表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
29/172

3Day 〜迷いの森にやって来ました〜

忙しい状況は変わらずですがなるべく時間を見つけて更新して行きたいと思います。


「悠生様、森に入る前にこちらを」

「これは?」

アリシアさんから掌に乗るサイズの瓶を渡された。

中には薄い水色の液体が入っている。


回復薬(ポーション)です。体力のおよそ2割を回復してくれて重度の傷でなければ治療にも使えます」

おぉう、異世界定番アイテム登場。


「へぇ〜、アリシアさんの分は?」

見たところ1瓶しか無いみたいだけど?


「私の分と予備は()()にあります」

ホント便利だよねそれ(マジックバック)、俺も欲しいなぁ……でも一億かぁ。

貯めるどころか借金してるからなぁ。


「他にも毒や麻痺に効く薬も用意して来ていますので、ご安心下さい」

「すみません、全部任せちゃったみたいで」

「いえ、お気になさらずに」

アリシアさんの準備ってそう言う系だったんだね。

確かに冒険には必須だよ。

散々ゲームでやってた割にはその辺抜けてたな…、まぁゲームじゃやり直し出来るから壁にぶつかるまでは気にしないプレイスタイルではあったが。


《ここでそれをすると詰みますよ?》

ごもっとも。


《でも今のマスターに準備出来る財力はありませんが》

ぐっ! ミクぅ〜、今から危険を冒しに行くのに余計なダメージを与えるのはやめてもらえる?


《事実ですがまぁ最後の手段は整えていますのでいいでしょう》

使う事の無いように祈ってるけどね。


「森に入る前に少しお時間をいただきますね」

「はい? どうぞ?」

はて? まだ何かあるのか?

首を捻ってアリシアさんを見ているとアリシアさんが薄い光を纏い始めた。


っ⁉︎ 女神⁉︎

なんて神々しいお姿なんだ!

ずっと見ていたい!


とか思っていたら、アリシアさんの目の前の地面に魔法陣が描かれて行く。

魔法? 女神降臨じゃなかったのか。


文様も俺のとは微妙に違うし、これは八芒星ってやつか?

何よりサイズが違う、俺の時より随分大きな魔法陣だな? 縦横5メートルぐらいあるか?


地面に描かれた魔法陣が静かに明滅している。

俺の時と違って消えたりしないんだな?


「アリシアの名の元に命ずる、顕現せよビャッコ」

召喚⁉︎ 

ビャッコって俺のイメージのあの白虎ですか⁉︎

何かえらいモノを呼び出そうとしてませんか⁉︎


「うわっ⁉︎」

超近距離で落雷があったかのような閃光と音が響き、思わず目を閉じてしまった。


耳にバチバチと言う音が鳴り止まずに届く。

恐る恐る目を開くと魔法陣全体から雷のようなモノが出ていた。

これは雷が帯電してる?

……すげぇ…マジの魔法だ、俺の時より断然迫力ある。

魔法陣の中は見えないが、物凄いのが出て来そうだ!


「ヴァァウッ!」

「わっ⁉︎」

頼もしい吠え声がした瞬間、帯電していた光が弾けた。

咄嗟に顔を庇ってしまったが、正直あまり意味は無さそうだがこういうのは反射なのでどうしようもない。


光が弾けた場所を見ると魔法陣は既に消えていた。

ついでに言うと魔法陣があった場所には何も居なかった。

あれ? あんだけ派手な演出しといて何も無し?


「アリシアさん、さっきのって一体なんです……ぐぁっ⁉︎」

俺の精神にクリティカルダメージが入った。


これは想像していなかった!

……でもこういうのもありだよね。

美少女って何故にこういうのが似合うのだろうか?


「ビャッコ降りなさい」

アリシアさんがそう言って自分の頭の上に乗っている小動物を両手で掴んだ。


「ヴァゥ」

う〜ん、この頼もしい声はさっきの魔法陣から出てきたヤツで間違い無さそうだ。

若干不服そうな声を出しているのは気のせいだろうか?


見た目は、まんまホワイトタイガーって感じだな。

だいぶサイズが俺のイメージと乖離しているな?

アリシアさんの両手に収まるぐらいか。


「アリシアさん()()って?」

「ヴァウ!」

「おわっ⁉︎」

コレ呼ばわりしたのがお気に召さなかったのか⁉︎


「ビャッコ」

「ヴァゥ…」

なんだかしょんぼりしてるような気がするな?


「この子は私の契約しているビャッコです」

契約?……あ、そっか、アリシアさんって確か召喚士って言ってたな。

俺をこっちに呼んだのもアリシアさんだしな。


………ん?

それって俺もアリシアさんと契約してるって事?

アリシアさんと一緒にいられるのは嬉しいが主従関係というのはどうなんだろうか?


アリシアさんに抱き抱えられたビャッコを見る。

うん。羨ましいな。

おい、ビャッコちょっとそこ代われ。

「ヴァァウッ!」

「おわっ⁉︎」

「ビャッコ」

「ヴァゥ」


………声に出して無いはずだがさっきより吠え方が激しい気がするな?


「この子はまだ子供ですが、頼りになりますので安心して下さい」

「あ、子供なんだ? ビャッコよろしくな?」

そう言いながらビャッコに手を伸ばす。


ガジッ!

「いってぇ⁉︎」

「ビャッコ」

「ヴァゥ」

今のは何で齧られたんだ⁉︎

何もしてないのに既に警戒されてる⁉︎

んなアホな!


「ビャッコぉ〜、お前俺と同志だろ?」

「ヴァ?」

「お知り合い……では無いですよね?」

「え? アリシアさんに契約された者同士って事ですけど?」

二人(一人と一匹)に何の事? みたいな反応をされた。

あれ? なんか違った?


「……悠生様と契約はしてませんが?」

「へっ?……でも俺ってアリシアさんに召喚されたんですよね?」

「それは間違ってはいないのですが…、進みながらお話しましょう。

ビャッコ、何かあったらお願いします」

「ヴァウ!」

アリシアさんの言う事には従順だな。

俺も従順な辺り間違ってない気もするが。


「悠生様、召喚士の認識とはどういうものでしょうか?」

俺の召喚士の認識…って言っても元の世界のファンタジー知識になるんですが…。


「呼び出した者を使役するって感じですね」

「世間一般と同じ認識という事ですね」

世間一般なんだ、じゃあホントは違うのか?


「召喚士というのは異界と繋ぐ事の出来る者の事を言います」

「異界と繋ぐ?」

あれ? それってつい最近どっかで似た様な事が…?


《つい最近の夢の事ですね。だからマスターの夢と繋がる事が出来たのでしょう》

なるほど。


「そして繋いだ先で呼びかけに応えた者と契約を結ぶ事によって力を借りる事が出来ます。

ただし基本契約は一つまでで複数を同時に契約する事は出来ません」

「え? 何でですか?」

「大きな理由は二つあります。

二つ契約した場合、異界側で契約者同士が揉めて最悪同士討ちになるからです。

この事から既に契約している場合は向こう側が応えてくれない場合が殆どですが」

要は俺が一番だ! ってことか。


「二つ目は異界側を繋いだ際に近しい魔力量の存在が応える為、召喚する際の魔力消費量が限界値になる傾向が多いのです」

選べる訳じゃ無いのか。

以外と幅が狭いんだな?

………ってことは一つ目の理由でビャッコに齧られたの?


《違うんじゃないですか? アリシアはマスターとは契約して無いって言ってましたよ》

だったね、じゃあ俺の場合は?


「これが通常の召喚士の召喚です。

続いて救世主召喚なのですが、専用の魔道具と準備期間を要して可能となる儀式でして召喚士一人では実行不可能です。

私が実行するのは異界と繋ぐ所までになりますので、呼びかけや契約といったものは無く人選は無作為です」


そう言えばあのブタが一ヶ月後にまた召喚するとかほざいてたな、あれは準備期間を指してたのか。

人選が無作為って迷惑過ぎんだろ⁉︎ あのブタ! マジで舐めてんな!


起こってしまったので今更どうしようもないから今は置いとくが、いつか制裁を加えなければ。

俺のやる事リストにまた新たな項目が加わったな。

それにしてもアリシアさんと契約していないのが分かったのは良かったような残念なような複雑な気分だな。

そんな気持ちで今はアリシアさんの肩に乗って欠伸をしているビャッコを見る。


……やっぱ羨ましいな。

代わってくれないかなぁ。

と思ったらビャッコがこっちを睨んできた。


そんな解説を受けながら林道を進んで行くと道が左右に分かれていた。

分かれ道の真ん中には石が腰の高さぐらいまで山積みになっている。

個人的には歩きやすそうな左の道がいいんだが…。

「どうしますか? 左から行きますか?」

「それで構いません」


アリシアさんも歩きやすそうな左で意義無しのようだったので左をチョイス。(注 アリシアは歩きやすくなっているという事は何かが通った可能性があるからという意味です)


《何やら誤解が発生している気がします》

何の事?


《何でもありません》

変なミク。


そのまま歩く事約1時間ほどした時(体感)。

ふむ? さっきと同じような見た目に同じような2本の分かれ道がある。

迷わないように今度も左をチョイス。

迷路なら片側を辿って行くのは鉄板だよね?

この世界にそんな常識があるのかは知らないけど。


そうして先程と同じぐらいの時間進むと今度も2本に分かれており、真ん中に石が山積みになっている。

二度あることは三度あるってやつか?


「………………」

「アリシアさんどうかしましたか?」

「いえ……、何でもありません」

何でもなくなさそうだが特に突っ込む事もなくここでも左の道を進んで行く。


そしてまたもや同じぐらいの時間進むと…。

2本の分かれ道と先程と同じ山積みの石が現れた。

四度目って……何だこりゃ?


「これは……先程から同じ所を一周しているのでは無いでしょうか」

あ、そっか。

俺はマップがあるからあんまり気にして無かったが、見た目はさっきから全く一緒なのだから普通だったらそうなるか。


一応秘密にしてるので誤魔化しつつ返答してみる。

「何処かに脇道があるのかもしれませんね」

「そうですね。次は注意して進んでみましょう」


という事で今度は周りをよく見ながら再度左の道を進んで行く。

空も満足に見えない林の中では景色は同じにしか見えないし一周したと思っても全く不思議では無い……んだけど俺的には違う道だしなぁ、脇道とか言ってみたけど都合よくあるかな?


そう思いさらに1時間ほど進むと、またしても2本の分かれ道と石の山積みを発見。


「脇道らしき場所は見当たりませんでしたね」

「そうですね…」

俺的には五度目の違う道ですが。


…どうしよう? マップを隠したままだといい誤魔化し方が思いつかない。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ