日常と魔法を知る
孤児院での日常を書いたのと
魔法についての説明回です。
文字の学習を始めたのだが
これが意外と大変だった。
まず、5歳でも朝の掃除はしなくてはいけない。
洗濯はまだ免除されている。
そこで朝ごはんを食べると
眠たくなるのでしばし寝てしまう。
これは俺に限らず、
見習いにでるまでは(8歳~10歳)
殆ど寝てしまう。
昼前後に起き出して
各々、夕方まで自由に過ごす。
俺は起きてから、
まずは文字の読み書きの練習をする
これが大変で
読み書きを他人に教えることができるのが
この孤児院では、院長先生、ジェニー、シルク姉の3人だけなのだ。
院長先生は昼間はそもそも孤児院にいない事が多い。
ジェニーに何をやってるのか?と聞くと
教会で説法をしたり、
神聖魔法で治療をしたりしてるそうだ。
俺が
「ジェニーはシスターなのだから神聖魔法は使えるの?」を聞くと
ジェニーは
「私はシスターといっても、洗礼を受けただけで、
神聖魔法は使えないのよ。読み書きと四則演算と手当ぐらいね。
だから、孤児院を担当していたのよ」と教えてくれた。
なのでシルク姉に
「シルク姉は洗礼は受けないの?」ときいてみた。
シルク姉は
「私はジェニー姉さんが結婚するから、
孤児院の仕事を引き受けるために残ったから洗礼を受けるつもりはないよ」
と言う。
昼間、孤児院にいて、
読み書きを教えてくれるのは
ジェニーかシルク姉のどちらか
どちらの手も空いていないときは
読み書きの練習が出来ない
なので、文字が読めるようになるまでは半年ほどかかかった。
この世界の文字はアルファベットのような表音文字なので
一度、理解できるとそんなに難しくはない。
逆に文字が読めるようになると
独りで書き取りも出来るので
書くのも半年で出来るようになった
ただし、まだミミズがのたくったような下手くそな字で
数日たつと自分でも読めないことが多々ある(汗)
書き取りを独りでやってるのを見て
ジェニーやシルク姉は驚いていたけどね。
1年で文字をマスターしたら、
院長先生に秀才だと褒められた。
貴族や商人の子女だと、
これぐらいで読み書きをマスターする子もいるそうなので
天才と言えないけど、庶民では相当、優秀らしい。
院長先生からは
これからも勉学に励むようにと
お褒めと励ましの言葉を貰った。
勉強出来ないときや勉強が終わると
棒術の訓練をやる
棒術の訓練は
今はひたすら自分の膝当たりを薙ぎ払う素振りしかやっていない。
今は棒術だが、将来的はグレイブを持ちたいと考えている。
グレイブなら斬る、突くの両方が出来るし、
最初はナイフを棒につけるだけでもいいので
成長に合わせて簡単修正できる。
それと剣ではリーチの関係上、
下段への攻撃には腰から上よりも高い技量が必要だと思う。
しかし、対人戦(人型の魔物含む)では
膝ぐらいの高さへの攻撃は非常に有効なはず、
足をあげて躱すにしても難しく、下手するとバランスを崩す、
剣や盾で受けるにしても受け損ねる可能性が十分にあり、
少しの傷でも足だと身体全体を支えているので
痛みを感じやすいだろうし、
上手く膝に入れば、それだけで無効化出来る可能性が高いしね。
それに四足の獣や魔物でも
中型以下なら顔面
大型ならやっぱり、足に攻撃がいくので
下段への薙ぎ払いを上達すれば
これ1つで魔物にはかなり有効だと考えている。
学習の方だが、
本はそれなりに貴重なものらしく
孤児院には文字を学習するためのものと
聖書ぐらいしかないそうな。
聖書を読む気はないので書き取りの練習するかな。
魔法?
せっかく異世界転生したので
魔法について聞いてみた
「ジェニー、シルク姉、魔法ってどうやったら使えるようになるの?」
シルク姉は
「さぁ?私は魔法を覚えたいなんて、
考えたことがないからわからないわ」と言う。
ジェニーは
「院長先生に聞いてみなさい」と言うので
その日の夕食後に院長に
「魔法ってどうやったら使えるの?」とおれは聞いてみた。
院長先生は
「魔法には大きく分けて、3種類あります。
1つは私達、神を信じる者が使う神聖魔法。
神聖魔法は信じる神の教会に通い、洗礼受けて
祈りを捧げると使えるようになることがあるのですよ」
と仰る。
俺は不思議に思ったので
「洗礼を受けないと神聖魔法は使えないの?」と聞いてみた。
院長先生は
「いいえ、祈りが神に通じれば神聖魔法は使えるようになります。
ですので時々、洗礼を受ける前に神聖魔法が使えるようになる人もいます。
でもより高位の神聖魔法を使うには洗礼を受けて
神に認めて貰えないと難しいです。」と仰る
う~ん
スキルポイント神聖魔法を取得したり、
スキルポイントで神聖魔法のLVは上げれないのだろうか?
しかし、スキルポイントのことは迂闊に聞けないからなぁ。
当面は保留だな。
「どうした?」
黙り込んだ俺に院長先生が尋ねる?
にこ~っと笑って誤魔化してみる。
ふぅ~っと大きくため息をついた
院長先生が
「まぁ、まぁよい。続きを話すよ」
「はい」と俺が答えると
「次が精霊の力を借りる精霊魔法。
精霊を感じることが出来ないと使えない。
また、精霊のいないところでは使えない。
火のないところで火の精霊魔法は使えないというふうにね。」
と院長先生がいうので
俺は
「精霊魔法を使うには精霊を感じる素質がいるということですか?」
と聞いてみる。
「その通り。ジンはやはり賢いね。
精霊魔法は殆どがエルフかハーフエルフしか使えない。
極稀に人間でも使える人がいるぐらいだね。」
と院長先生が教えてくれる。
おれは思わず
「エルフがいるんですか!?」
と食い気味に叫んでしまった。
院長先生はびっくりした顔をしながらも
「エルフはいるよ。ジンはエルフに興味があるのかい?」
と聞いてきた。
俺は
「はい!」と元気よく答える。
院長先生は苦笑しながらも
「エルフは数百年という、長命な寿命を持ち、森で暮らしている。
極稀に森を出てくるエルフもいると聞いているよ。」
と教えてくれる。
エルフきた――!!
ロー◯ス島◯記のディ◯ドリ◯ト以来、
エルフスキーの俺にとっては嬉しい情報だ。
「最後が属性魔法。
無、火、水、土、風が基本属性で、
雷は風と水の2つが扱える複合属性。
属性魔法は魔法使いでないと使えないよ。
魔力は誰でも持っているけど、
魔法を使える人は殆どいない。」
と院長先生が教えてくれる。
俺は
「どうすれば魔法使いになれますか?」
と聞いてみる。
「魔法が使えるかどうかは素質が必要なのだよ。
素質については10歳になるとギルドに登録できるので
そのときに分かるよ。」と院長先生が教えてくれる。
むぅ、ギルドカードにはスキルが表示されるのか?
あまり、スキルを取らないほうがいいかもしれないな。
10歳で多芸とか、高LVスキル持ちって
あからさまにおかしいだろうからな。
スキルポイントでスキルを取ったり、
スキルレベルをあげるのはギルドに登録してからにしよう。
これは心にしっかりとメモしておかないとな。
「院長先生、教えてくれえありがとう。」
俺はニコニコしながらお礼をいう。
「ジンは本当に賢いね。
これからも頑張りなさい。」
と言って俺の頭をなだててくれる。
中身がオッサンなんで恥ずいのだが、
嬉しく感じるので甘んじて受けておく。
名前:ジン
年齢:5歳
LV1
HP:5/5
MP:1/1
SP:1/1
STR:2
DEF:1
DEX:1
AGI:2
INT:3
MND:1
スキル:記憶持ち、四則演算LV7、共通語会話LV2、共通語読みLV1、共通語書きLV1
スキルポイント:4
学習で共通語の読み書きがはいってるので、
学習でもスキルは入ると
しかし、ギルドカードに記憶持ちが載るのはマズイ気がするなぁ......
次回はいよいよ
ヒロイン登場です。
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