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『♀でお出かけ♪3nd♪』

節約と言う主旨で歩き出した私達だったけど、直ぐに疲れが溜まり、タクシー使おうよぉと言う声も上がりだした。


『あんなに食べたんだし、運動しないと…』の一言で私たちは息を吹き返し、地獄の上り坂を母から貰った二本の足で歩ききった。


『着いたぁ。地図だとこんなに近いのに…歩いてみると結構遠いね…って車で10分って書いてあるし!!!』


『阿呆…』


ハァハァと久しぶりに息切れするほど運動し、球技大会以来運動不足だったのかな…と少しお腹をつまんでみた…


今夜あたりから腹筋でもしようかしら…。


富士山本宮浅間大社(フジサンホングウセンゲンタイシャ)


んー…なんて読むのか分からないや…


この何たら神社には私たちの10倍以上のとてつもなく大きな赤色の鳥居はついつい見上げてしまうほどの大きさだった。


その大きな鳥居をくぐって神社内へと足を踏み入れた。


中はとても広く、木々に囲まれてとても落ち着ける場所だった。


『おやおや、若い女性が見学とは珍しいですね…』

ココの住人かな??私達の3倍、マスターの倍は歳を取られているのではと思うご老人が私たちに話しかけてきた。


『あ…いえ、近くまで来て、あの鳥居の大きさにびっくりしてちょっと寄ってみただけです。』

軽く会釈すると良かったら、ご紹介しましょうか!?とご老人はニッコリと笑って言ってくれた。


勿論お断り願いたい。


がせっかくのご老人の好意を踏みつける事など流石の私達もできず渋々とご老人にお願いしますと再び頭をさげた。


『ここはのぉ、摂社・末社あわせて1,300余社を超える浅間神社の総本宮なんじゃ。』


『そうなんですかぁ』と言ってみるものの何のことやらさっぱり。


『富士山を御神体とする、本殿・拝殿・桜門などはなぁ、徳川家康の建立寄進によるものでのぉ、ほいでな、あそこに見える本殿と拝殿は重要文化財なんじゃぞ。』


『へぇ。凄いですね♪』と薫もニコっと笑って答えたが恐らく私以上にわかって無いと思う…


『お嬢さん方は丁度間に来てしまいましたね…』


『はい??間と言うと??』


『毎年5月4日〜6日にやぶさめ祭って言う祭りをやっておってな、馬に乗りながら弓でパパパパっと的を打ち抜くんじゃ。』


『おぉぉ』以外にも羽チャンはこうゆう話は好きみたいらしい、私と薫は少し安心し、ほっと息を漏らした。


『それでな、11月3日〜5日の秋祭りがあってのぉ、これには10万人の人が訪れるじゃぞ。また来るようなら是非どちらかの祭りに参加しなされ。』


『はぃ!覚えておきますありがとうございます♪』と羽チャンが頭を下げたのをみて私も慌ててありがとうございますと頭を下げた。


『あぁ、そうそう、境内には国指定特別天然記念物の「湧玉池わくたまいけ」があるんじゃ。お時間が御ありなら是非みてくるとええ。』と最後に言い残し、ニコニコとしながらご老人は去っていった。


『はぁ…要約行ってくれたね…』

『だねぇ…何か気疲れしたし…』


と私と薫が気だるげに話していると羽チャンは『うちこぉゆうの好きなんだよね♪それにこの神社思い出した♪』と頭の引き出しを次から次へと空けだした。


ご老人よりは聞きやすかったけど流石に重々しい話で私も薫も頭がパンク寸前だった。


正面大鳥居から鏡池に至る約50メートルの参道を進み、羽チャン曰く楼門より入り参拝して湧玉池神田川沿いのふれあい広場へと私達は足を進めた。


この神社には沢山の桜の木が植えられていて、春には私も是非来てみたいなぁと思った。

羽チャンが言うには500本以上の桜の木が植えてあるらしい。


『建物はあんまり楽しくなかったけど、外の景色とかは凄いねぇ♪』と薫の意見に私も同意だった。


コレで桜が咲いていたら文句なしだなっと私もうんうんと頷いた。


羽チャンに案内され、東脇門を出ると平安朝の歌人平兼盛が「つかうべきかずにをとらん浅間なる御手洗川のそこにわく玉」と詠じた湧玉池があった。


この歌なのか詩なのか良くわらかない言葉も、羽チャンが得意げに聞かせてくれた。

なんでそんな事知ってるの!?と訊ねると日本人なら当然でしょ…と当たり前の様に言われた。


普通の日本人はそんな事しりませんが…


『この池は富士山の雪解け水が何層にもなった溶岩の間を通り湧出するもので、特別天然記念物に指定されてるんだってさ♪』


そんな事…言われてもねぇ…それが凄いのか私には分からなかった。


神社をぐるりと一周、一休み以上の時間をかけて回った事もあり、いつの間にか、薄暗くさっきまで元気だった太陽もソロソロ沈もうかなと、考え出している時間だった。


『ソロソロかえろっか♪今日はこれからが勝負だしね!!薫!!』と羽チャンが言うと、あ!!…と思い出し急に緊張して硬くなっていた。


アハハハと私と羽チャンが笑うと、小声で応援してね…と言ってる薫を見て、薫の本来の姿は実はカオリンのほうが近かったのではないかな???なんて思ったりもした。


『((勿論応援するよ♪))』と羽チャンと一緒に声をそろえて言うと薫は『ありがと♪』とニコニコと笑っていた。


私達は夜の戦に向けて、タクシーを捕まえてマスターの待つ温泉へと戻った。


長い道のりを眠り過し、『お客さんつきましたよ!!』と言う運転手の声で起こされ、ちょっと待っててください!!と私だけ降りてマスターを呼んできた。


『なんやなんや!!』と慌てて浴衣の前を結んで、二人の待つタクシーの所まで連れて行った。


『お金…宜しく♪』と私達は、走って温泉の女湯へと逃げ込んだ。


『ゴラァァァァァ!!!』と追いかけようとするマスターが熊みたいに見えて本気で面白く凄く笑えた。


『お客さん!!!無賃乗車ですか!?』


『あ…いや、今払います。いくらですか!?』


『8790円です…』


『高!!!!』

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