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9Day 〜戻って来ました〜


翌朝、大会運営からの連絡が来た。


今回は被害が出る前に食い止めてくれたという事で俺とスズの同時優勝という形で2人に賞金が授与される事となった。

マジで良かった。

本気で骨折り損になるとこだったからな。

スズはもうけぇとか言ってたけど。


「じゃあ、もらうもの貰ったし早速だけど行こうか」

「そうですね」

「? どこ行くの?」

俺と女将さんが宿の食堂から部屋に戻って行くのをスズが疑問気に聞いて来た。

まぁ、行くって言ってんのに部屋に戻り出したら普通そうだろうな。


「アタシも初めてだけどこの事も含めて他言無用で頼むよ。

言った所で信じちゃくれないだろうけどね」

「ん〜?」

「ま、ついて来れば分かるさ」


ミク『配達』お願い。

部屋に入って早速お願いする。


《『配達』発動します》

ミクが言い終わると同時に俺達3人を光が包み込んだ。

「わっ⁉︎ 何コレ⁉︎」

内容を知らないスズからしたら突然の事だから驚くのも無理はない。


説明する間もなく俺達3人は光に包まれその場から消えた。


次の瞬間には部屋の中には違いないが先程いた宿とは違いベッドに横になっている人の姿と一匹があった。


「ヴァ⁉︎」

ビャッコが突然現れた3人に一瞬警戒を見せるが、俺の姿を確認してすぐに視線を逸らして丸くなった。

その横では今も眠りにつくアリシアさんの姿があった。


「えっ⁉︎ どこここ⁉︎ それに誰その子⁉︎……と一匹?」

「へぇ、実際に体験してみるまで信じ難いけどホントに出来るんだねぇ」

スズは困惑、女将さんは感心と言った反応をしている。

まぁ俺も現実で自分に使うのは初めてだからな。


「ねぇねぇ、一体どうなったの? 外も景色が違うんだけど?」

そう言えばスズには何の説明もしてなかったな。


「ここはマロメの村の宿だよ」

「マロメ? どこそれ?」

そっか、スズはこっち側の出身じゃないから地理には疎いのか。

「ん〜、そうだなぁ……バルトから馬車で2日ぐらいのとこにある村だよ」

「えっ⁉︎ 何で⁉︎」

「俺が2人をスキルで運んだんだよ」

「え? え?」

「あはは、その気持ちは分からなくもないねぇ、アタシも聞いただけだと信じ無かっただろうしね。

転移したと思ってくれていいよ」

「転移⁉︎ 2人してワタシを騙そうとしてるんじゃなくて?」

「騙す必要無いだろ?」

「まぁまぁ、それぐらいぶっ飛んでるスキルだって事だよ。

アンタも自分のスキルの異常さをそろそろ認識しな」

物凄い言われようだな。


「転移?……ホントに?」

「聞くだけだと信じなかっただろ?」

「まだ信じられないんだけどねぇ」

「事実だからねぇ、嫌でも信じられるさ。

アリシア王女が目覚めるのはまだ先だからその間に旦那に報告と日取りを決めに行こうか」

「ふぅん、この子が姫さんなんだ。

こっちのちっさいのは?」

「そっちはビャッコ、姫さんの召喚獣だよ」

「ビャッコぉ? ふうん…」

スズが何か疑問気だけどそれ以上は特に追求はして来なかった。


所変わって、解放軍拠点にやって来た俺達3人は旦那に結果報告と新規加入のスズを紹介した。


「はっはっはっ! いや〜すまんな。

まさか小僧が参加する時に限ってそんな奴らが参加するなんてな」

「笑い事じゃないですよ!」

「まぁそのおかげで強力な助っ人が獲得出来たわけだからいいじゃねぇか」

それは否定しないけど、冷や汗ものだったんだぞ。


「そんな事よりバルトの乱入騒ぎの方が気になるがな」

真紅の事ね、結局は何も分からずじまいだからなぁ。

「現状は情報が無さすぎる。

分からん事を考えてもしょうがないから今はこっちに全力を尽くす事に集中だ」

その為の解放軍だしな。


「手筈通り小僧の替え玉はこっちで用意した。

おいギド、入って来てくれ」

「っ⁉︎」

旦那に呼ばれて天幕から入って来た人物を見て驚いた。


「あれ? にぃさんが2人?」

スズの言葉通り服装から見た目まで全くそっくりな人物が立っていた。

え? 何コレ? クオリティー高すぎでしょ⁉︎


「これなら文句無いでしょ?」

「おおぉ⁉︎、声までそっくり!」

スズの言葉からすると声も同じらしい。

自分が発する声と周りに聞こえる声は違うから分からなかったが、俺ってこんな声なのね。


「俺らの変装の時もこいつに頼んでたもんだ。

そんで残りの半分の金は…ほら受け取れ」

旦那は後ろから袋を取り出して来た。

中を見ると金貨で……50枚確認出来た。

「確かに? でもよく集めれましたね?」

「そりゃただ単にこっから王都まで行軍する為の金だよ。

今回の事で過程が不要になったからな、その分を金に変えたんだよ」

あ、そう言う事。


「明日で一週間、アリシア王女が目を覚ます頃合いだ。

目を覚ましたら王都に帰還するだろうから、小僧の替え玉と一緒に潜入し用意した目印を設置してもらう。

決行は…馬車だと3日ってとこだろうから4日後の深夜、って事になるか」

「コレばっかりは曖昧な部分だねぇ」

「連絡手段が無いからな、ついでに言うならどこに繋がるかも分からんしな。

それに150人を一気に送れる場所とも限らんからな」

ん〜、結構問題残ってるなぁ。

でもアリシアさんがちゃんと解放されてれば全部解決するんだよなぁ。

大丈夫だと思うんだけど実際に見るまでは自信無いなぁ。


「一番広い場所となると謁見の間だろうな。

とは言え偽王も普段はそこにいるだろうし、兵も配置されているだろうから難しいか?

無理して設置が不可能になっても困るし場所は任せるとしよう。

となれば最初に数人を送って状況と場所を把握し、そいつらが次に来る部隊を引率し制圧して行く形が無難か」

「となると一度に送る人数は15人程度かねぇ」

「そんなもんだろう」

ん〜、最善の中の最悪ってやつか?

よくそんなに考えつくな。

俺にはそういう事は向いてないなぁ。


「小僧は皆を送ってもらわなきゃならんから最後だとして、嬢ちゃんは俺と一緒に先発に入ってもらう。

出鼻をくじかれちゃ元も子もないからな」

「りょ〜かぁい」

スズは相変わらず緩い感じで話を聞いている。

実力知らなければマジで大丈夫かと思うな。


「偽王がその辺を彷徨いてるとは思えんから王座、もしくは王室にいるだろう。

城内を速やかに制圧して兵士達を拘束した後に、俺、小僧、嬢ちゃんの3人で偽王を討つ」

「旦那、3人で大丈夫なの?」

「相手は魔族、半端な戦力は被害を増やすだけだ、人数が多ければいいってもんじゃねぇよ。

それに拘束した兵達をそのままにしておくわけにもいかんからな」

実際には相対した事無いからイメージなんだけど、厄介そうな相手には間違いなさそうだな。

魔族だと思った鬼も旦那達の変装だったしな。


「それじゃあ話も決まった事だしそろそろ戻っておこうかね」

「だな、小僧は鉢合わせするとまずいからこっちに残った方がいいだろうな」

ん〜、確かにそうなんだが一応確認したい事があるんだよなぁ。


「旦那、ちょっと確認したい事があるんで戻ってもいいですか? 宿の隣の部屋で大人しくしてるだけなんで」

「ん? 確認ってのは何だ?」

「作戦が好転するかどうかの確認ってとこですかね? 旦那も一緒の方が説明する手間が省けるんですが」

「んん?」

「期待させといてダメでしたじゃ格好がつかないんで取り敢えずいてくれるだけでいいです。

ダメならこのまま行くだけなんで」

「よくわかんねぇが、俺も行けばいいんだな?」

「はい、お願いします」

「ワタシはどうしようかなぁ、こっちにいてもする事ないし…にぃさんといた方が面白そうかなぁ」

まぁスズがこっちでする事は無いだろうけど動機が不純だなぁ。


こうして俺(2人)、旦那、女将さん、スズの5人でマロメの宿に戻る事になった。


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