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『IN 和茶6人席』

『マスタぁー。こんにちはぁ。』

『おう!薫!その子らがいつも話してるダチ公…友達の皆さんか!?』

『ぅんぅん!♪!』

景気良くマスターとカオリンがルンルントークをしてる間に会話の疑問点を五右衛門にぶちまけた。

『…ぉぃ、今いつも話してるっていったよな…』

『あぁ…言ったな。』

『いつもの様に来てる店をココまで迷うか!?…』

『まぁカオリンなら…』

『だな…』

『お待たせ!!紹介遅れたけどマスターの岩田さん!!岩田さんって言うと嫌がるからマスターって呼んであげてね♪それと、もぉお金は払ってあるから今日からあそこがあたしらの特等席!!!♪』

ビシッ!!と小さな手で自信満々に指した場所は、丸いテーブルのいかにも喫茶店ポイ場所ではなく…部屋だった!!

『ぇ!?』

『ん!?』

『は!?』

『あそこ!?部屋じゃん!!個室じゃん!!』

『だよぉ♪いい感じでしょ!?♪中にはちゃんと机もあるから場所決めようね♪』

予想外もいいとこ。個室が月3000円で貸切!?ジュースも飲み放題で!?…ありえない!!…あの部屋ゴミ置き場とかなんじゃ…

誰もが不安を抱えれるだけ抱えて、カオリンの言うがままに部屋へと足を進めた。

『じゃぁん!!!!』

『((オォォォ!!))』

ついつい、5人とも声を上げてしまった。ゴミ置き場なんてとんでもない…6人には少し狭いが、とてもセンスの良い部屋だった。

INアジアン!?って感じ?!

真っ白な壁と2メートルくらいの丸い窓、ガラスが見えないくらい綺麗で透き通っている。

そして床はシミの無い畳、ほのかに畳のにおいが部屋中に感じ、何ともいえない癒しのにおい。

唯一の家具ヒノキの丸い机。真ん中においてあるだけ!!!(ぇ"!?)

って言ってもとてつもなく落ち着く、凄い良い空間だった。ますます3千円ってありんでしょ!!

『光ちょっと良いか!?』

『ん?あ??なんや??』

光を呼び出し、他の4人を部屋に残し、外に出た。

『あれ3千円ってかなり怪しくないか!?』

『あぁ。わぃもそれおもッとったわ。裏があって後々とてつもない請求とかがくるんじゃねぇかってな。』

『推測じゃぁ分からんし、マスターに聞いてみるか。』

『せやな。』

マスターを呼び、俺達は色々な疑問点をぶつけた。

『あの、ちょっと聞きたい事あるんすけど良いすかね!?』

『おう!!なんでも聞いてくれぃ!!』

『あの部屋…本当は月いくらなんですか!?ジュースとか貸切とかで月3000円は破格すぎじゃないですか!?』

おんどれはアホか!!!と光に叩かれた。どぉやらあまりにもストレートに聞きすぎたらしい。じゃぁお前が聞けよ!!ってね。

『ブヒャブヒャブヒャブヒャ!!』

『!!!!』

突然の大声の笑い!?吠え!?喘ぎ!?良く分からないマスターの行動に空いた口がふさがらなかった。

『おおおう!そんなビビるな!!笑っただけやないか!!』

どぉやら笑いらしい。

『あ…はぃ。』

『あの部屋薫は月3000円っていっとったんか!?あそこは月18000円だぞ!!』

『((エエエ!!!!!!))』

『まぁ薫自身は3000円って信じこんどるし、あながち間違いでも無いけどな!18000円ってぇのは一般の客の場合だ!!』

『ぇ!?』

『分からんのか…お前らアホやろ!!ブヒャブヒャブヒャブヒャ!!』

お前がだろ!!!って二人で突っ込みたかったが、流石に初対面で年上の大人…まぁココは耐えて…

『おい!!突っ込まんかいッ!!』

どないやねん!!って二人で突っ込みたかったが、またまた堪えて冷静に聞いた。

『えっと、ちょっとどゆことすか!?』

『薫は俺の甥っ子や!!あ…姪っ子や!!可愛い姪からお金なんてとれんやろ!!だから薫には6人で3000円だ!!って言ってあるんだ!!』

金とってんじゃん!!!って突っ込みどころ満載のオッサンにいい加減…持病の突っ込みたい病が騒ぎ出した。

『そうなんすか。まさか俺らは一般料金…一人当たり3000円すか!?』

『当然だろ!!払え!はよ払え!3000円!!』

『…』

この糞イカレマスターこんなボッタ店二度ときーひんわ!!!っと光が言う3秒前!!

『ブヒャブヒャブヒャブヒャ!!嘘!!嘘!!お前らの事は薫からよぉ聞いとる!!めちゃめちゃ仲ええらしいな!!薫の親友は俺の親友!!!お前らも只に決まっとるやろ!!』

ですよねぇぇ!!っと言いたかったが礼儀正しく礼を言った。

『え!?本当にいいんすか!?ありがとうございます』

『ま!!お前らが払いたいなら俺は貰い受けるぞ!!』

またまたぁ堪忍してや♪!!っといきなり慣れ慣れしくなった俺達に【お前らはそっちの方が似あっとる!!遠慮なんてスンナ!!】と寛大な心で迎えてくれた。

これからヨロシクな!!っと岩の厚くそれでいて暖かい手を俺達に差し出し、少し照れくさかったが俺も光もギュッっと握手した。

『((ヨロシクお願いします!!))』

『おう!!』

五右衛門たちの待つ部屋に戻ると、なにやら机に紙を広げ、ミーティング!?のような事をしていた。

『おまた〜なにしてん!?』

『おかえりぃ。ちょっとこの部屋ね殺風景じゃん!?自由に使って良いらしいから、家具とか持ち込んで住みやすくしたいなって。』

羽樹の意見に賛成でもなければ反対でもなかった。

『まぁ俺はシンプルで良いと思うけど、色々揃えたいなら計画的にやればいいんじゃない??』

『せやな。一編にいろいろなもの持ち運ぶと店側にも迷惑かかるしのぉ』

俺達も加わって、丸いヒノキの机を囲んで一枚の紙に色々な意見を出した。

『TVほしー!!』←羽樹

『なんでやねん!!家ちゃうで!!?』

『エヘ♪』

『冷蔵庫置きたい!』←キキ

『家ちゃうちゅーに!!何冷やすねん飲み物ならあるやないか!!』

『テヘ♪』

『ベッドほしぃ♪』←カオリン

『((却下))』

『グス…』

流石にカオリンには光意外も反対した。

『あのなぁ!ココは隠れ家みたいなもんやし、強いては他人の家を借りとるんやで!?TVだの冷蔵庫だの…ありえへんやん!?何かさぁもっと別のもんにしよーや。』

『ものって言う物や無いけど掛け軸掛けたいな。俺…渋すぎ!?』

『いや、わぃは全然ええで!!』

『それなら文字は自分達で書こ!?』

『羽ちゃんに賛成!!』

『私も。』

あれ!?思ったよりも批判が無いことに拍子抜けしたが、全員賛成で意外にも俺の意見が通った。

『TVがダメなら…小さめの本棚欲しいかな〜』

『ええやん。ええやん。本棚に日記だのココで練った計画ノートとか入れとこうや!!あと…教科書も』

こーしてとりあえず2品置く事にした。

『棚はなけど、掛け軸の新しいのならあるぞ!!!』

盗み聞きしてたマスターがいきなり輪に加わって、新しい掛け軸を持ってきてくれた。

『おおきにな!!マスター。』

『おう!お前らは俺の家族みたいなもんや!!何でも力になるで!!』

何を書こうかな…っと軽く始まった話し合いだったが、とんでもなく迷いに迷った。

3年4組7班参上!!…ありえねー。

7人にして1人!!!…くせー。

ド素人が考えとっても永遠におわらへんわ!!と光がかばんから≪世界の偉人☆THE☆名言集≫という本を取り出した。

『((キモ!!!!))』

『ほっとけ!!ここから皆が賛成するよぉなのえらぼーや。』

渋々、光の提案に賛成し、皆で≪世界の偉人☆THE☆名言集≫にかぶり付いた。

『飲み物ココに置いとくぞ!!』

っと言うマスターの声も耳に入らないほどもりあがり、1時間近く≪世界の偉人☆THE☆名言集≫を眺めていた。

決まった決まった!!迷いに迷ったその選ばれし名言は…


一日だけ幸せでいたいならば、床屋にいけ。

一週間だけ幸せでいたいなら、車を買え。

一ヶ月だけ幸せでいたいなら、結婚をしろ。

一年だけ幸せでいたいなら、家を買え。

一生幸せでいたいなら、正直でいることだ。


字の上手いキキがビシ!!!と書き、出来栄えをマスターに見せた。

『おおおう!!良い感じに書けたなァ!!西洋の諺か!!俺もそれ好きだ!!!ブヒャブヒャブヒャブヒャ!!』

『(((えぇぇ???)))』

『えっ!って何が!!?』

『これって諺なんすか!!?』

『おう!!間違いない!!』

自信満々のマスターを信じ、光の本がボッタクリなのだと考えた…

『何が≪世界の偉人☆THE☆名言集≫やねん!!』

光は出版社に講義してやるといわんばかりの勢いで本を叩き付けた。

≪世界の国々☆THE☆諺集≫

『あ…』

『あ…』

『あ…』

『は!?!?あ…悪い…≪世界の偉人☆THE☆名言集≫はこっちやった。』

とかばんからもう一冊めちゃめちゃ似た本を取り出した。

『えへへ』と照れる光に皆で大笑いし、マスターも独特のブヒャブヒャブヒャブヒャ!!と言う笑い声を誰も居ない店内に響かせた。

『8時半か!!時間も時間だし今日はこの辺で帰れ!!毎日来てもいいし、普通の土日なら泊まっていっても良いでも今日は球技大会だったんだろ!?早めに休んで体を癒して明日にでもまた来い!!!月曜は休みなんだろ!!』

マスターに言われ球技大会を想いだし、どっと疲労と樽さが襲ってきた。

ソロソロ帰ろう!!

俺らがこれからもお世話になりますと6人で頭をさげ、店を出ようとした時…

『おう!!コレコレ!!一応コレもっとけや!!あそこの部屋の鍵や!!6つある!一人一個や!!』

そう言いマスターは俺達に【和茶6人席】と書かれたキーホルダー付きの鍵を俺達にくれた。

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