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人で無しの国Ⅷ

テレサは階段をのぼりきったところでアビゲイルの腕から降り、巨神像の目のところから下の光景を覗いた。



悪魔と化したリンに青龍が巻き付いて必死で暴走を食い止めている。

「頑張って青龍!今、助けに行くわ!さぁアビゲイル、私は逃げも隠れもしないわよ。あんたの好きにしたらいいわ!でも約束よ、絶対リンを助けてちょうだい」



「ああ、分かってる!アビゲイルは目を細めテレサの体を食い入るようにじっと眺めまわした。



テレサはその遠慮のない視線に思わず顔を赤らめ目をそらした。



「おまえ…」


「な…なによ…」


「歳…」


「えっ?」


「歳いくつだ?やけに貧弱な乳だな」


アビゲイルはおもむろにテレサの膨らみかけの乳房をむんずと掴んだ。


「イタッ!イタタタちょっと、何すんの!?」


「俺、ずっとこんな穴蔵暮らしだろ?すっかり視力が衰えちまって良く見えねぇんだ、すまないな。しかし…お前、まだ子供じゃん。さすがの俺もこりゃあ無理だな」



「無理?無理って…約束したじゃないの!今さらそれはないわよ!」



アビゲイルは頭をポリポリ掻いて「そう言われても〜」と困りきった顔で裸で仁王立ちになっているテレサをチロリと横目で見た。



「俺…興奮しないと変身出来ないんだよね」

「ハァ?」


「もう!仕方ないわね〜」


テレサは強引にアビゲイルにキスを浴びせかけた。


「私が大人になったところでも想像してなんとかしてよ!」



「ん…ムムム…やってみるかクソー!」


アビゲイルはテレサを抱きしめて小さな舌先を深く絡めとった。



「ん…ああ…」


テレサは痺れるような感覚に思わず声を漏らした。



すると、アビゲイルの背中からリンと同じように黒い翼がシュルシュルと生えてきた。

その体は緑がかった鱗に覆われ、見るもおぞましい怪物に見えた。


巨神像はその衝撃でひび割れて破片が地面に降り注いでいる。

アビゲイルはバサバサと翼を羽ばたかせ、牙をむいてリンめがけて飛んでいった。


すでに青龍は血まみれでのたうち回っており、そのすぐ横では蒼白な顔のレオとセオドアが剣を構えて今にも飛びかかろうとしていた。


「ん?なんだこの風は!」


レオは上空に異変を感じてサッとふり仰いだ。

「うわっ!セオドアあれを見ろ。また凄いのが来たぜ!」



アビゲイルは鋭い爪をリンの翼に突き刺して上からのし掛かっていった。



「ウギャアア!ガウウゥ」



リンは必死でもがくが、びくともしない。


アビゲイルはリンの首元にガブリとかぶり付いた。



ポタリポタリと鋭い牙から血が滴り落ちている。



リンは出血多量で意識を失ったのかグッタリと脱力していた。


「ダメよ!もう止めて!リンが死んじゃうわ!」



なんとか巨神像から降りてきたテレサが涙ながらに訴えた。



アビゲイルがその牙を放すとリンはみるみるうちに元の姿に戻っていった。



テレサは駆け寄って、血まみれのリンを抱き上げた。



「リン、リン!しっかりして…死んじゃダメよ!」



レオとセオドアも心配そうにリンの様子を伺っている。



そこに、やはり元の姿に戻ったアビゲイルが近づいてきた。



「それくらいで死にゃあしないよ。人間じゃあるまいし…」



「…人間じゃない?人間じゃないだって!?それはどういうことだ!」



セオドアはアビゲイルの襟元をギュッと掴んだ。



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