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復讐者、タッグを組まされる。

リョウマが一から修行をやり直さないといけないと知った時。


元の世界ではアマンダ救出の段取りが組まれていた。


「まずは魔王城に潜入する事だな」


「それは問題ないにゃ」


「どうしてですか?」


メグがルカルドに聞く。


恐らく、アマンダの公開処刑当日までは厳しい監視に警備の目が多くあるだろう。さらに魔法で拵えた防犯システムもあるかもしれない。


ちなみにリョウマの考案だ。


当然、イグルシアにその知識がばれている可能性がある。


「簡単な話にゃ、このニューアリアの転移紋から俺っちの部屋まで飛んでいけるにゃ」


「つまり、ルカルドさんの部屋には転移紋があるという事ですか?」


「向こうからは行けない、一方通行の転移紋だけどにゃ、いやーリョウマ達が来ていたのがミカロジュの森で幸運だにゃ」


「じゃあ、侵入はどうにかなりそうだね」


「次に、分かれる必要があるわ…主に三つっね」



「一つは陽動班…これは兵達が集中するように先に仕向ける班よ。時間稼ぎと戦闘力に特化した人が望ましいわね」


「なら、俺っちかなラフロシア?俺ならその役割向いているにゃ」


「そうね…私だと、種が尽きる可能性があるから温存に越した事はないわ」


「でも、兵隊は必要よね?」


「私とメグ…それにエマが援護で参加するというのはどうですか?」


戦闘力のあるメグ、サポート役のラウラ、そして回復役のエマがいる事でイグルシアの兵士達とも十分に渡り合えるだろう。


ラフロシアは特にメグは師団長レベルに届くのではないかと考えていた。


「そうね、ラウラ…あなた達は三人で一組になって行動する方がいいと思うわ、ルカルドもそれでいいわね」


「いいにゃ!問題なしんだにゃ」


「よろしくお願いします」


「おぉ!健気ないい子じゃないかにゃーー」


(エマの本性も知らずに…)


メグはエマの社会性の高さに下を巻きながらも呆れていた。


基本的にずるい女であるエマは、さっそくルカルドに近づいたのだった。


「ルカルドさん、簡単なハーレム状態ですね」


「にゃ!ついに俺っちの時代がぁ―――!」


と、ルカルドは何故か背中から炎が出る程に暑くなっていたが、おそらくすぐに鎮火するだろうと周りの人達思ったが、言わなかった。


「それでは次は、ジェフや魔王国主要メンバーが捕まっているのを助ける班…これは多くの人が捕まっているのを見越してレンコとスフィアね」


ラフロシアは考えていた事をすらっと言う。


それに対して、スフィアは了解と軽く言う。


「分かったわよ」


一方、レンコは内心、嫌と思いながらも、納得するしかなかった。


何故なら、レンコしか魔王城の構造を知らない。


スフィアは中距離の攻撃を得意としているので、接近戦が主であるレンコとの相性もいい。


後はスフィアのスキルなら鍵とかも無しでも作る事が出来る事がこの班の構成になった理由だろうか。


(あれ、私…武力でしか期待されていない?)


レンコは自分がスフィアよりも役に経っていないのではと焦りが生まれた。


「よろしく」


すると、スフィアがレンコに言う。それで役になっていないどうこうの事は忘れた。


「別に、これも作戦のためよ」


意地で気にしていなように演じるが、リョウマじゃなくてもばればれだ。


スフィアも協調の目的というよりも、レンコがいつもの調子を崩さない様にあいさつしたのが大きい。


やれやれと自分が組まされたペアの事を思いながらラフロシアは最後の人を言うのだった。


それに残った者には一番に難題な事を任されるのだ。


「そして、私がアマンダを救うわ…見つけて無事に一緒に行動ができる事を確認した次第で、ルカルドの部屋に戻るわ…その連絡も念話でする」


この中でおそらく一番に強いのはルカルドとラフロシアだ。


その内、ルカルドが陽動に回るという事は必然的にラフロシアが救出の班に入らざるを得ない。


「本当はリョウマにさせたいんだけどね…あいつはいつ起きるか分かんないから」


そして、病室で眠っている彼の事を思い出す。


レンコとメグにエマは心配そうに顔を曇らせる。


ルカルドが一つだけ聞く。


「容体の方はいいのかにゃ?」


「私も気になります」


ラウラも聞いた。


それに対して回復職のエマが答えた。


「脈は弱いけど…体は至って健康そのもの…ただ眠っている様にしか分からないわ…いくら回復を掛けても起きないのよあいつ!」



エマはぷんすかとしながらにいう。


メグはまだ名前の呼ばれない人物についてラフロシアに聞いた。


「後、ケンの班に入れますか?」


それに関してもラフロシアはすでに準備している。


「ケンとカツはレンコの班だね。彼らのペアなら移動力もあるし、融合が使えるなら戦力としてもうってつけだろう」


果たして、無事に帰ってくるのかが心配な所だが、ここで思ってもしょうがない。


「そうですね、分かりました。」


メグはしょんぼりとしながらも大人しく引き下がる。


一通り話し終えたラフロシア。


「じゃあ…、一時解散だね、各チームの連携を確認しておくように」


ラフロシアが言うと、メグ達は集まって、どのように連携をするか相談しようと言い、どこかへといった。


ラフロシアも、出来るだけ敵の情報を貰うために、一旦大会議へと訪れようと考えていた。


部屋を出る前に問題である二人にくぎを刺しておく。


「…」


「…」


「大丈夫よね?いい大人なんだからうまくやってよ?特にあなた達」


二人はすぐに返事をした。


「分かっているわ」


「えぇ、そうね」


しかし、その顔色はあまりよろしくなかった。


「にゃー、女はこわいにゃー」


ルカルドはそんな事をつぶやきながら、毛づくろいを始めたのだった。

ここまで読んで戴き、有難うございました。


ブクマ、感想、評価等いただけると大変励みになりますので、もし良かったら宜しくお願い致します!


東屋

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