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『和茶との出会い』

『優馬おはよう!!御疲れ様。』

どれくらいの時間寝ていただろう…

俺達は試合が終わり、負けた現実を受け止められず泣きじゃくっていた。

そんな俺達の悲しみを無視し、表彰式及び閉会式が始まった。

負けたとは言え一応準優勝。この糞だるい中、表彰式には出ないといけない。

そぉ考えるとだるさがどっと押し上げてきた。

校長…体育委員…生徒会長…やたらダラダラと長話…もぉ何時間…何日…立ち続けてるんだろ…

【あぁ…】

ふと目が覚めると保健室に居た。

『優馬おはよう!!御疲れ様。』

『カオリン!?あれ??閉会式は??』

『ええ!?閉会式の最中に優馬気絶しちゃって保健室に運ばれたんだよ!?』

『あぁ…覚えてねーや…』

『今他の皆もぐっすり寝てる。ほら!』

カオリンの指差す方向は夕日が眩しくすぐには誰が何処に寝ているか分からなかったが、次第に目慣れって言うのかな?

目が明るさに慣れてきて、キキ。羽樹。光。がベットに寝ていた。

『あれ…??五右衛門は??』

『五右衛門も寝てるよ。ほらそっちで。』

どぉやら保健室にはベットが4つしか置いてなく、五右衛門はソファーに窮屈そうに丸くなって寝ていた。

『叩かれた夜は寝やすい…まさに今日みたいな日の事やな』

『それ…意味ちがくない???』

『え?違うの!?』

『他人に害を与えるよりは、自分が害を受ける方が、心安らかでいられるということ!!これが本来の意味。』

『ふぅん。』

カオリンに説明されてもいまいちピンと来なかった。

…5分くらい沈黙が続いた。

一度二人きりの状態で沈黙になると何か話し出しづらいのは俺だけだろうか!?

何か話そう話そうと思っても喉に言葉がひっかかって中々でないんだよね。

まぁこれは誰にでも言え…

『ねぇねぇ。そぉいえばさぁ。』

俺だけのようだ…

『ん??』

『皆起きたら良い喫茶店あるから皆で一緒に行かない!?』

『お!良いね!あ…デモ・・・優勝できんくてホントごめんな…約束したのに…』

『え!?優勝したじゃん!!』

『は!?』

『準優勝でも優勝は優勝だ!3位だったらダメだけどね!ちゃんと約束守ってくれたじゃん。』

『…』

何か…泣きそうになったから…とっさに布団を頭からかぶってしまった。

『え"!!?どぉしたの!!?』

何か変な事言ったぁ!?優馬!!優馬!!と布団に丸かった俺をカオリンはゆすりだした。

『眠い!!あと1分寝かさせて!!』

この時の1分は10秒くらいに感じた。

『1分たったよー!!』

布団から勢い良くでて【ふぁぁ、まだ寝たりんなぁ】と言い、出てもいないあくびをし、体を伸ばした。

『目充血してるけど大丈夫!?眠いなら寝てていいよ??』

『…もぉ平気。それより足怪我してるのに喫茶店なんていけるの??』

『優馬がまた後ろに乗せてくれるでしょ??』

『…』

喫茶店について色々聞いているうちにキキ・光・羽樹・五右衛門と皆が起き上がり、起き上がった順にカオリンに謝っていた。

約束を果たせなかった事を…

カオリンは一人一人に【準≪優勝≫してくれてありがとう。】と言った。

キキと羽樹はカオリンをギュッと抱き寄るといった反応を見せたが男性陣は俺と全く同じ反応してた事に赤面する一方笑えてきた。

とりあえず皆起きた事でさっきまで話していた喫茶店の事を皆に相談する事にした。

『そぉいえばさぁ。カオリンがオススメの喫茶店あるって言ってんだけど…』

『あぁあぁ。そうそう。あのね。今日今からそこの喫茶店行かない?あ…皆が疲れてるなら今度でも良いけど』

『おいおい!そんな意味不明な説明じゃ。謎過ぎるぞ!!』

『優馬に同感!』

『わいも〜』

『あたしも〜』

『私も〜』

皆から集中砲火を浴び、一瞬ひるんだカオリンだったが、可愛らしい口をパクパク動かせて、皆に説明した…説明しまくった。

『ふぅん。で!?』←光

『で?』←羽樹

『で?』←キキ

『ワンモアー!!』←五右衛門

見るに耐えなく俺が説明することにした。

『まぁ簡単に言うとさ。そこの喫茶店にさ6人専用の席があるらしいんよ。その店変わっててさ、その席だけ月学制で3000円払うといつでも行って良くて、ジュース飲み放題でさ。まぁ頻繁に出入りするぶんにはお得らしいわ。それでカオリンはそこのオーナーと知り合いらしくてさ。高校の間思い出を作る場としてその喫茶店を使いたいらしいよ。』

『ふぅん。で!?』←光

『で?』←羽樹

『で?』←キキ

『ワンモアー!!』←五右衛門

『…』

【テメェラァァァ】って光に飛びついてヘッドロック!!

【わるぃわるぃギブやギブ!!】と苦しんでる光をほどいてやり、少しして何故か皆で爆笑した。

結局…『騒いでるくらい元気ならもぉ帰りなさい!!』と保健室のおばちゃんにどやされ、シーンとした廊下をカツカツと歩き、自転車置き場に集合した。

『んで、結局どないするんや!?その喫茶店俺は全然かまへんで!?』

『あぁ、俺も全然良いよ。6人で3000円だったら一人月500円でモミホでしょ!?』

結局何だかんだ言っていくんだよね。

それなら最初から素直に賛成せーちゅーに!!と心で思いながらもまぁこれが俺達の飽きない楽しさなのかも…と勝手に納得した。

『じゃぁ五右衛門!カオリン足怪我してるから後ろ乗せたってな!!』

『おう!って何!?』

『決まりや!!五右衛門がんばりぃや!』

『五め衛門…五右衛門。乗って言い??』

『ごめも…あぁ良いよ。乗れ乗れ。』

『ゴメモォン!!カオリンナビ付きだし、先頭走ってよぉ』

『ウッセェ!!』

とカオリンナビを頼りにチャリを走らせること1時間…1時間!!!?

『ちょ!!こんなに遠いんか??!?』

『薫姉さん!!頼むでホンマ!!ワイら死んでまうで??』

『んー。間違えたかも!!じゃぁとりあえず。戻って!!(爆)』

言われるがまま五右衛門は運転し、俺らも五右衛門の後を追いかけ続けた。戻りに戻って40分!!

『ウォォ!!』と勇往邁進する五右衛門。

『ストーーーップ!!!』

俺達は一軒の家ともレストランとも喫茶店とも小屋とも言えぬ建物の横に止まった。

屋根…屋根に問題あり!!と誰もが思った。

『なんで屋根だけ草でできてんねん!!』

『いやいや、あれ草が生え散らかしてるんでしょ!!』

『あれ草で出来てるんだよ!?』

『((なにぃぃぃぃ!!))』

『嘘ッ♪』

『((帰れ!!))』

光が草で出来てるって言ってもおかしくないくらい屋根一面草のようなものが生えていた。

オーナーの趣味なのか放置していたら悲惨な結果になってしまったのか…

無用の長物とはまさにこのことを言うんだな…と国語の復習が出来た。

でもまぁ、レンガで造られており、入り口も綺麗で、洒落たオリジナル喫茶店って感じだった。

早く早くと急かすカオリンを待たせるのもかわいそうだし、とりあえず、中に入ってみることにした。

入り口の純白なドアには≪和茶≫という掛札が掛けられていた。

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