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人で無しの国Ⅵ

レオは青龍の背中でリンを鎮める方法を必死で考えていた。



「クソッ!どうしたらいい?俺達でリンを抑えられるのか?」



「な〜にをビビッてんだ?お前らしくないぜ!」



「だってさ…見てみろよ!完全に自分を見失ってる…俺、怖いんだよ。なんだか嫌な予感がする…」



セオドアはまるで自分に言い聞かせるように弱気なレオを叱咤した。


「大丈夫だ…大丈夫、俺達がリンを信じなくてどうするんだよ!」


「そうだよね…何言ってんだろ俺…」



リンの竜巻は辺りの森の木々を吹き飛ばしながらヤナ谷の辺りで消えていった。



リンは独り静かに立っていた。

ラシードも消えて無くなったのに、リンの背からは黒いモヤのようなものが立ち上ぼり、何か化物の姿に変化しようとしている。

それを見たセオドアは「ウッ…」と言葉を詰まらせた。


「まずいことになった…いいかレオ、もしリンがヤバイ状態ならそれを止められるのは聖獣使いであるお前だけだ!もし…もしリンが人でなくなったら殺せ!」



「…!!」



固まっているレオにセオドアはもう一度言い放った。



「殺すんだ!!」



レオはひきつった顔で無理に笑おうとした。


「…ハ…ハハ…何?冗談でしょ…だってさっき俺に言ったよね?リンを信じろってさ」



セオドアは真剣な顔でもう一度「ああなってはもう手遅れだ…それしかない!」とレオの肩を揺すぶった。



「俺は見たことがあるんだ…精霊使いの暴走する様を!滅ぶぞ、国ごと滅ぶ!もし、どうにも止めようがなかったら腹をくくれ…いいな!」



リンは目の前の谷間にフワリと飛び降りた。


レオ達は青龍に乗り込みそれに続く。



「熱い!…マグマが噴き出してるよ」



レオとセオドアはその灼熱地獄にゆっくりと降りていった。



ボコボコと沸き立つ熔岩を取り囲むように

ホロンの民達がしゃがんでいる。

その視線の先には巨神像、そして横に寝かされているテレサの姿があった。



「テレサだ!どうやって近付こう?」



巨神像の前では祈祷師が一心不乱に祈りを捧げている最中だ。



おもむろに二人の男が横たわるテレサの服を剥ぎ取っていった。

一糸纏わぬテレサの裸身は真珠のように白く照り耀いている。


男達は一頭の羊を引き出してきて押さえつけ、その首を鉈でぶち斬った。



ダラダラと流れ落ちる赤黒い血をテレサの白い肌に塗り付けていき、祈祷師が何か叫んで男達はテレサの体を高々と持ち上げた。



その様子を見たレオは大声で叫んだ。



「止めろ!その子は精霊使いじゃないんだ!」



「お前は誰じゃ?なぜ神聖な儀式の邪魔をする?」



祈祷師は凄い形相で二人を睨み付けた。



「俺達はその子の仲間だ!お願いだ、テレサを返してくれ…でないと大変なことに…」



祈祷師はヒヒヒと笑い「バカめ、そんな嘘はお見通しだ!このバジャ様の目は誤魔化せん。サァ何をしておる、早くサラマンダー様に生け贄を捧げるのじゃ!」



その時、リンの背に巨大な黒い翼が出現し頭からは二本の不気味な角が生えてきた。

その瞳は赤く血走り、口からは涎の糸がタラタラとのびていた。



「リ…リン!ダメだ、ダメだよ!」



レオが止める間もなくリンはホロン達に襲いかかり、次々と血祭りにあげていった。



人間の内臓を食い破りズルズルと腸を引き出してむしゃぶる様は見るもおぞましい悪魔そのものであった。


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