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5.5Day 〜約束しましたから〜


城内に入ってからは数人の兵士と接触する事が度々あった。

外にいた兵士は身軽な鎧を着込んでいたが、城の中にいる兵士はやや豪華な鎧に変わっていた。


ただ今の俺には見た目以外の違いは分からない。

発見すると同時に即座に斬り捨てているからだ。


夢だからいいけど、現実で問答無用で斬ってたらヤバい奴だよなぁ。

完全に国崩しでもしてる気分だ。

そんな事を思いつつ牢屋へと続く道を進んで行く。


城に入る機会なんて普通は凄い事なのに、毎回牢屋に向かってるって変な感じだな。

《夢と現実問わず5回中3回が牢屋と関わってますね》

数えるなよ。


《しかもどの回も選択肢次第で全て牢屋ルートになってますね》

牢屋ルートってなんだよ!

アリシアさんを助けに行くのは構わないが、何で悪事を働いたわけでも無いのに毎回そんなルートが用意されてんだよ!


まぁ、今回は牢屋に向かった先にはアリシアさんがいる事が分かってるからいいんだけどさぁ。

そろそろ真っ当な招き方をして欲しいもんだ。

…………いや、やっぱいいや。

城からの招待なんて堅苦しそうだ。

礼儀作法とか知らんし一庶民には荷が重い。

《確かにマスターが畏まってるなんて似合わないですね》

その通りだけどほっといて!


さてそろそろ麗しのアリシアさんが囚われている牢が見えてくる……はず?

はて? 前回の道筋を考えるとそろそろだと思ったんだが、記憶違いか?……道が途絶えてる?

というより壁なんて無かったはずだが?


牢屋の通路というだけあって薄暗くてよく見えないが、前回は何もなくアリシアさんの元まで行けたんだけどなぁ?


取り敢えず壁らしきモノに触れてみる。

ぐにゅ。

うむ? 簡単に凹んだな? それに弾力がある。

何だコレ?


ぐにゅぐにゅぐにゅ。

連続でつついてみた。

すると壁?が震え出した。かと思うと壁?が上に上がって行き道が現れた。

何だったんだ今のは? 急にダンジョン化でもしたのか? 夢だからその辺は自由自在って事か?


現れた道を進もうと踏み出すと上から生暖かい風が吹いて来た。

ついでに言えばちょっと匂う。


正体を確認しようと上を見ようとした直前、暗い通路がさらに暗くなった。

正確には俺の頭上だけ。


バゴォンッ!

大きな質量のモノが地面に叩きつけられた音が通路に響き渡った。


「あっぶねぇ!」

ステータスが上がっていたからこそ出来た回避。

現実だったらゲームオーバー確定。

ダンジョン化よりも現実的ではあるが、そんな危険極まりない事をしてきた奴を睨みつける。


俺のファンタジー知識が確かならこいつはオークだ。

顔は豚で二足歩行、鎧を纏い手には先程俺を叩き潰そうとした棍棒を持っている。

……ただ、イメージよりちょっと……いやだいぶでかいな?

せいぜい俺の倍ぐらいの体格かと思ってたけど4、5倍はあるな。

それにピンクじゃなくて青い体躯をしてるな。


壁だと思ったのはコイツの背中かよ。

で、俺は起き上がったコイツの股の下を潜ったわけか。

風が匂うのも納得だ。


オークが棍棒で叩きつけた地面を見ると地面が陥没している。

現実の城でこんな事されたら城が倒壊してるな、そこだけは夢で良かったって事か。


さてどうしたもんか?

人間の兵士から一転して魔物の登場…

「とわっ⁉︎」

心中の呟きが途中で漏れた。


ドゴォン!

オークがまたもや俺を叩き潰そうと棍棒を振り下ろして来たのだ。


う〜ん、さっきより強打してる気がするな…しかし某有名な方が言っていた。

いくら力があろうと当たらなければどうという事はない!


ブォン!

今度はオークが地面スレスレを振りかぶって来たが、今度は上に跳んで躱す。

この程度のスピード、ましてや力任せに振り回すだけの芸の無い攻撃なんて今の俺には通用しない。


耐久と力はちょっと分からないから流石に受け止める気にはならないな。

確認してダメージ受けたらやだもん。

外傷はなくても相応の痛みがあるのは前回で学習済みだ。


その後も迫り来るオークの攻撃を難なく躱して思考を巡らす。


コレもしかしてバレてる?

前回と違うパターンって侵入者対策して来てるんじゃ?

《でもここって夢の中ですよ?

バレたからと言ってマスター以外でそんな非常識な事出来るとは思えませんので、あらかじめ備え付けられていたと考えた方が良さそうです。》

非常識言うな! っと!


ズドォォンッ!

「きゃ⁉︎」

棍棒が地面に叩きつけられた音に混じって可憐な声が耳に届いた。

この声はアリシアさん!


そう言えば後ろに後退しながら避けてたからちょっとずつ進んでたかも。

その証拠に通路の先に女神の姿が見える。


《マスター大丈夫ですか?》

ミクが失礼な事を言うがアリシアさんを女神と言って何が悪い!


そしてこの豚野郎! アリシアさんを怖がらせるなんて許さん!

オークに接近し抜刀した状態で斬りつけて離脱。


そして驚かさないようにスピードを落としてアリシアさんの元へ向かう。

「アリシアさん、大丈夫ですか?」

「ゆ、悠生様⁉︎ う、後ろに⁉︎ 逃げて下さい!!」

アリシアさんの目の前には醜いオークが映っているのだろう。


「大丈夫ですよ。もう終わってますから」

「えっ⁉︎」

オークの頭から一直線に斬り込みが入る。

続いて胴からも同じように右から左へと斬り込みが入る。


ボォン!!

オークの身体に十字の傷が入ったと思いきや先ほどの兵士達と比べ物にならないほどの音量で爆散した。


「っ⁉︎」

爆散したオークに驚いた表情のアリシアさんに告げる。


「約束通り、やれるだけやりにきましたよ」


初めて主人公らしい終わり方をした気がします。

そういう時があってもいいですよね?

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