3Day 〜お願いします!〜
生存確認の投稿です。
今月も雲行きが怪しくなってきました。
《マスターおはようございます》
んあ?……ああ、戻って来たのか……なんか寝た気がしないなぁ。
ミクおはよぉ〜。
《アリシアはもう起きて活動してますよ、戻ってきたら聞いてみては?》
そうする……でも何て聞けばいいんだ?
今まで見てる感じだと特に困って無さそうなんだよなぁ。
《直球玉砕でいいんじゃないですか?》
玉砕しちゃダメでしょ⁉︎
……でもそれ以外に聞きようがないか。
《何かあったらマスターの夢で見ました。でいいんじゃないですか?》
大丈夫なのそれ?
《夢ですから》
………そう言えばなんでも許されると思ってない?
《そう言えばアリシアはどこに行ったのでしょうね?》
誤魔化そうとしてるんじゃないよね?
重要だから話に乗るけどさ。
実はアリシアさんの完全な寝起きは見た事無かったりする。
いつも俺より先に起きてるんだよねぇ。
そして大抵部屋にいない。
見たと言えば寝てる姿を一回というレアさ加減。
もしかして恥ずかしいとか?
年頃の女の子だしそう言うのは気にしてるんだろうか?
そんな事を考えていると扉が開く音がした。
「悠生様、おはようございます」
女神が現れた。
「おはようございます」
いつも通りお美しいですね。
ちょっとぐらい寝癖がついてても些かも衰えませんよ?
むしろ見てせて頂きたいぐらいです。
《マスターそんな事はどうでもいいので、聞く事聞いて下さい》
どうでも良くないよ!
そんなお宝映像が見れた日には心のアルバムに永久保存ですよ⁉︎
《変な所で熱くならないで下さい》
このパッションが分からんとは…しょうがないなぁ大人しく聞くか。
「アリシアさん、一つ聞いてもいいですか?」
「はい? 何でしょうか?」
う〜ん、いつも通りで困ってるようには見えないんだけだどなぁ。
「何か困ってませんか?」
「……強いて言えば情報が無い事でしょうか?」
それはそうなんだけど、違うんだよなぁ。
「そうじゃなくて、なんかこうアリシアさん本人が助けて欲しい! みたいな感じの事は?」
「…いえ、そう言った事は特にありませんが? どうかしましたか?」
「俺の夢の中でアリシアさんが助けを求めてたので」
「…それでは私は助けを求めていないと言う事になりますね?」
「……そうなりますね」
「では、朝食に行きましょうか」
そう言うとアリシアさんは食堂に向かって行ってしまった。
ミ〜ク〜、今の絶対パラメータ下がったよ!
《私は「言え」とは言ってませんよ? 提案しただけです。それにちゃんと玉砕とは言ってますよ?》
うがあぁぁーっ!
合ってるけど納得いかーん‼︎
「森には昼から行きましょう。私は今から必要な物を準備して来ます」
「分かりました」
危ないですもんね、となると俺はどうしようか?
俺も何か安全対策をした方がいいのだが、さて俺に出来る事はあるんだろうか?
《緊急時の離脱方法として『配達』の準備をするのが一番有効だと思います》
『配達』ってもしかして人も出来るの?
前回のは夢だったからじゃないんだ?
《距離、数量、規格、重量で費用は変動しますが可能です》
正に世の中金ってやつだな。
《と言う事ですので、まずは宛先指定をしましょう。マスター達が泊まっている宿の部屋でいいのでは無いでしょうか?》
あ〜そっか、この世界だと徒歩とか馬車が交通手段っぽいもんね。
急に人が現れたら騒ぎになるか、そうしよう。
一旦部屋に戻って来たものの……ミク、宛先指定ってどうすんの?
《任意の場所にマスターの魔力で印を残します》
何かマーキングみたいだな?
《間違ってはいませんね。では送る場所に手をかざして下さい》
こう? 部屋の真ん中に手をかざしてみる。
《そのままの姿勢でいて下さいね》
おっ?
ミクが言い終わるとすぐに掌が光始めた。
その後床に円形の光が現れ、六芒星のようなモノが描かれて行く。
六芒星が完成すると角が一つずつ丸い光を灯し出した。
ほぇ〜、いかにも魔法陣って感じだな。
最後に全体が光を放ち痕跡は跡形も無くなった。
あれ? 消えたけど?
《これで宛先指定は完了です。見えていたら変でしょう?》
それもそうか。
実にファンタジーな現象だったな…………!
ここで一つ気づいた事があった。
ミク大変だ!
《どうしましたか?》
俺今初めて魔法っぽい事した!
というよりこの世界で魔法見たの今回ので2回しかない!
《そう言えばまともに見たのって一回目の時の職業鑑定の時でしたね》
そうなんだよ!
野営で火をつける時にここは魔法で! とか思ってたんだけどさぁ、実は火打ち石で火をつけてたんだよねぇ。
スライムの時は火炎瓶だったし。
危うく魔法の存在忘れるとこだったよ。
《『配達』は言い換えれば転移みたいなモノですからね》
移動系が初魔法とは流石旅人。
《それよりマスター、忘れてはいけない事がまだありますよ?》
ん? 何?
《『配達』に必要な資金を集め無いと》
魔法なのにお金を必要とするなんて超複雑、そして超難題………どうしよ?
お金なんて自由になってから考えればいいとか思ってたのに、こんなに早く必要とする場面が訪れるなんて夢にも思わなかった。
むしろ夢で使ってしまった。
…………ここは人生の先輩に聞きに行ってみよう。
場所は変わって孤児院にやって来たのだが…。
「総員に告ぐ! カチコミだぁ! 出合え出合え!」
色々ミックスされてるみたいだが、今度は一体何が流行ってるんだ?
「師匠、女将さんいる?」
「みんなコイツは俺んとこの奴だ、下がってていいぞ」
「へいアニキ!」
ヤクザの若頭か?
「女将さんは中にいるぞ」
「ありがと」
疑問は尽きないが今はやることがあるからな。
お! 女将さん発見。
俺の持てる最上級スキルの出番だ。
「女将さん! お願いします! すぐにお金を稼ぐ方法を教えて下さい!」
「……いきなり何だい? 土下座なんてして?」
知っていたか、流石女将さんだ。
最上級スキルの名は伊達では無い! お願いにも通用するのだ!
《……いい加減それをスキル登録するのは止めて下さい。しかもなんで最上級扱いなんですか》
「話は聞いてやるからまずそれを止めな」
ミク! 見たかこの威力を!
《誇らないで下さい》
「急遽必要になりまして」
「そんな都合よく稼ぐ方法なんて無いよ? アタシに聞きに来たって事はどっかに盗みでも入るのかい?」
「滅相もございません! 少し稼ぐだけでいいんです」
「差し入れなんて持って来るからだよ」
はい、今となっては全くその通りです。
「真っ当な手段なら地道に稼ぐのが一番だ。短期の収入なら冒険者ギルドでクエストをこなす事だけど……この村にギルドは無いしねぇ」
「打つ手なしですか?」
「難しいねぇ、いくら必要なんだい?」
………ミクいくら?
《一人大銀貨3枚ですね》
となると。
「大銀貨6枚です」
「しょうがないねぇ、……ほら持って行きな」
「え? いいんですか?」
「貸してやるだけだよ、ちゃんと返しなよ?」
「ありがとうございます! 何事も無ければ今日戻って来たら返します」
「そうなのかい? じゃあ帰りを待ってるよ」
「はい! では行ってきます」
これで俺が出来る事は終わった。
後は宿でアリシアさんを待とう。
…使わないに越した事は無いんだけどなぁ。




