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青龍を捕まえろ!Ⅰ

リンの気持ちはさておき、レオの提案に奴隷達は希望の光をみたようだ。



白髪混じりの逞しい奴隷が拳で脚を結わい付けてある鎖を力任せに引っ張った。



「俺はこんな船底で一生を終わるなんて絶対嫌だ!みんなもそうだろう?どうだいここはこいつらの作戦に手を貸してやろうじゃないか!」



まだ顔に幼さが残る奴隷が立ち上がった。



「うん、俺ここから出られるならどんなことでもするよ!」



レオは満面の笑みを浮かべた。



「よし!決まりだな。じゃあ俺達は一旦パーティーに戻るよ。作戦を始まる前に捕まったら元も子もないからな。夜中、みんなが寝静まったころにまた来るぜ!それまでに作戦を考えておくよ」



レオ達は目立たぬようにセオドアとは別れて別々に会場に戻って行った。



テレサはレオをどついて「あんなこと言ってどうする気よ!もし失敗したらあの人達だって無事じゃいられないのよ?」と、恐い顔で睨み付けた。



「テレサ、お前本当にこのままでいいと思ってるのか?リンデンハイムは奴隷なんて使い捨ての道具くらいにしか考えてないんだぞ。見たろ?あの人達は死ぬまであの船底から出られないんだぜ」



リンは冷静に二人の意見を聞いていたが、やはりこのままでいいはずがない!との結論に達した。



「やってみよう!そして青龍もあの人達も助けるんだ。テレサ、協力してくれるよね?」


テレサはリンに頼まれるとなぜだか嫌と言えなかった。



「…仕方ないわね。で、どうやって助けるの?」



レオはウ〜ンと唸ってチラリとリンの方を見た。



「リン、ひとつお願いがあるんですけど…」


リンは嫌な予感がしてテレサの後ろに隠れた。



レオはすかさずリンの後ろに回ってポンポン肩を叩いた。



「そんな逃げなくても…ねぇ?まず話だけでも聞いてくれよ」



テレサはリンの肩に置いたレオの手を払い落とし、「聞かせて貰おうじゃないの。その作戦ってやつをね!」と息巻いた。



その頃セオドアは酔い潰れたロイを担いで、今夜泊まる船に案内して貰っていた。



「こちらでございます」



案内された船は他の船にぐるりと包囲されていた。



ひとたび反乱でも起こそうものならあっという間に攻め落とされてしまうに違いない。



甲板には小さな庭園までしつらえてある一際洗練された豪華客船ではあるが、それは表向きのことで実際は敵に変じるかもしれない客を監視するための檻でしかないことをセオドアはよくわかっていた。



「ウ〜ン…グレンの奴さすがに抜け目ないなぁ。さて、どうしたものか…」



セオドアはそう言いながらも自然と笑みが溢れてくるのを抑えようがなかった。



「見てろよ…一泡ふかせてやるぜ!」



セオドアは遥か遠くに見えるユーリの船の灯りをじっと見つめた。


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