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5.7Day 〜脱出しよう〜


さっさと牢屋から退散するべく床に座り込んでいるアリシアさんの元へ向かう。


そう言えばアリシアさんが静かだな?

声をかけてみる。

「アリシアさん大丈夫ですか?」

「……………」

あれ? また反応が無い?

というかぼーっとしてる?


手を顔の前で振って呼びかけてみる。

「アリシアさーん?」

「ひゃいっ⁉︎」

あ、戻って来た。


「大丈夫ですか?」

「は、はいっ! ええ! もう大丈夫です!」

元気そうだな、もうグロッキー状態では無いようだ。


「ではここから出ましょうか」

「は、はい…」

座り込んでいたアリシアさんに手を差し出す。

アリシアさんが差し出した手を見た。

掴むかどうか悩んだような感じがしたが、それも一瞬の事で素直に手を掴んできた。


「あっ⁉︎」

立ち上がる直前にアリシアさんがよろけた。

「っと、大丈夫ですか?」

こちらに倒れそうになったアリシアさんを受け止める。

「は、はい! だ、だだ大丈夫です!」

大丈夫な事を必死にアピールするようにアリシアさんが俺から離れた。


全くアリシアさんをこんな状態にするなんて、オークといい気味の悪い手といい趣味が悪いな。

そうなるとまだ何かありそうな気がするんだが、………今のところ変化は無いな。


その後アリシアさんと一緒に城外へ無事脱出。

何も起きなかったな? 流石に打ち止めだったか?


ガクンッ!

「「っ⁉︎」」

突然大地が揺れた。


「きゃあ⁉︎」

揺れは治らずに断続的に揺れたまま震度を増していく。

倒れそうになるアリシアさんを掴まえて揺れが収まるのを待つがその気配が無い、というより……目の錯覚か?

城がなんか上に上昇しているように見えるんだけど?


《気のせいではなさそうですよ》

何が起こってんだよコレ⁉︎

なんだかこの場に居続けるのは物凄く危ない気がする。


「アリシアさんここから離れた方が良さそっ⁉︎」

振り返って言い切る前に視界入るものがあった。

アリシアさんは背後の物体に気づいていない!


「失礼っ!」

「えっ? きゃあっ⁉︎」

一言断りを入れてからアリシアさんを抱えて全力離脱!


ドゴォッ!!

先程までいた場所にさっきのオーク級サイズの石が飛んで来た。

危ねぇ! 何だよコレっ⁉︎

何でこんなもんが街の方から飛んでくんだよ!


「………これはもしかして…」

アリシアさんは何か心当たりがあるようで街の方角を見ている。

俺も習ってそちらを見てみる。


「っ⁉︎」

アリシアさんは声にならない悲鳴を上げた。

そして俺は考えるのを止めた。


おそらく今飛んで来たと思われる石と同等のモノが大量にこちらに飛んで来ていた。

まさに石の流星群だ。

避けきれるかなコレ?


ドゴゴゴォン!!

「きゃああぁぁ!」

アリシアさんには申し訳無いが、コレはちょっとゆとりある躱し方は期待しないでいただきたい。

不幸中の幸いと言うべきか、石は全てこちらに向かっているわけではなくこの辺り一帯に降り注ぐように降って来た事だった。


俺はアリシアさんを抱えながら当たるものだけを必死に回避していた。

流石にこの質量の物体を打撃で破壊出来るとは思えない。

というより出来ても絶対痛い!


しばらく避け続けようやく石の雨が止んだ。

「あうぅ……」

どっから飛んで来たんだコレは⁉︎

アリシアさんがまたグロッキーな状態になっちまったじゃねぇか!


「はっ! ゆ、悠生様! コレはおそらく街の城壁です!」

動きが止まり覚醒したアリシアさんが石の正体を述べた。


「え? 城壁?」

ああまぁ、確かに四角っぽい形してるからそう言われればそんな気もするが……でも何で城壁?

夢だから何でもありって事でいいのか?


《揺れと城が上昇した事はまた別の形で現れるみたいですけどね》

揺れは収まったみたいだけどそれってどう言う………ええ〜⁉︎


石の流星群に晒された城は石が至る所に刺さっていた。

しかし突如として石が城に吸い込まれていった。

次いで周りに墜落した石も地面に吸い込まれて行き、城だったモノが再浮上しだした。


「っ⁉︎」

アリシアさんはその姿を見て絶句。

その様子だと現実では起こり得ないような状況みたいだ。


世間一般で言うとコレは……ゴーレム…かな?

全体的には黄色に近い黄土色、最上段の頭に城の原型が僅かに残っているのみ。

飛んで来た石はこっちを狙ってきたわけじゃなくてゴーレムのパーツを補う為ってか?

出現するだけで迷惑だな。


コイツどうしよ? まず間違いなく敵だと思われる。

ちょっとデカさがなぁ……。

こっちで街の外に出てすぐに出会った巨人に匹敵する大きさだ。

あの時は手を振ってさよなら出来たが今回はそうはいかない。

今も手を振るどころかこちらにグーで殴りかかる姿勢をとっている。


「っ⁉︎」

アリシアさんの声無き悲鳴の後、ゴーレムの拳が大地に叩きつけられた。

ドォォンッ!!


「うおっ⁉︎」

「きゃあ⁉︎」

拳こそ躱したものの余波で吹き飛ばされた。

なんとか空中で姿勢を立て直して着地するが、ギリギリで躱す事も許してくれないらしい。


いやホントどうすんのコレっ⁉︎

デカ過ぎて避けるのもギリギリなんですけどっ⁉︎


遠くだと安全な保証が無い上に何かあっても助けに行けない!

かと言って余波でアレって事は近くで隠れてもらう事も出来ん!

アリシアさんを避難させる場所がねぇじゃん!


このままやるしかないか⁉︎

考えている間に辺りが暗くなった。


このパターンはお決まりの踏み付けの可能性大!

てか見なくても分かる!

この場合足の真ん中に照準を合わせようとしているから逃げるならむしろゴーレムの方だ!


俺は全力で前方へ駆けだす。

「ヴォ?」

予想外の行動だったのかゴーレムが声を発した。


ズウゥゥン!

ゴーレムの踏み付けを回避しながらアリシアさんを片手で支える。

「ーーーっ‼︎⁉︎」

なんかデジャブのような声無き悲鳴が聞こえたような?……気のせいだな。


空いた手で抜刀しながら反対側の足まで駆け、刀で斬りつけた。

キィンッ!


あ、ダメだ、相手がデカ過ぎる。

人サイズで言う所の擦り傷ぐらいにしかなってない。

というかさっきの奴はアリシアさんを捕まえようとしてたのにコイツはお構い無しだな?

もうなりふり構ってられないってやつか?


と、こっち向きを変えて来たか。

俺はゴーレムの股の間を駆けて背後に周る。

キィッ!

その際に軸足になっている方を斬りつける。


人型なのが幸いしたな。

この大きさなら離れるより距離を詰めてた方がむしろ安全!……だけど決定打が無いな、今度も擦り傷程度にしかなってない。


もうちょい力を込めて何度かすればなんとかなりそうな気がするんだが…。

「アリシアさん」

「ひ、ひゃいっ⁉︎」

どうしたんだ? でも悠長に聞いてるヒマもないからな。


俺はゴーレムを撹乱しながら話を進める。

「今からゴーレムに攻撃する時だけ全力で斬りかかるんでしっかり掴んでてもらえますか?」

「え? ええっ⁉︎ 掴むって⁉︎ あ、あのっ! その、悠生様にっ⁉︎」

「そうです。合図は出しますんで一瞬だけで大丈夫です。またすぐに支えますから」

「いえ! そ、そう言う事ではなくて! えと! その」

「すみません。ちょっと動きます」

「ふぇっ⁉︎」

何か言いたげだったがそこまで余裕は無い。


ドスンッ!

焦点の定まってない踏み付けを躱し合図を送る。

「掴まって!」

「ーーっ⁉︎ は、はいっ!」

アリシアさんがしっかり掴んで来た事を確認し刀を両手で掴み足首を斬りつける。


ギィィィンッ!

「ヴォッ⁉︎」

ゴーレムのリアクションが変わった⁉︎

それに擦り傷から切り傷ぐらいになった!


でもコレ……あと何回繰り返せばいいんだ?


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