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『♂明日に向け就寝♂』

樹海に居る時に見た月は不気味さを引き立てていたが、露天風呂から見える月は美しく、綺麗な三日月は手を伸ばせば届くんじゃないかと思わせるほど、大きかった。


そんな大きな月の美しさをさらに引き立てるのが澄んだ雲ひとつ無い夜空にある無数の星だ。


星とは何かご存知だろうか??


宝石??…いやいや

先祖??…いやいや


キラキラと輝く星は分かりやすく言うと太陽なのだ。

そう。あまりに離れすぎていて、我々にはキラキラと小さく輝いているくらいにしか見えないのだ。

故に、あのキラキラと輝く星の周りにはこの地球同様にいくつもの惑星があると推測できる。

故に、宇宙人は存在する可能性が非常に高いと思われる。

故に、俺達同様、露天風呂につかり、あぁ星は綺麗だ…と眺めている可能性だってあるのだ。


そんなことを考えながら、俺はブクブクと頭まで湯につかり、明日の朝野郎だけで行くの樹海の不安を消し去ろうとしていた。


ザザーっと湯を切り、立ち上がり、脱衣所に向かった。


光、五右衛門も俺に続くようにあがり、皆して巨大な鏡の前に座り、ドライヤーで髪の毛をかわかした。


『あのじぃさんマッパで何処いったんだろうなぁ…』五右衛門が言い、『マジで上せて外で涼んどるんやろ』と光は笑いながら言った。


ちがいねぇな…と俺も五右衛門も笑い、髪の毛が乾いたのを確認し、体を拭いた。


『お!!すげぇ!』と光は一枚の紙を発見し俺らに公表した。


【なげーぞ!!お前ら!!今日はココで泊まるから。ドロドロの服は着ず、その浴衣を着ろ!!】マスターからの置手紙だった。


クタクタに疲れていた俺達にとっては温泉付きホテルで泊まるのは最高の幸せだった。イエーイと3人でハイタッチを交わし、浴衣をバサッと羽織って、ギュっと帯を締めた。


最後に、カンカンに冷えたビール…じゃなくてコーヒー牛乳。


ピンク色のビニールをはずし、見慣れたマークのふたをポンっとあけ、キーンっと乾杯し、腰に左手をそえ、若干反り返り、コーヒー牛乳を一気に飲み干し、『カーッッッッ!!!うめぇ!!』っと目をギュッと閉じ、頭を2〜3回横に振る。という動作を3人とも綺麗に揃ってばっちりきめた。



流石に俺達が1時間半以上温泉に入っている間、マスターは友人と飲んだ暮れ、すっかりお休みモードだった。


一方女性方はというと、まだお風呂から出てない様子だ。流石に女は長いな…と思い俺達はマスターに渡された鍵の部屋へと向かった。


809号と書かれた鍵に合う部屋は8階にあった。『809…ここやな。』がチャっと光がドアを開けると、和風の畳のなんともいえない香りとがクーラーの程よい冷たさの風に乗って俺達の鼻を刺激した。

目を閉じ、鼻から勢い良く吸い込みその香りを楽しみ、部屋の明かりをつけた。


『(((オー!!!)))』


真っ白なシーツの布団が3つ綺麗に並べられていた。う〜ん。良い匂いだ…と枕に顔を擦りつけ、ほんの10秒で眠りにつけそうな気持ちよさだった。


いかんいかん!!こんな所で寝てしまっては時間がもったいない…

眠い体を起こし、冷蔵庫に入っていたコーラを片手に、出窓の椅子に腰掛けた。

俺の前の椅子に光が腰掛けた。


五右衛門は睡魔にやられ、グーがグーガと健康に鼾をかいて綺麗に敷かれていた掛け布団をぐちゃぐちゃに丸め抱きかかえて眠っていた。


『光…ちょっと良いか??』

『なんや??』


『実は…』

『何!!マジか!!』


いや、まだ何も言ってねーだろ…と本題を話した。


『カオリンさぁ。どぉやら五右衛門に恋してるみたいだぞ!!』

『は!?ホンマか!?』


飲もうとしていた缶コーヒーを机に置き、光は目を丸くして、驚いた。


『うむ。どぉやらマジらしい…今日…いやもぉ日付変わったから昨日か、樹海でカオリンの様子みてて少し不思議に感じてな。羽樹にこっそり聞いてみたら片思い中みたいだそうだ。』


『ムムムム!!3人の中でも格段にかわいらしーあのカオリンがよりによって3人の中で一番ぶっ細工な五右衛門に恋焦がれてんのか??』

っとグイグイグイっと缶コーヒーを一気に飲み干した。


『うむうむ。それにな、カオリンが異性に恋をしたのは初めてらしい…』


なんと!!!と光は何も知らずに幸せそうに眠る五右衛門に空になった空き缶を投げつけた。

コーンと頭に直撃したが、五右衛門は少し寝返って頭をポリポリかくだけで、再び豪快に鼾をかき、幸せそうに眠りに付いた。


『幸せものめ!!カオリンはえーよなぁ。キキは、色々厳しいねん。』

ふむふむ、そうかお主も仲間よのぉ。と俯く光にポンと手を当て俺も羽樹の事を語りだした。


『羽樹も一緒にいて楽しいし、元気になれる…でも色々と厳しいんだよな。。。』

『ワイもキキとおっておもろいんやけど…』


はぁ…俺ら絶対に尻に敷かれるっぽいよな…っと二人して大きな大きなため息を吐いた。


『せやかて、五右衛門はホンマに気づいてへんのか??今日ずっとふたりでおったんやろ??』と少し涙ぐんだ目を擦りながら光は再び五右衛門の話にもどした。


『いやぁ。五右衛門さんも多分まさかカオリンが好きになってくれてるなんて思って無いんじゃないかな??俺が見てた感じだと…カオリンは相当べた惚れしてるぽいが…』


『五右衛門にはおしえたらへんのか???』という光の意見に俺は『カオリンの初恋だし、カオリンに任せよう』と言い、光もそうだな…と小さく頷いた。


ぼんやりと浮かぶ月を見ながら、久しぶりに光と語り合った。

光と語り合ったというより、偉大なお月様に俺達の悩みを聞いてもらっていたのかもしれない。


静かに、何も言わずに聞いてくれるお月様は、時に流れ星を流し、返事をしてくれたりもした。


結局、最後には五右衛門とカオリンの話に戻っていた。


『まぁ、五右衛門が相手ならカオリンも幸せになるだろ!!俺らの知らん奴よりは全然良いはずや!!』

『せやな!!』


光は立ち上がり五右衛門にぶつけた空き缶を拾ってゴミ箱にすて、明日早いしもぉ寝るで!!と布団にもぐりこんだ。


【俺も寝るかな…】と電気を消し、月明かりで眩しい出窓の襖を閉め、俺も就寝した。


明日も無事でありますように…おやすみなさい。

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