『再び樹海へ…』
輝かしい太陽もまだ出てない午前5時…五右衛門によって俺は起こされた。
俺を起こし終えると今度は光を起こしに豪快に布団をめくり飛ばした。
『お前ら起きろ!!!!』
五右衛門のちょっとした起こり口調すら、眠気であまり聞こえなかった。
昨日あれだけ体力を消費した上、寝るのも24時を回っていたと言うのに、この男は…
『おい!!樹海いくんじゃねーのか!?』
あぁ…そうか。今日は朝一で樹海に行くんだったな。。。
嫌がる体を無理に起こし、バスルームで顔を洗って、強引に眠気を吹っ飛ばした。
同様に光もフラフラと洗顔し、要約3人が目を覚ました。
『よっしゃ!!ほな少し集合や!!』
光に呼ばれ、オーシャンビューのテラスに集合し、朝日が昇るのを見ながら、作戦会議をした。
作戦会議とは名ばかりで、実の所は朝食をとって、絶景の海を眺めながら雑談しただけだ。
一応計画みたいなのは立てた。帰宅時間と飲み物は忘れるな。それだけだ。
では行こうか!!と五右衛門が張り切り口調で言い部屋を出た。
念のため俺は羽樹に『光達と散歩してくるね!!』とメールを入れておいた。
樹海からこの温泉までマスターの愛車で10分だったが、歩くとすさまじい距離に感じた。
『それにしても、遠いな…』
『だな…』
『せやな…』
徒歩でひたすら歩き続けること45分…要約俺達は樹海の入り口の駐車場に着いた。
駐車場の角にある、自販機でジュースを買い、三人とも一気に飲み干した。
『だぁぁぁ!!お疲れ!!!』
『おう!!お疲れ!!』
『いやぁぁ。疲れたな!!』
地面に座り込み、疲れた、疲れたと己の疲れを強調しあった。
整備されてるとはいえ山道の車道を1時間近く歩くのは本当にしんどかった。
『さて、帰りますか!!』
『((おう!!))』
ってあほか!!
三人とも疲れた…帰りたい…で意見は一致していたが、ココまで来て引き返すことは出来なかった。
と言うか、体が樹海に吸い寄せられるようにも感じた。
林道ってこんなに短かった???と思うほど、ロープを括り付けた大樹は直ぐに姿を現した。
『ココやココ!!』
『意外と近かったな。』
『うむ。ココからがしんどいけどな…』
死地もこんなに短かった???…女性陣がいないせいか、樹海の死地もスムーズに進むことができた。
変わりに女性の癒しが無くなり、疲労は蓄積されていった。
樹海に入って30分で俺達は昨日の小屋に着いた。
『樹海の中より、温泉から樹海までの道のりのが長かったな…』五右衛門の呟きに、俺も光も【うむうむ】と大きく頷いた。
夜とは打って変わって明るい樹海は意外と良いところだなと感じた。
虫の死骸は相変わらず大量にあるのが気になるが…
心地よい風が木々をすり抜け、俺達を癒してくれた。
『ん???…確かこの辺だったよな??』
『せやな…』
昨日俺達が家の外に持ち出したエロ本などなどが綺麗さっぱりなくなっていた。
俺達の後に誰か来て持っていったのでは…??と五右衛門が言ったが、俺も光もそれは無いだろう…と無くなっている事に疑問を感じた。
『考えてもしゃぁないな…無くなったもんは無くなったんや!!家の中にまだ残ってたしそっち見てくるわ』
んじゃ俺も…光が開き直って、家にある本を見に行くと、五右衛門も一緒についていった。
んじゃ俺も…と結局3人そろって家の中に入ることにした。
ギギギギギギギっと嫌な音を立て、ドアは嫌そうに開いた。
おじゃましまぁす…っと小さい声でささやき、俺達は中に入った。
ギィギィと一歩一歩、歩くたびに床が泣き、シーンとした空気を切り裂いた。
んあ??っと言葉とは言い辛い声を上げたのは光だった。
『家の中にあるわ…』
はぁ??…俺も五右衛門も何を言ってるんだ??とばかりに顔を合わせ首を傾げた。
『せやから、昨日外に出したエロ本と、優馬が拾ってきた日記がここにあんねや。』
why…???
知るか…