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5Day 〜出発です〜


夜が明けて。

俺は馬車に揺られながら寝ていた。

魔力切れという事もあるのだがそれとは別の意味もある。


昨日の出来事を振り返る。


「となると、後の問題としては王女をどこまで留めておけるかって事だな。

一週間程度は眠りにつくはずだから実質あと5日、それまでには小僧には資金集めを終えてもらわねぇとな」

なんか簡単そうに言うけど馬車で2日って往復で4日掛かるって事でしょ⁉︎

「いやいや! 1日で大金貨5枚って一体何させるんですかっ⁉︎」

俺が今までどんだけお金に縁が無いか知らないでしょ⁉︎


「簡単な話だな。都市バルトで定期的に開催されてる武闘祭で賞金をかっさらってもらうんだよ」

「なぬっ⁉︎」

武闘祭? どこかの世界では天下一武道会なんてモノもあるからそういう類のやつか?

確かにアレは賞金出てたな。

でもちょっとそれは無謀なのでは?


「いろんな種目が開催されてるんだよ。

剣、魔法、格闘とかの武器種だったり、異種族、総合なんて分類もあるよ。

それが国営の博打として成り立ってるんだよ」

「行った時に何が開催されてるかは分からんが、小僧なら魔法以外ならなんとかなるだろ?

身を隠してる俺が出て行く訳にもいかんしな」

なんて無茶振りっ⁉︎


「運悪く到着した日が魔法だったらどうすんですかっ⁉︎」

「大丈夫だよ。

祭って名がついてるだけあって連日何かしら開催されてるから」

でも猶予は1日ですよね?


「小僧、帰りはスキルでマロメの宿に直行しろよ。ギリギリだと目覚めたアリシア王女に勘付かれるかもしれんからな」

あ、なるほど、それなら時短になって最大3日は滞在出来るって事か。


「ここには魔族がいた事になってるから一度国に戻るだろう。

小僧はこっちにいて兵達を送ってもらう必要がある。

だから王女が目覚める前に小僧の替玉を用意し…」

「アタシがそれに混じって王国に侵入、城内に出口を設置、という流れさ。

おそらく王女の報告にアタシの存在も入ってるはずだから道中の護衛として一緒に行ってもおかしくはないだろうしね」

打合せした訳でも無いのに旦那と女将さんの意思疎通がぱねぇ。

よくもまぁそんなにすぐに思いつくもんだ。


「それでもまだ問題があるんだがな」

「え? まだ何か?」

「あくまでコレは準備だ。

問題はその完了を知らせる合図が無いって事だ。

ここと王国では距離が離れ過ぎてる」

そうか、ケータイとか無いし移動も徒歩か馬車だもんな。


ミク何か方法ある?

《アリシアの協力があれば出来ますよ》

え? 出来んの? 何でアリシアさん?

《夢で教えて貰えれば距離は関係ありません。

外(現実)の状況は把握しているようでしたので》

あ、そう言う事。


でも上手く行くの?

今の内容はアリシアさん知らないじゃん。

かと言って操られてる状況で言う事も出来ないし。

都合良く眠ってくれる訳でもないんじゃ?

《ごもっともです。いつ眠るのかが不確定要素です》

でしょ。


《ですのでアリシアを解放しに行きましょう》

へっ? 何言ってんの?

前回無理だったじゃん。


《前回と今では私のレベルが違いますから》

ミクの方かよっ!

《ですが頑張ってもらうのはマスターですからね》

…………おかしいな?

なんだか上司から命令される部下みたいな気分なんだが?

《気のせいでしょう?》

……まぁ、アリシアさんが助けられるならいいけどね。


「今の所有効な連絡手段が無いからな、日時を予め決めておいて突入…って事になるか」

俺とミクの会話中も話し合いは続いていたが、結局有効な手段は出て来なかったようだ。


成功したら儲け物っていう程度で失敗したら元も子もないし、今は言う必要無いかな?

期待させといて出来ませんでしたじゃちょっとね。


「魔力切れの小僧には悪いが馬車で休息とりながら向かってくれ、その間は頼んだ」

「ま、頼まれてやるよ」


という事で今に至るというわけだ。


「体調はどうだい?」

「どうなんでしょう? 動けるようにはなったみたいですが」

「アタシは魔力切れなんて起こすような事が無いからその感覚は分からないけど、動けるようになったんなら大丈夫だろうね。

まぁ、ゆっくりしてな。

アンタはバルトに着いてからが本番だからね」

盗賊に魔力を使うようなスキルは無いんだな…、あってもそんなに消費するようなモノじゃないとかかな?


「あはは、お言葉に甘えます」

俺は乾いた笑いを出しながら女将さんの厚意に甘えた。

本番はバルトに着いてからと言ったけど、今から試す事があるからな。


ミク魔力は回復したみたいなんだけど、これで大丈夫そう?

《問題ありません。これでスキル『夢旅行(ドリームトラベル)』が発動出来ます》


『夢旅行』。

あのちっさい解放軍拠点を踏破した事でミクのレベルが上がり得たスキル。

最初は何だその宝くじみたいなのはと思ったけど、今度は自分の意思で夢世界に行けるスキルで『配達』と違って費用は無しだそうだ。


《では夢の世界に行きましょう》

どこぞのテーマパークみたいなノリだな?

だが! 今度は救ってみせる!


《『夢旅行』発動します》

ミクの言葉の後に意識がどこかに吸い込まれるような感覚を覚えた。


そして気付いた時にはフリード王国内の城門に立っていた。


三度目の正直ってやつだな。

《二度ある事は三度あるとも言いますけどね》

今回に限ってはそれはいかんよ、情けなさ過ぎる………あれ?……ミク、刀があるんだけど?


《『配達』と違い道具の持込みが可能です。

痛覚とかは前回通りですのでそこは気をつけて下さい。

他にも相違点はありますがそれは次回で》

え? 次回って何?

《言葉通りの意味です》

いや、意味分かんないんですけど?


《説明するヒマが無さそうなので》

ヒマが無いってどういう……。

言い終わる前に視界に入る者達があった。


え〜⁉︎ 何デスカ? あれ?

《不法侵入を三度も繰り返すと警備も厚くなるんじゃないですか?》

仏の顔も三度までとか言うやつ?

ここではいらねぇよ!


通路を隙間なく埋め尽くす何時ぞやの兵士達。

あの数はもう軍隊じゃねぇかっ!


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