復讐者、森からの戦い…ついに決着
手は大きな鍵爪となって、フレディの攻撃を防ぎ、メグを守った。
その男の名をケン・アウロナル
と、融合状態で分からないがペットのカツ
「ケンさん!」
メグはケンの登場に喜びを隠せないでいた。
「待たせたメグ達!今度こそ、この殺し野郎を倒すぜ」
ケンはそう笑って言葉を返した。
「ケンというのか、お前…一体どこにいたんだ?」
当然、ケンと一度会っているフレディはここまで彼が戦線に出ていない事に疑問は感じていた。
「ニューアリアに残ってたんだよ、得たばかりのスキルを無理やりに強くするために」
「成程、でも俺はそう簡単には…」
そういいながらフレディは【加速】を発動させたようとするが…
「あぁ…ここらへんはもう走らない方がいいぞ…穴だらけだから」
いたずらが成功した子供みたいに笑うケン。
「ぐっは!」
そして、ケンの言う通り、突如出現した穴に躓き転ぶフレディ。
そう言うと、盛大に穴へと落ち、盛大に転ぶフレディ。
「先に穴を掘っておいたんだ、あんたのスキルは見ていたからな。このフィールドは俺のものだよ」
「くそっ、これじゃあ、【加速】うまく使えないな…恥をかかせやがって!!!!」
「まぁ、今ので躓くなら…満身創痍の八蛇師団ぐらいなら余裕で相手取れるよ」
メグのおかげでダメージが確実に入っているフレディ。その事をケンは見抜いていた。
「…俺の【加速】を止めたつもりか?」
「あぁ、そうだが?」
しかし、それでもフレディは笑っていた。
「ふざけやがって、俺に転ばせるわ、調子のいい事言うわ…笑える」
笑いながら、限界点までに切れていた。
「おまえはまだ俺のスキルをとめてはいないんだよ」
そういうと、フレディの姿が消えた。
「なっ?!」
姿が見えない事でケンはすぐに防御態勢を取る。
しかし、その位置を分かっていたかのようにフレディのナイフがケンのお腹を指す。
ドスッ!
「グァ…」
口から血が出るケン。
「ケンさん!」
「ははっ!」
フレディはお腹のナイフを引っこ抜いて、距離を取った。
「はぁはぁはぁはぁはぁはぁはぁ…」
ケンは血を止めるためにカツの持つ熱魔法で傷を焼いた。
「ぐっ!!!!はぁはぁはぁはぁはぁ」
「ケンさん!」
メグがその様子を見て言葉が出なかった。
「大丈夫…痛みには慣れてるから」
メグを心配させまいと笑顔を向ける。
そして、ケンは周囲を見て、フレディの本当のスキルを理解した。
「なるほど、あんたの【加速】は何も足だけじゃないって事ね…盲点だ、そりゃ【加速】としかつ
いて言っていないからね…よく考えれば分かった事だ」
「そう、俺は自分の行動…脚力は勿論思考力、分析力を最大限加速させる事でこの不安定な地面を超高速で移動したんだよ」
「おまけに影のスキルもあると来た…これは辛いね」
「なら…しょうがない…この技を使わせてもらうよ」
そういうと、ケンは地面に触れた。すると、フレディの足元が崩れた。
「なっ?!」
すぐに移動するも、近くに手ごろな影は無い。
そのまま穴の底へと落ちるフレディ。約5mぐらいだろうか、鍛えられたフレディは落ちた衝撃の痛みを感じるも、別に動けない程ではなかった。
上を向くと、ケンが穴の前で立つ塞いでいた。
「あんたは自らの手札を見せすぎた、ここならあんたのスキルは無力化させるだろ?」
「くそっ!」
落とし穴という典型的な作戦だが、確かにフレディのスキルには効いた。
「だが、鍵爪で攻撃するおまえも俺には…」
「俺確かにおじさんと戦った時爪でしか攻撃していなかったけど…よく考えて見て、俺はなにと融合しているのかを」
そこでフレディはケンの姿から改めて推察し、恐怖する。
ケンが続けて言う。
「そう魔物!そして友であるカツ…地熱土竜の必殺技が何か忘れたわけじゃないだろう?」
「まさか!」
「さぁおじさん、加速して答えを当てて見な」
そう言いながら、ケンは光り輝く玉を口の前へと出現させ、その中心には太陽を彷彿とさせる輝く球体も二重で発生していた。
魔物の攻撃はブレスがある。それは【融合】してケンにも当然使用ができる。
「スキル【融合】、最大攻撃 地熱玉!!!」
そして地熱玉を真っすぐ素早く飛ばした。
避ける事なぞ出来なかった。
フレディがいるのはほら穴の底。逃げ場はなかった。
「これだから、ガキは嫌いだ」
それがフレディ・オッポサムの最後の言葉になった。
一瞬で彼の体は炭へと消えた。
「…さて、早くエマを助けるぞ」
「えっでも…」
「…うん」
メグとラウラは呆れた。主にケンとカツの強さに。
そして、3人はエマを助けるために移動するのだった。
エマを近くの医務室へと運び、ラウラに看護を頼んだ後、ケンとメグは他の戦線を助けるべく外へと戻った。
「ケンさん?傷は??」
「あぁ、魔物の怪我の治りも融合でもらえるから回復…とまではいかないけど塞いだよ」
化け物のような事を言うケンにメグは笑いを隠せなかった。
「結局、バロンさんの修行はどうなったのですか?」
「あのブレスの会得だよ…マジで死ぬかと思ったよ」
ケンは獣人モードのままメグと共には街の戦線を駆け巡った。
ラウラはエマを抱えて街の病院へと駆けこんでいる。
「なんかでっかい蛇を倒した、以上」
「えっ…なにかこうドラマとか」
「まぁ、そこは想像通りという事でねはい…まぁ…そんな感じで各地の戦線を守っていくぞ」
そういうとメグとケンはレイフィールドの民と共にレイフィールドを守る。
「てか、まだリョウマいないって本当?」
「はい」
「じゃあ、できるだけ長く戦わないとな」
「そうですね」
元気なケンを見てメグもまたやる気が増す。
エマの事が心配だが、解毒剤も飲ませた事だし、もう大丈夫だろう。
それに少し声が聞こえるような感覚がしたので自分も医師に診てもらおうとしようとしたが、体の調子はすこぶるいいので、ケンと戦う事にしたのだ。
「油断しませんように」
「あぁ!もちろんだメグ!」
こうして二人の戦いは続くのだった。
ここまで読んで戴き、有難うございました。
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東屋