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5Day 〜秘密を知ってしまいました〜


何この状況⁉︎

さっき鬼に向かって旦那って言ってたよね⁉︎

鬼と女将さんって知り合いなの⁉︎

いやいや! まだ声だけだし似てるだけの可能性も⁉︎


「ホ、ホントに女将さん?」

「そうだよ」

そう言いながらフードを外し、顔を見ると声のよく似た鬼でした………、なんてオチはなく女将さんその人だった。


「な、何でここにっ⁉︎ それにここにいる鬼って魔族なんじゃ⁉︎」

俺の動揺を見て女将さんと紫鬼が頷き合う。


「まぁ落ち着きなよ。ちゃんと説明してやる……って事でいいんだよね? 旦那?」

「騎士に二言はねぇよ」

騎士? 誰が?

もしかして鬼の中にも騎士とかってあんの?


「旦那、とりあえず誤解を解いたらどうだい?」

「そうだな。おい、行くぞ」

そう言うと鬼達が揃って森の奥に入って行った。


「待ってれば分かるよ」

女将さんにそう言われて大人しく待つ事しばし。


「待たせたな」

鬼達が入って行った方角から声が聞こえた、のだが………。

「………誰? って言うかその格好と声ってさっきの…」


声をかけて来たのは先程の紫鬼の声と同じ格好と声をしていたが、バッドステータスが治って角も無くなっていた。


茶色の短髪で瞳の色は青という外国人の渋い中年って感じか?……無精髭が無ければ30代前半で通りそうだな。


「さっきまでのは偽装だ、腕のいいやつがいてな。

本物と見分けがつかなかっただろう?」

いや、本物と言われても鬼なんて向こうでいなかったから空想上のイメージなんですけど。


「名乗っておこうか、解放軍リーダーのザックだ」

「は? 解放軍?」

なんの?


「悪かったと思うけど、アンタを暫く見させてもらったからね。結果はこの通りシロだと判断されたわけだ」

え? え?

「当然の反応だな。バレてちゃ意味ねぇからな」

「アンタの連れの子、アリシア王女だろ?」

「っ⁉︎ え⁉︎ いや、なんの事でしょうか?」

だいぶキョドってしまった為、全く隠せてない気がするが。


「今更隠さなくていいよ。アンタ自分でアリシアって呼んでたじゃないか」

えっ⁉︎ マジっ⁉︎


「えっと……、そう、だったかな? で、でもそれだとただの同名なだけかもしれませんよ?」

「まぁ、それだけで判断出来んってのは分かる。ただ決定的な証拠があるからな」

「な、何でせう(しょう)?」

《マスター言葉使いが古いです、動揺が隠しきれてませんよ》

ミクのツッコミも今の俺には耳に入らない。


「ビャッコ」

ザックと名乗った男が一言言い放った。

「っ⁉︎」

アリシアさんの召喚獣の名。


「な、何ですかそれ?」

「とぼけるなよ。小僧もそう呼んでたろ。一緒にいた白いちっこいやつだよ」

完全にバレてら。


「アリシア王女の召喚獣ビャッコは城にいた者で知らない奴はいねぇよ」

ん? 何か引っ掛かる事言ったな?


「城にいた奴?」

「ああ、まだ言って無かったな、俺は元フリード王国騎士団長だ。

さっきまでいた奴らは皆元王国騎士団だった奴らだよ。

もうこっちに用は無いからな、今は周辺警戒やら軍備の調達に戻ってもらってるがな。

今回は小僧達が森に入るって情報が入ったんで招集したんだよ」

「えっ⁉︎」

フリード王国……ってアリシアさんのとこじゃなかったっけ? しかも元って?

じゃあ皆鬼じゃなかったの?


「今の王国は魔族に乗っ取られてるんだよ。その異変を察知して俺らは城から脱出して今は奪還の機会を伺ってんだよ」

そこはアリシアさんの夢で聞いた情報と一緒ですね。

奪還を狙っている人達がいる事は知らなかったな…。

「そう言えば無事だった者が城を抜け出して迷いの森に逃げ込んだって話があったような…」

「っ⁉︎ 『無事だった』だと⁉︎ 小僧⁉︎ どこでその話を聞いた⁉︎」

「え? えっと、アリシアさん本人です」

「何だとっ⁉︎ 王女は正気なのかっ⁉︎」

あ、そっか表向きは操り状態だっけ。


「あ〜、その自分でも上手く説明しにくいんですけど、簡単に言うと…夢の中で聞きました」

「「はぁっ?」」

元騎士団長と女将さんが同時に呆れたような声を上げた。

しょうがないじゃん! 事実なんだから!

ミク! 上手いこと伝えて!

《しょうがないですね》


スキル『オート要約』!

《私自身スキルなのは間違って無いですが、話術は磨いた方がいいですよ。ボロが出るので》

いやホントその通りです。


そこから今まで得た知識をミクが掻い摘んで要約してくれた。



▽▽▽▽▽



「なるほど、詳しく聞いた事は無かったが召喚士ってなぁそう言うもんなのか」

「世界と異界を繋げる……とはね。世界で数人しかいない最上級職に位置付けされてるだけあって詳しくは広まって無いからねぇ」

へぇ〜、召喚士って最上級職なんだ。


「で、アンタの夢にアリシア王女が干渉して来たワケかい」

「そうなります」

この通り俺のスキルに関しては全く触れていないというオマケ付き。

ミクさん! 流石です!


「んで、お前さんは王達を救って欲しいという王女の嘆願を聞き入れたと」

「そういう流れになります」

「………自分より周りとはね、昔から変わってねぇな……」

アリシアさんホントに良い子ですよね。


「そうなるとアタシらと目的は一緒って事だね」

「そういえば女将さんは何で協力してるんです?」

「ああ、旦那は国に士官するまではアタシとはパーティを組んで冒険者をしてたんだよ。旦那が抜けた事でアタシらも引退してそれぞれ好きな事を始めようって話になったんだよ」

「へぇ」

「……で、小僧。お前は一体何モンだ?」

あれ? スルーされてない?


「何者…と言いますと?」

「数年前ではあるが、俺がいた時にお前は見た事ねぇからな。

しかもさっきの腕前でフリード王国にいたなら俺の耳に入ってるはずだ。

俺が知らないって事は他所から来たって事だが、今は人の出入りが少ないはずだからな。

そんな状態の国に関わるなんざまずねぇだろう?」

あぁ…、あそこ監獄状態ですもんね。

う〜ん、これは別に隠す事ないか…。


「えっと、俺ってアリシアさんに召喚されたんですよね」

「っ⁉︎ って事は救世主召喚の儀か⁉︎」

「そんな事言ってましたね」

「……なるほどそう言う事か。

それなら小僧のおかしなスキルも納得出来るな。

ユニーク職だったか」

「へぇ、聞いた事あるけど本当にあったんだね。

噂だと最上級職を凌ぐほどだと言われてるけど?」

そうなんですか? それって旅人でもそうなんでしょうか?

でもさっきのを見ると満更でも無いのか?

俺もまだよく分かってないし、素直に感想を言っとくか。


「正直分からない…ですね」

「そうなのかい? 最初に会った時とは随分違ったみたいだけど?」

「さっきのはスキルですけど覚えたのはつい最近で発動したのは初めてです。

それまでは戦闘向きのスキルは無かったんで」

「そう言う事かい」

「手合わせした感想だが、後半のアレは中々だったぞ?」

「俺もビックリでした」

「何だいそりゃ? アンタ一体何の職業なんだい?」


……職バレしても問題は無い…かな? ミクどう思う?

《お任せしますよ。魔族では無かったですし、何よりマスターの目的と一致してますから》

ふむ。

言った所で最初みたいに処刑される事も無いからな。


「俺の職業は『旅人』です」

「「……………」」

一瞬の静寂が訪れた。

あ、うん、よく分かりますその間。


「たびびと? って旅するとかの『旅人』か?」

「そうです」

「それって職業なのかい? 自称じゃなくて?」

「ええ、城の鑑定士に調べてもらった時はそう聞きました」

「おいおい、俺はそれに負けたって事か?」

「旦那、負けは負けだろ」

「そうだがよぉ、どう考えても戦闘職じゃねぇだろ? 納得いかねぇなぁ」

生粋の戦闘職の方からみればそうでしょうね。

俺でもそう思う、しかも職業なのかも疑問だしな。


「納得いかねぇが、実力は確認した通りだしな…、小僧、わかっちゃいると思うがここでの事は他言無用だぞ」

まぁ、そうだろうね。

「わかってますよ」

しかも目的は一緒となるとあての無い俺からすれば渡りに船だ。

むしろこっちから頼みたいぐらいだしな。

となるとある程度出来る事の共有をする必要があるのだが…………ミク、今の所明かして不都合なスキルってある?

《発動不可になるのは『プランナー』だけです。

後は対策されるだけであって味方が知っている分には問題無いでしょう》

ん〜、じゃあ何から話すべきか…。


「こんなとこで話をするのもあれだからな一度俺らの拠点に行くか」

「拠点?」

「森の中にあるんだよ。外でそんな都合の良い場所なんてすぐに見つかっちまうからね」

「そう言う意味で言えばここはおあつらえ向きだったわけだがな」

「確かに」

「んじゃ付いてきな」

そう言うと森の奥へと入って行くのを俺も続こうと立ち上がろうとした。


「ちょ! ちょっと待って下さい!」

「ん?」

先に歩き出していた二人が振り返って来た。


「あの、そのぅ、大変申し訳無いんですが何故か立ち上がれないんですが……」

「「は?」」

二人揃って何言ってんの? みたいな声を上げられた。


そう言えば直前にミクが魔力切れとか言ってたな。

「ちょっと魔力を使い過ぎたみたいで」

「使い過ぎでそれって事は魔力切れかい?」

「それです」

「しょうがねぇな……担いでってやるよ」

「すみません、旦那お手数かけます」

「何で小僧までその呼び名を使ってんだよ?」

「なんとなくです」

「いいじゃないか外で団長なんて呼ばれてバレるよりかは、ね」

「それもそうだな、よっ」

俺は旦那に軽く担ぎ上げられて森の奥へと進んで行った。


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