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復讐者、この世界を守る者達

レオナルドが現れて数日が経ち、ついに宣言した日の前日になった。


それまでにリョウマ達はレイフィールドの町の復興と今日のために戦うメンバーの選定、その人達の治療を街の人の協力の元、各々が準備をした。


戦うメンツはリョウマ、レンコ、スフィア、ラフロシア、ラルフ、エマ、メグ、ルカルド、そしてなぜかザッカの9人だった。


「なんでこの犯罪者もいるんだよ!」


リョウマは思わず口ずさんだ。


それをルカルドが説明する。


「本来はアマンダを助ける為の対イグルシアへ向ける戦力だけど、こうなったからね。彼も大元を説明したら喜んで助けてくれるっていうし何より一番無傷だ。ちゃんとこれが終わったら牢に戻るって約束しているしね」


ルカルドの説明に追加してザッカ自身も話す。


「別に信用しろとは言わない、本当は俺たちを嗾けたそこ白髪に一発ぶった切るところを大元への戦力提供で許してるんだ、心が広いと思ってほしい」


そういい、ザッカはラルフを睨みつける。

ザッカは元々魔王国の子供を誘拐していた一味で、リョウマ達に壊滅された。

その誘拐を指示していたのがイグルシア帝国だった。

彼のいた一味の団長を尊敬してくれたザッカにとってはどちらも敵という状況。

確かに素直に戦力になってくれるのは彼の心が広いと思える。


「だって、これに負けるとこの世界そのものが無くなるんだろ?それじゃ俺の復讐も方向転換する」


そう話しながら、ザッカは手にある彼愛用の剣をぶんぶんと振る。


ラルフはその件でしっかりと謝らなければと思っている。


「ザッカ、先に謝罪をしよう。申し訳なかった」


「…」


ラルフの謝罪に返答を返さないラルフ。

決戦前の気まずい空気がどことなく流れる。


そこでリョウマはラルフに声をかける。


「あぁ、ええっとさ、いつもに双子はいいのか?」


ラルフとセットとなっている双子について聞くリョウマ。


「あぁ、いつも彼女たちは僕のサポートをしてくれているけど、武力はあまりないんだ。今回は遠くから塔を監視並びに有事の際にスキルで俺達の救助が役目。今も遠くから見ているよ。何かあれば彼女達はすぐに駆け付けてくれるから安心してくれ」


靄の条件はラルフの行った事あるところなら届くそうだ。

そのスキルを持っている、ラルフの部下のローナとレーナは主に諜報力を買われて八蛇師団の団長まで上がったが、武力はあまりないそうだ。


「了解、しかし改めて見るとお前も異世界人とはな、同じ日本とは思えない」


「あぁ、同じ日本だが少し違うみたいだね」


前日の意見交換でリョウマとラルフは同じ日本という国から来た事、そしてどうやら世界が違うらしい。

最初は明らかに見た目が違ったためお互いに異世界人だと疑った。しかし、それはイグルシアとの通信でイグルシア王族との会合で合致した。ちなみにリョウマは黒髪、ラルフは白髪だ。


「異世界といっても少し違うだけってのもあるんだな…」


ラルフが魔王国に攻めていたのはもちろんその上であるレオナルドの指示によるものだが、それと同時にリョウマが味方足りうるか推し量っていたらしい。


「あぁ、世界は広いということだな」

リョウマはそう一言でまとめた。彼自身、推し量られていた事に関しては何も問題ないらしい。


「んで、お前はイグルシアの姫様を助けるためにここまでしていたのか…」


聞くにイグルシアの姫が人質としてレオナルドの元に贈られるらしい。

それがこの世界に疑問をもったイグルシア帝国に行ったレオナルドが指示した代償だった。


「あれ?そういえばケンは?」


そしてこの場にいないもう一人の異世界人。ケン・アウロナルについてメグが言う。


「あぁ、ケンは戦いでさらに深手を負ってね、レオナルドの伝えた日までに完治できなかったよ」


ラフロシアは申し訳なさそうに言う、治癒魔法も使ったが間に合わなかったのだそうだ。


曰く…


「街に万が一あれば動くが…とてもじゃないがラガーンや元八蛇師団と1対1ができる程ではないかな…悔しいけど後は頼む!」


ケンはそういって、リョウマ達を見送った。


「そうですか…」


そうこう話しているうちに塔の前に佇む9人。

その扉の前に立った。


「さてと…中に入ろう」


「えぇ…時間もないからね」


そっと後ろを向くとスフィアとエマがいた。


「今回は裏切らないよね?」


「もちろん」


「当たり前よ!こんな時に裏切られますか!」

スフィアはいつも通り一言で、エマは元気よく返事する。


「どうしてこのパーティになるのやら…」


「スフィアはかなり戦力として期待できるし、エマはメグを強化するために補助要員でしょ」


リョウマが悪態をつくと、レンコはエマが来ている理由も丁寧に説明する。


「はぁ…まぁいっちょやりますか」


「そんな適当に言わないで、この世界を助けないと…ヒカリのためにも」


そこでレンコは自分達の娘の存在をリョウマにぶつける。


「あぁ、そうだな、かならず倒さないとな」


改めてリョウマ決意をする。


(かならず生きて帰ってヒカリの元に!!)



そして今、最後へ向けて扉が開くのだった。



扉を開いたリョウマ達を待っていたのは白い空間だった。


「誰もいない??」


エマは中に入ってすぐに口にする。


中は何もない空間になっており、奥の壁に6の階段があった。


「ようこそ!この世界を守る者達!」


「この声はレオナルド!」


突然部屋の鳴り響くアナウンス。


「君達が挑戦するということでいいね? であれば…そこの扉は閉じよう」

そうしてリョウマ達の後ろの扉は閉じた。

説明を続けるレオナルド。


「あぁ、ルールはいたってシンプル。各階段の上に名前が書いてあって、それらは僕の部下だ」


そう言われ、リョウマ達は階段の上の名札を見る。


「レオナルド、ラガーン、カモッラ、アマンダに…色欲、強欲に怠惰?!」


後半に列挙された名前に対して読んでいたレンコが驚く。


「後半はそこにいるリョウマやラルフ…それにどうやらそこの女二人も持っているらしいね…スキルのひな型達だ。彼らは一度僕の手を離れた、しかしそれから後悔してね…発見次第、僕の手の元において人型にして部下にしているんだよね、君達の何人かにはその相手をしてもらう」


レオナルドはルールの概要を続けた。


「あぁ、そうだルール…ルールは簡単、僕の部屋の奥にこのリセットを止めるボタンを用意しているよ。その場所まで行くには僕を倒すのと、用意した僕の部下達全員を倒さない。つまり僕サイドの敵を全員倒し、このボタンを押したら君達の勝利。だめなら僕の勝ちという事だ。」


そういい、赤いボタンのイメージが流れ込んできた。


「あなたがそのルールを守る保証は?」


スフィアが気になっていた点を指摘する。


「信じてもらうしかないね…でもよく考えてみて?この状況そのものが君たちにとってとても有利だということに」


そうだ、とリョウマは思った。


この余興自体がリョウマ達にとってメリット。本来ならそうとは知らずにレオナルドがリセットを実行すれば彼らの勝利なのだ。


「えぇ、そうね…でもどうしてそうしてかが気になっていてね。ちなみにどうしてか聞いてもいいのかしら?」


スフィアは会話を続ける。少しでも情報が欲しいのだろう。


「いやーそこの異世界人が僕を殴ったからね…喧嘩なんて幾数世紀振りだから余興にさせてもらったまでだ。僕を満足させてくれたら、この世界のリセットを取り消すぐらいに僕は今娯楽に飢えているんだよ」


「そうか、じゃあ安心しろ…しっかりと勝ってやるからな」


リョウマは語尾を強めて言う。


「あぁ、楽しみにしているよ、リョウマ…ではまた」


そういいレオナルドのアナウンスは終わった。


「さて、ではどうしようか?」


そうしてリョウマ達の話し合った結果…


レオナルド対リョウマ(憤怒であるレイジを持っている)

アマンダ対レンコ (嫉妬持ち)

カモーラ対エマ&メグ

ラガーン対ラルフ(傲慢持ち)

色欲対ラフロシア

強欲対スフィア

怠惰対ルカルド&ザッカ


ということになった。


「ラガーンは当然俺だ」

ラルフはラガーンに一度敗れているが、リベンジしたいのだろう。


「じゃあレンコ、アマンダの事よろしく頼む」


「任せて!かならず連れ戻すわ」

リョウマも助けに行きたいが、レオナルドを殴れるのはリョウマだけなのでレンコに託すことにした。


「よし!やるぞ!」

「おぉ!」


ラフロシアからの情報でカモッラのスキルは対人スキルの高いメグとスキルでの催眠はもちろん、魔法の使えるエマが担当に


後はそれぞれの感情の志向性にあったものにすることにした。


「私…色欲?」


「うん…だってリョウマが…」

「うわ、やめてエマちゃん!!」


「強欲、、まぁ私は欲深い女だけど」


「…消去法だよね?俺ってそんな怠けものじゃないよ?」


各々が不満や同意する中で対戦相手が決まった。


「よし!いくぞ!」


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