み台にした2人の方に背負い投げる!


「ギェっ⁉︎」

3人の動きを封じ、即座に王様の王冠を奪取して離脱! すぐさま王冠を踏み潰す!


ガシャァン!

「ギッ、が、グッ⁉︎」

王冠を潰したと同時に3人が苦悶の声を上げる。

ボボボンッ!

そして爆散した。


いっ⁉︎ 浄化されて本人が登場、とか思ってたのにまさかの消滅っ⁉︎


………ミクさん…、王様達爆散しちゃったんだけど大丈夫?

《どうでしょう? 少なくともこれで夢は終わりますね》

ミクの言葉が終わると世界が音を立てて崩れて行く。


「おわっ⁉︎」

それに次いで足元も崩れた。

ミクっ!

《了解です、離脱します》


ミクの言葉の後に意識がどこかに吸い込まれるような感覚を覚えた。

今度は何かぶつかるような衝撃は無かった。


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