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『dance★in the★dark』

【どうだ妹と二人暮らし、どうだいもっととうもろこし】

【正解を入力せよ…】

そして、その石の前にはエスケープのキーが壊れた、キーボードが置いてあった。


もぉ何が何だか訳が分からなくなた。


空から降ってきた変な文字の刻まれた石、未来のエロ本、樹海生活と書かれた日記帳。


全部を照らし合わせると、こうゆうことになる。


☆恐らく、世間が嫌になった一人の人間が人気の無い樹海で生活を始めた。

☆食料に困ったその人は手当たり次第に食べる物を探し、挙句の果てにはその辺の虫を食うようになった。

☆そんな毎日を日記に記していた。

☆そして、宿は今ココにあるボロ小屋、その人が自分で立てたのか、元々あったのかは不明。

☆ある日、文字の刻まれた大きな石が空から降ってきて、家の横にめり込むように落ちた。

☆未来のエロ本は恐らくその人のだろう…故に男性。

☆2本目のロープは樹海から出て外界(俺達の住む社会)に行くための目印だろう。ゴミでもあさるのだろう…


俺なりに頭の中で整理した。でも二つばかり気になる事があった。


『降ってきた石に刻まれた文字…未来の本…』と光が呟いた。


俺も同感だった…恐らく皆もこの二つの事が、あまりに非現実的で、ファンタスティックに感じているだろう。

どれだけ考えても、何も俺達は検討が着かなかった。


『ねぇねぇ…気になると思うけど…ソロソロ戻らない???…凄く怖い…』

とカオリンがいまにも泣き出しそうなかすれた声で呟いた。


その言葉に、何時だろうと時計をみたら、23時25分…11時半だった。


マスターも流石に心配してると思うし、うちも怖いし、ソロソロ帰ったほうが良いかもねっと羽樹も言い加えると、そうだなっと皆納得し、俺達は帰る事にした。


ロープを辿って一列に並び、ゆっくりと林道をめざした。


林道までの道のりは永遠不変(エイエンフヘン)に感じた。


歩いても歩いてもいつまでも変わらぬ風景は、精神的にも肉体的にも限界を超えていた俺達にとっては、苦痛意外何者でもなかった。


『まだ…かな…』とキキが途切れ途切れに言うと、すぐさま光はあと少しや頑張ろうな!!と励ました。


俺も何気なく羽樹を気にしていたが、フラフラといつ倒れても不思議ではない足取りだった。


カオリンは五右衛門と手を繋いでこんな状況なのに一人だけ幸せそうにしていた。


先頭を歩いていた光は数分に一回休憩を挟んで歩いた。


ロープの括り付けられている大樹が目に入った時には本当に涙が出るかと思った。


皆で大樹を守るようにもたれて座り込み『疲れたぁ…』と大きく一息ついた。


10分の休憩を挟んで『よっしゃ帰るか!!♪』と光が元気に言うと、俺達も少しだけ元気になれた気がした。


自殺防止の呼びかけ箱を通り過ぎた時五右衛門とカオリンがなにやら変な紙を入れているのを目撃し、俺は少し感心した。


出口を目指し、一歩一歩足を前へだしていると、一筋の光明が俺達をライトアップした。


光に目慣れしてないせいか、太陽の光を目の前で見てるように眩しかった。


『マスター…??』


マスターのエルグランドが俺達をにらめ付けるようにハイビームで照らしていた。


俺達の姿を確認すると、マスターは車から降りて、こっちに来た。


『マスター…今電話しよう思ってたんやけど…もぉきとったん??』と光がマスターに問いかけてもマスターは無言だった。


『マスター…おそくなってごめんね…』と言うカオリンの言葉にも無言だった。

むしろ、しっかり握られた五右衛門とカオリンの手をみて眉間の皺がピクっと動いたようにも思えた。


『マスター…大丈夫???どぉしたの??』と羽樹が話しかけてもやっぱり何も言わなかった。


マスターが何も言わない事で俺達まで無言になった。

ふと、なにやら気配を感じ、俯けていた頭をあげると、俺の頭に雷が落ちた。


ドガッ!!!!


あまりの衝撃に声すらでず、ただその場に頭を抱えて崩れ落ちた。


隣に居た光が『ドガッ!!!!』と言う頭蓋骨が粉砕したような音を上げて俺同様頭を抱えて崩れ落ちた。


ドガッ!!!!ドガッ!!!!ドガッ!!!!ドガッ!!!!


次ぎ次ぎと頭を抱えて崩れ落ち。


俺達全員が座り込んだ。


『バカヤロォォォォォォォォオ!!!!!』


とマスターがゴリラの様に吠え、要約マスターに叩かれたのだと知った。


マスターは男女関係なく6人の頭に6発、全力で拳骨を食らわし、吠えたのだ。


『どれだけ心配したと思ってんだ!!!!!何時から待ってると思ってんだ!!!!』

叫びすぎでもはや日本語に聞こえないくらいだったが、俺達はボタボタと地面に涙を落とす事しかできなかった。


散々怒鳴り散らかし、最後に『でも…マジでお前ら全員無事で良かった…』とマスターがポタポタと涙を流すのを見て、俺は心の底から謝罪した。他の5人も同様に心から謝罪した。


こぼれた水を雑巾でふき取るようにマスターは涙を服の袖でふき取り、車にもどって変なバケツを6つ持ってきた。


一つだけもち、残りの5つを地面に置いて、俺の目の前に立った。


まさか…水でもぶっかけられるのでは…と思い、目を思いっきり閉じた。さぞ冷たかろう…


イデデデデデデデデ!!!


とバケツ一杯の塩を頭から豪快にかけられた。

『体中にこすり付けろ!!』とマスターは言うが、虫に刺された傷や、木に引っかかって出来た切り傷、体中に沁み、こすり付けるどころかもがき苦しんだ。


いてーいてーと塩の海でもがく俺を見てマスターと5人は腹を抱えて笑っていた。


しかしその笑いは一人、また一人と、絶叫に変わり、最後にはマスターだけが腹を抱えて笑っていた。


6人が横一列にならんで深夜12時に樹海の前でバタバタと足を振り、手を振り、もがいている姿はブレイクダンスでもしているようで、それはそれは素晴らしい光景だったらしい。


闇夜のダンス…ダンスインザダーク…


『もぉええやろ!!深夜でもやってる銭湯連れてってやるから車に乗れ!!』

と汗と土と虫と塩だらけの俺達を愛車に乗せ、マスターの友人の経営している銭湯…温泉に連れて行かれた。


何あの子達…臭い…汚い…気持ち悪い…

と温泉に着くなり白い目で見られ、この上なく恥ずかしく不名誉極まりない事態だった。


顔を赤く染め、犯罪者の様に頭を隠し、そそくさと男湯と女湯に分裂し、温泉へと逃げ込んだ。


ロビーには結構人が居たが、温泉には誰も居なく貸しきり状態だった。


服を脱ぐ時に、何匹もの虫がボタボタと落ち、その度に震え上がった。


五右衛門の頭から8センチくらいの巨大ムカデが飛んできた時にはその場で失禁してしまうのでは無いかと感じた次第だ。


股間も隠さずマッパになり、『はぁぁぁ…お疲れっす…』と光と五右衛門と三人で、紙コップに水を入れ、乾杯し、腰に手を当て、一気に飲み干した。

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