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初めて魔物と遭遇しました


もしかして『護身用具』のスキルも?


《これは対策される類のモノですね》

というと?


《条件は身を守るモノを所持し、外でのみ発動可能です》

身を守るモノ?


《今回の場合は刀ですね。身につけたモノやレアリティにより効果が変動します。効力は知識が低い又は本能で行動する敵意を持った対象とのエンカウト率を下げます》


それで今回の旅で敵と遭遇しなかったのか。


《はい、ですので何も所持していない場合は発動しません。このように…》


ん?あれ?ここどこだ?


《街から出ていますね》


そうかミクとやり取りしながら人気のない場所に歩いてるつもりだったけど、いつの間にか外に出ちゃったのか。

マップがあるから迷うことは無いから別にいいけど。


あれ?何かもぞもぞ動いてるのに囲まれてない?


《スライムに囲まれています》


おっ、マジか。

やっぱ初戦闘はスライムが定番だよな。

サクっと倒してしまいましょうか!


《……念の為言っておきます。マスターは今何も所持してませんからね?》


ミクも心配症だな?

スライムだよ?

しかも街からそんな離れてないんだから大丈夫でしょ?


《…………出来れば触れないことを推奨します》


…どして?


《スライムがいたと思われる場所の草木が溶けています》


マジっ⁉︎

《真剣です》


触れねーじゃん!どうやって倒すの⁉︎

囲まれてるし逃げらんねーよ⁉︎


石でも投げて見るか⁉︎


周りから手頃な石を見つけて、スライムに全力投球!


俺の渾身の第一投目は見事スライムに命中!

周りはスライムだらけなので外す方が難しいが。


結果は消える魔球となった。


石はとぷっという水にモノを投げ入れたような音の後、じゅ〜という焼石を水につけたような音を発して消えていたのだ。


あっかーん!秒で溶かされた‼︎

一球目にして死合終了!


すると石を溶かしたスライムがジリジリとこちらに近づいて来る。


しかもタゲとった⁉︎

スライムでいいとか言ってすみませんでした‼︎

ミクさん何とかなりませんか⁉︎


《手足が無くなるのを覚悟でしたらどうにかなると思いますが…》


何恐ろしいこと言ってんの⁉︎


《身体がどうなろうとマスターの命は私が守ります》


カッコいい事言ってるけど被害にあってるの俺だからね⁉︎

命が助かってもその後の人生死んでるよ!


《ですが今回はその必要は無さそうです》


何を根拠に言ってんの⁉︎

「おわっ⁉︎」


パリンという音がしたかと思ったら突如スライムが炎に包まれた。


何⁉︎酸だけじゃなくて火も使うのっ⁉︎

この世界のスライム危険過ぎるだろ⁉︎


って……あれ?

スライムが煙を上げながら小さくなっていく?


小さくなるスライムを見ていたら周囲からビンが割れるような音が連続で響き、次々とスライムが炎に包まれて行く。


「アンタこんな時間に外に出ていくなんて何考えてんだい?」

誰⁉︎………え?

「女将さん?なんでここに?」


そこにいたのは宿にいた女戦士。と俺が勝手に思っている女将さんだった。


「それはこっちのセリフだよ。シャロに様子を見に行ってもらったんだけど、そしたらアンタが街を出て行ったって言うから急いで来たんだよ」


シャロ!マジファインプレー!

そして女将さん、

「ホントにすみませんでした!ちょっと考え事してて気づいたらここにいました!」


「勘弁しとくれよ。こんなの使ったのは久しぶりだよ」

そう言って見せてきたのは一本の縄だった。


何だコレ? 

縄でビンを数珠みたいに縛ってる?


「何ですかコレ?」

「火炎瓶だよ」


この世界にもあるんだ。

でも元の世界とは違うな?


「なんでいくつも縄で縛ってるんですか?」

「それは帰りながら教えてやるよ。いつまでも外にいたらまた別なのがやって来るからね」

「それは遠慮したいですね」


という事で俺達は村に向かった。


《必要無かったでしょう?》

……ミク…お前女将さんが来てること知ってたな?


《マップ機能がありますから》

教えてくれてもいいじゃん。


《軽率なマスターには身を持って知って頂いた方が効果的かと思いました》

スパルタかよ!


ミクとそんなやり取りをしてたら、女将さんが先程の質問に答えてくれた。


瓶をいくつも縛ってるのは単純に火力を補う為らしい。


「連続で投げればいいのでは?」

「投げて外したら無駄じゃないか」


瓶なんだから縛って投げても割れるから一緒だと思うんだけど?


「この瓶は多少の衝撃なら割れないんだよ。縄で上手く衝撃を緩和すれば割れずに目標を変えれるしね」


へぇ、便利だな…俺も持っててもいいかも。


「ただし、それなりのロープ技術がいるけどね」


ん〜、やっぱりこの世界には読心術が存在している気がしてならない。


ちなみに俺を発見したのは女将さんの『追跡』スキルらしい。


そこでふと思った。

さっきの縄付き瓶もそうだけど、俺を見つけたスキルといい、装備は腰に差してるダガーって全然戦士っぽく無いな……と思って聞いてみた。


「女将さんって何かやってたんですか?」

「ああ、アタシの職業は盗賊だからね」


ナンデストっ⁉︎

やばい!コレは獲物を狩る前に死んでもらったら困るとか言うやつか⁉︎

そうなるとアリシアさんが危ない⁉︎

いやその前に俺が危ない‼︎


「盗賊って言っても冒険者としての盗賊だけどね、今は引退してアンタが知ってる通り宿屋の女将だよ。この職業のお陰で宿で何かあってもアタシが気づくからね。今回のアンタみたいにね」


あ、そっちでしたか。

セキュリティガバガバとか言ってすみませんでした!

そしてマジで助かりました!


「あっ!女将さんおかえりなさい!大丈夫でしたか?」


宿に帰り着いたらシャロが出迎えてくれた。


「アタシを誰だと思ってんだい?」

「それもそうですね」

「おかげで助かったよ、えっとシャロちゃん?でいいのかな?」

「そう言えば自己紹介してませんでしたね。シャルロッテと言います。お客さんもう危ないことしちゃダメですよ?」

「ごめんなさい」


小さい女の子に怒られるダメな大人とはこの事だ。

でも何だろう?とても癒されるような気がするのは気のせいだろうか?


《少しは反省した方がいいですよ?》


してるよ‼︎


あ!女将さんに道具代弁償しないと。

国から支給された俺の持ち金は残り金貨2枚。

道具の相場が分からん!

とりあえず有り金全部で足りるだろうか?


女将さんに言ったら別にいらないと断られた。

流石にそれは申し訳無いとゴリ押しして道具代だけ受け取ってもらった。


残り残金は金貨1枚になりました。


異世界モノの中だとお金って皆使い切れないぐらい溜まっていってるのに、俺全然だな。

夢物語なのは痛感してるけど、ちょっとぐらい夢見させて欲しいよな。


目標の為にもお金はいるし、定職につくと目標が遠退くし…、これは自由になったら冒険者確定だな。


そんな日が来ればいいなぁ〜。


そんな願望を抱きつつ部屋に戻ってすぐにベッドに入って眠りについた。


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