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5Day 〜出会いは唐突に〜


「ふんっ!」

「おわっ⁉︎」

紫鬼の上段からの斬り下ろしの迫力に思わず後退して躱す。


ドスンッ!

鬼に本気の形相で向かって来られるとかマジ怖ぇっス!

そして地面陥没してるし。


「小僧、さっきの威勢はどうした?」

ハッタリでした!……とは言えない。

やるだけやるしかないか!

ミク! 次のイメージだ!


思うや否や体が動き出した。

「むっ⁉︎」

ガキッ!

素早く背後に回って紫鬼の胴を斬りつける。が、紫鬼に大剣を縦に構えられて防がれる。


だがこれはさっき反応されたので想定内。

弾かれた反動を利用して逆側の胴を回転して斬りつける!

大剣でこっちは防げないだろう!

フォンッ!


盛大にカラぶった音が鳴った。

げっ⁉︎ しゃがんで避けた⁉︎

なんて反応しやがんだ! なら!

遠心力をそのままに上段からの斬り下ろしに変化!

フォンッ!


ってまた避けんのかよ⁉︎

次は地面を転がって避けやがった⁉︎


げっ⁉︎ マジかっ⁉︎

ガギィィ!

「ぐっ⁉︎」

転がって直ぐに体勢を立て直して斬りかかって来やがった⁉︎ しかも重てぇ!


受け流さないと保たん!

ギャリィィィ!

「むっ⁉︎」

刀を斜めに傾けて大剣を受け流す。


紫鬼の体が前方に流れた。

「むっ⁉︎」

露わになった紫鬼の背中を上段から斬りつける!


キィンッ!

「おわっ⁉︎」

防がれた⁉︎ さっきの俺みたいに回転して大剣

を刀にぶつけて弾いて来やがったっ⁉︎

なんつぅ反応してんだよっ⁉︎

そしてお互い距離をとる。


「ふむ。動きは中々と言ったところか」

「…そいつはどうも」

戦闘慣れし過ぎじゃねぇのかコイツ!

てかコレがこの世界のレベルか⁉︎

あちらさんまだ大分余裕そうだぞ⁉︎

ミク大丈夫かコレ⁉︎


《今の状態だと厳しいですね…このまま続けてもマスターの魔力切れで敗北ですね》

えっ⁉︎ 何それっ⁉︎ 今の俺って魔力使ってんの⁉︎

《そうですよ。この状態は後5分も持ちませんね》

まさかの時間制限付き⁉︎

ちょっといい値段のカップ麺の待ち時間と一緒っ⁉︎


運良くコイツを倒して他が引き下がってくれるなら良いのかもしれないがそんな保証は無い!

と言うかコイツがそもそも倒せるかも怪しい!

てか出来無さそう!


せっかくのスキルもここまでか⁉︎

何か手は無いのか⁉︎

って! ちょっとは考えさせろ!

「はぁっ!」

ブォンッ!

紫鬼が水平に斬り払って来たのを体勢を低くして躱す。


躱した姿勢のまま下から斬り上げる!

フォンッ!

紫鬼が首を上に向けて紙一重で躱す。


「ふっ!」

「ぐっ⁉︎」

紫鬼の蹴りが振り上げた姿勢だった俺の右側面に入った。


「ってぇ!」

大剣に気を取られ過ぎた!

完全に虚をつかれた。


「耐久も上がってるか…」

紫鬼がボソリと呟いた。


え? そうなの?

俺自身よく分かってないから答えられんが。

そう言えば前回吹っ飛ばされて身動き取れなくなったな。


それより向こうが動かない今がチャンスか?

ミク、打開策ある⁉︎

《ちょっとした賭けになるかもしれませんね》

あるの⁉︎ なら十分じゃん! どうすんの⁉︎

《目の前の鬼を圧倒して交渉に持ち込む……でしょうか?》

……ちょっとミクさん?

今の攻防見てました?

五分五分どころか押されてましたけど?


《そこは信用して欲しい所ですね。悪いようにはしませんよ》

怪しい響きだな…。

悪い事考えてるやつが言いそうなセリフだ。

大丈夫なんだよね?


《幸いマスターの存在に興味を示しているようなので、交渉の余地はありそうですので》

最初に話し合い蹴られてるけどなぁ。

《今は状況が違いますから》

確かにそうか……ダメ元で交渉するかぁ。


えっと、圧倒出来るって前提でいいんだよね?

《はい、今までの相手の動きならほぼ間違いないかと》

すげぇ自信、んじゃ頼りにしてますよ。


「もう一回聞くけど、話し合いは出来そう?」

「今の状況でそれを言うのか? 押してるのはコチラだぞ?」

ごもっともです。

「今の所はね」

「ほう……」

紫鬼は少し考える素振りを見せている。


おお、確かにさっきと反応が違うな。

もう一声かな?


「今からアンタを圧倒したら考えが変わったりする?」

「……面白い冗談だ。いいだろう乗ってやろう」

「忘れんなよ」

してやったり。どうやらコイツは戦闘狂っぽいな。


ミク、コレでいいでしょ?

《問題ありません。こちらも有言実行しましょう》

おっ?

纏っていた光が膨れ上がった?


「なっ⁉︎」

何で紫鬼が驚いてんの?

まだ何もして無いよ? してないよね?

《まぁ、驚いてくれてるんだから良いんじゃ無いですか?》

それもそうか。んじゃいこうか。


ドォンッ!

紫鬼が大木に激突していた。


「はぁっ?」

声を上げたのは俺。

何故なら意味が分からなかったからだ。


さっきの仕返しに蹴りを入れるイメージで一直線に進んで回し蹴りを繰り出す。

ただそれだけしかイメージしていない。

なのに結果がコレだった。


……ミクさん? 何事?

《分かりやすく言うと「ギアを上げた」というやつでしょうか?》

分かりやすいんだけど、さっきまでと違い過ぎない?


「がはっ⁉︎ ぐっ⁉︎ こ、小僧っ⁉︎」

あちらは大ダメージ受けてますけど?

《でもまだやる気みたいですよ?》

あ、ホントだ、立ち上がって来た。

取り敢えず武器破壊してからかな?


チャキ。


「なっ⁉︎」

紫鬼の絶句する声。


カラン。

そして少し遅れて刃物が地面に落ちる音。


最初の音は紫鬼の首筋で刀を寸止めした音。

遅れて聞こえたのは紫鬼の持っていた大剣が根元から切断されて刃先側が地面に落ちた音だった。


イメージ通り……って事でいいんだよね?

結果しか分かってないんだけど?

自分でやっといて見えて無いんだよね。


《それがスキル『リモート』、簡単に言ってしまうと自動操作ですね。

思考を私とリンクさせる事でイメージ通りの動きを可能にします。

ただしイメージ以外の動作が出来ない為、突発的な行動には対処出来ないのが欠点です。

今回のように身体能力に思考が追いついていない場合に有効です》

使い方によっては有用だな。

突発的な行動には対処出来ないって点を考慮して今後どう使うかを考えておく必要があるな。


んじゃ本題に戻りますか。

「まだやる?」

「………いや、降参だ。お前らも変な気を起こすなよ?」

紫鬼の言葉に周りの鬼達も従う。


「アンタがここの頭って事でいいのかな?」

「間違っちゃいねぇよ」

ふむ? イメージの魔族にしては随分と聞き分けがいいな?

裏があるようにしか思えないが……。


「小僧、随分と変わってるな?」

「何の事だ?」

「今の状態といい、夕方のおかしなスキルもお目にかかった事がないが」

その事か、ネタバレは良くないよ?


「そいつは重畳」

「素直に答える訳はないか」

いや、俺もよく分かって無いのも半分含まれてます。


「で、答えないのは当然としてソイツは解除してくれるのかい?」

ああ、この状態か。

「そいつは難しい注文d」

《マスター、そろそろ魔力切れです。この状態が解除されます》

おいぃっ⁉︎ ミクさん⁉︎ それはいかんですよ⁉︎


「…と言いたいとこだけど、まぁいいよ」

《魔力切れです》

ガクっ。

なっ⁉︎ 膝が落ちる⁉︎

俺は耐えきれずにその場に座り込んだ。


「甘いな! 小僧っ!」

ヤッベっ! 動けん⁉︎

万事休すか⁉︎


「旦那、その辺にしときなよ」

と思った時、静止の声が掛かった。

えっ⁉︎


声が聞こえた方角を見ると数時間前に地下で見かけた背丈のフードを被った人物がいた。

いやそんな事よりさっきの声って⁉︎


「アンタ、アタシを探してたんだろ?」

「という事はやっぱり女将さんっ⁉︎ 何でここにっ⁉︎」

意味不明なんですけどっ⁉︎


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