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復讐者、足りない中での会議開始

レイジに連れられてきた謎の精神世界。


そこには一面が花園で覆われた所で出会ったのは初代魔王のラッシュ・アデルバード


その人物がリョウマに言う。


「お前にはこの世の全ての命を感じ、戴き、操る力である想力を会得してもらう…つーか、しなきゃ死ぬね」


あまりの死ぬ宣告に、基本的に受け入れ態勢のあるリョウマも反論する。


「なんでですか!」


ラッシュは「えー」と言った顔でリョウマを哀れんだ顔で見つめる。


「もしかして知らない?君がここまで来た道を覚えている?」


そこでリョウマはここまで来たあの白い廊下を思い出す。


「あの白い廊下ですか?」


白い廊下と言われ、ラッシュは納得の言った顔をする。


「なるほど、レイジの想力ではそういう風に具現化されたのか…、まぁ簡単な話、あの道は想力で出来ていて、帰りは自分で創らないとここから出れないよって話」


「んな…」


唖然とするリョウマ。


連れられてきて、帰りは自己責任とかヤクザもびっくりな仕打ちだ。


「勿論、俺は魂の存在である俺は個々から出られないし、レイジもここまで送る事は出来ても、送り返すつもりはないから」


そう言い、ラッシュはレイジに向くと、レイジも一言いう。


「その通りだ。あくまでこいつとの約束を守っただけだ、僕は」


「やけに素直と思ったら…そういう事か」


ここまでやけにすんなりと送ってきたと思ったら、そういう仕掛けかとリョウマは思った。

さぞ、レイジの中ではいたずらが成功したという気持ちでいっぱいなのだろうと察した。


「まぁ…大丈夫大丈夫、レイジに想力を俺の手から教えてもいいってお墨付き貰ったんだから、資格は十分にあるって事よ」


「そもそもそこだ…資格って一体なんだよ?」


リョウマはかなりの失敗をこの異世界でしてきた。その失敗はこの世界で生きる覚悟にもなれば、前の世界に帰れない、帰らないという楔でもある。


そんな自分に想力…おそらくジュライドの爆発的力を伝授してもらえるっていうのはリョウマの中では筋が合わなかった。


しかし、そんな疑問を無視して、レイジが注文をつける。


「リョウマはがんばだ。うんで、ラッシュ…僕はもう案内の仕事は終わったから、ここに小屋でも建てて、寝ているからさっさと特訓しろ」


「おけー【復讐】…って今はレイジか、俺もそう呼ぶわ」


「勝手にしろ」


そういうと、レイジはどこからか小屋を出現させて中へと消えた。


「あれも?想力ですか?」


リョウマはその速度に着目した。ラフロシアの植物魔法で建てた小屋よりも早く、そして頑丈そうだ。


「そうだよ…でも、あれに関しては俺の空間だからできる事だ。本来は想力で出来る事は自分の体の範疇を超えないよ」


つまり精神世界等でなら、具現化とかができるが、現実では身体の強化しかできないらしい。

それでも十分に脅威だが…


「そもそも想力って一体なんですか?それと資格って…」


「まずは想力は、想いの力。想い、想われる事を自覚し、尊重し合う事で頂ける力だ。」


「スキル、魔力や魔法とは違うのですか?」


「あぁ、違う…まずスキルは異能の力…物理、因果率等を無視して発動、発現する」


「そして、魔法は体内…場合によって大概の魔素を魔力に変えて、その魔力を魔法や魔術として具現化する力だ」


「しかし、想力はそれらに当てはまらない。あらゆる物の存在を軽くいただく事によっては発生するエネルギーを頂く事で」


「これは自分がこの世界にいていいと思えば思う程増大に膨れ上がる」


「あっ」


だから、ジュライドの戦いではリョウマの扱える想力が爆発的に膨れ上がった。

あの時、レンコからこの世界にいてもいい、いてほしいと言ってもらえた事でリョウマの中の想力が一時的に膨れ上がったのだ。



「心当たりがあるようだ。そして、それは体の外にでたエネルギー玉みたいな物じゃなかった」


「はっ、はい…そうです」



「想力は外から頂く力故に、まずは体外に集中する。まずはその玉の状態を維持する事から始めよう」


「はい、まずはどうすればいいのですか?」


「そうだな、まずは瞑想だ。俺がいいというまでやれ」


「はい…」


そういうと、リョウマ花園の葉っぱの方へと移り、胡坐をかいて、瞑想をする。


ラッシュはこの時最低十時間はかかると思っていた。


(戴くといっても簡単に出来る事じゃないからな…)


「こんな小さい玉ならできたんですが…」


するとリョウマが何か変化があった事を言ってきた。


「え?」


「これは…確かに…嘘」


(早い…早すぎる?)


ラッシュの考えでは早くて10時間、遅くて3日程だと考えていた。


簡単に想力を一度使った事があるにしても、それは他の物質に存在を認められていなければ簡単には扱えない。

自分の感覚以上に、その他の物質への感謝と敬いが必要なのだ。

そのはずなのだが…リョウマは簡単にその段階をクリアしてしまった。


「ねぇ?リョウマ君が初めてこの玉を出した時はどういう玉だった?」


詳しく、リョウマが初めて玉を出した時を知ろうとするラッシュ。


「えーとですね…平野を一掃して…かつその平野にいた魔物を半滅される程の威力でした」


「んな…」


あり得ないとラッシュは思った。


ラッシュですら、初めての時は木を一本潰す程度だったし、それでも十分に強い力だと感じていた。


「もしかして…なんか【復讐】以外にスキルある?」


「えーと【英雄】というスキル持っています!」


「【英雄】!本当か!」


「えぇ…でも、それがどうかしました?ただ身体能力を上げるだけのスキルですけど」


(こいつ、もしかして…勘違いしてスキルを使っている!?)


ラッシュはリョウマの【英雄】に関しての重大な勘違いを指摘する。


「【英雄】は確かに個人の力を上げるという認識だが…それは身体能力以外にも、魔力、スキル…そして、想力も適正以上に会得可能にするスキル…いわば努力すればそれだけ報われるスキルだ!だから初めて、想力を認識してすぐに玉を作れたんだ!」


「そんな力があったとは…あっそういえば、俺、特に疑わずに使っていたから…それでそのままずっとやってきてしまったみたいですね。」


リョウマはてへへとしながら言うが、ラッシュは驚きで心が高ぶっていた。


「よーし、さっさとやるぞ!今度はその玉を大きくしろ!」


「はい。分かりました」


何故、ラッシュがこんなに喜んでいるから分からないが、どうやら順調に進んでいるとリョウマは思う事でスルーした。


こうして、ラッシュとリョウマの修行は順調に進むのであった。




そして、場所は現実世界のレンコ達サイド。


「これからどうするか」


「おそらく、魔王国側から何か連絡が来るはずよ」


いるメンバー全員で居間で会議をしていた。

しかし、できる事が連絡が来ないとどうしようもない事に気が付く。


「それまではここで待機なんて…もどかしいです」


メグが珍しく愚痴る。


そしてレンコはそわそわしていた。


リリアシアが見かねて、一つある情報を言う。


「大丈夫よ…ヒカリちゃんだっけ?一般人は城下町に移されて、監視はついているけど無事に扱っているって伝わってるわ」


「そうですか…有難うございます。安心しました、リリアシアさん」


「いえいえ、同じ母として子供は心配よね」


ヒカリの事を心配していたレンコだが…どうやら無事だそうだ。


すると、扉が開く。


「にゃー久しぶりにゃ、ラフっち、レンコっち…あれ?リョウマは?」


なんと、出てきたのは魔王国にいるはずのルカルド、そして後ろにはラウラがいた。


「えーーーー!ラウラ!に誰?」


エマが声を上げて言う。


「げっ?エマ…あんた生きていたの?」


「げって何よ!げって!そうよ!生きていたわよ!今はリョウマ達の仲間よ!」


「はぁーーーー!なんでよ!」


若い娘達が騒画いでいる間に、ルカルドはラフロシアの側絵へと行き、挨拶をする。


そのラフロシアも驚いて、口を唖然としていた。


「あ、あんた…どうしてここにいるの?」


「うん?逃げてきたにゃ、あと大事な情報を伝えにと相談にゃ」


さも当然とばかりにルカルドは言う。


「あんたがここにいたら、誰は魔王国、そしてアマンダを守るのよ!」


「もうその必要がないにゃ…」


少し残念そうにしてルカルドは真実を皆に伝えた。


「魔王アマンダ・レイフィールドは捕縛、そして二週間後に公開処刑にゃ」


そう伝えて、ラウラの表情も曇った。本当の事なのだろう。


「なっ?!そんなどういう理由でですか?」


レンコはルカルドとラウラに聞く。


「この世界の膿とかよく分からない理由でにゃ…全くふざけているにゃ…イグルシア帝国め」


「…あんたはどうやってここにいるのよ?」


スフィアはルカルドに聞いた。


「誰か知らないが、良い質問だにゃ…俺達は隙をついて俺らの持っている転移の術式を書いた紙でニューアリアまで転移を続けたにゃ…ここが一番戦力が整っているからにゃ」


「どうして、アマンダを助けないのよ!」


ラフロシアがルカルドを糾弾する。


「私達は現場にいなかったけど…だからこそ助ける事ができたかもしれないでしょ?」


「最もなご意見だが…」


「違うんです!」


「ラウラ…」


ラウラが必死にルカルドの無実を伝える。


「私達はアマンダさんの所まで助けに行ったんです…幸い…無事に彼女を捕まっている部屋まで行けました…だけど、そこでアマンダさんは私達にいったのはただ一言」


ルカルドは落ち着いて言う。


「「助けに来るな」だってさ…どういう意味にゃ、まぁ、その後見つかって助ける事も難しいじょうきょうだったけどな…」


「そんなのアマンダさんが私達を気遣って、遠慮しているだけよ!助けにいきましょう!」


ラフロシアが言う。なんやかんやいって魔王であるアマンダと付き合いが長い彼女は心配なのだ。


「そうだと俺も思うにゃ…だけど…その公開処刑には各国の重鎮に八蛇師団も総勢で来るらしいです…攻めてきた時はラガーンはいなかったのに…」


ラガーン・ドラゴヴルム


イグルシア帝国の国家象徴だ。


「ラガーンがいても、あんたがいてもダメだったの?」


スフィアがルカルドに聞く。


スフィアの情報でもこのルカルドは簡単な経歴以外不明な所が多いのだ。


「いや、そうですね…というのも…早々に魔王様が真っ先に捕まっちゃって…私は手も足も出なかったの…申し訳ありませんにゃ」


ルカルドは申し訳なさそうにいう。


ラフロシアは肩を落とすも、落ち着いてルカルド達に言う。


「いいのよ、私達なんて現場にいなかったんだから。とにかく無事でよかったわ。さっきは厳しい事いってごめんね」


「いえ、ラフロシアさん」


「別に大丈夫にゃ。お仕事できなかったのはそうだしにゃ」


すると、ルカルドは思い出したかのように言う。


「そうにゃ、リョウマはどこにゃ? 魔王を助けるにもあいつがいないと始まらないにゃ」


すると、ニューアリア組は皆かをそっぽ向ける。


ラウラもルカルドもどうしてかといった表情で見つめる。


スフィアがため息交じりに答えたのだった。


「あいつは…今医務室で昏睡状態です」


「あにいぃぃぃぃいぃいいいいいいい!!」


援軍を求めてきたルカルドだったが、肝心の戦力の一人が使えないという事実に驚かざるを得なかった。


ここまで読んで戴き、有難うございました。


ブクマ、感想、評価等いただけると大変励みになりますので、もし良かったら宜しくお願い致します!


東屋

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