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『…出会い…』

を残し一人で二つの影に近寄った。


一緒に行く!!一人にしないで…と言われ少し迷ったが、こんな森の中であの影が人じゃなく獣だったらと考えるとやっぱり連れて行けなかった。


忍び足で少しずつ距離をつめ、家の入り口と思われる所に立っている。


大きい方がドアをドンドンと叩いている…


ノックしているようにも見えるが…

獣がドアをぶち破ろうとしているようにも見えた。


巨大な雲が通りすぎ、月が顔をだし、辺りを月光で照らし、全てを映し出した。


生い茂った草木…大量の死骸…とても大きな石…いまにも崩れそうな家…そしてドアを叩く二人。


『五右衛門!!!』俺は小声で呼びかけた。


五右衛門とカオリンはビクッっと頭を四方に振り、キョロキョロと辺りを見回していた。

五右衛門達と分かり、俺は羽樹の元へと戻った。


五右衛門達だったよ!!と伝えると、羽樹は、良かった…と大きく息をし、ポトリと涙を落とした。

ゴシゴシと目を擦って、無理に涙を止め、深呼吸して落ち着かせ、五右衛門達の元へと向かった。


さっきまでキョロキョロと辺りを警戒していた五右衛門達の視線が一箇所に注目していた。


家の中だ。叩いていたドアが壊れたのかな…??


虫の死骸を出来るだけ踏まないよう、ゆっくりと進んだ。


『光!!!キキ!!!』と五右衛門が家の中に向かって叫んだ時は、ドキッっとしたが、状況が飲み込めてくるにつれ、俺も羽樹も笑みで溢れていた。


虫の死骸などお構い無しに、大地を駆ける馬の様に走り出した。


『五右衛門!!光!!』

『キキ!!薫!!』


『優馬!!』『羽樹!!』


と俺達は要約合流する事が出来た。おぉ良かった良かったっと野郎共と抱き合い、少し落ち着いた所でみんなの話を聞くことにした。


家の中に6人でいるといつ床が抜けるか分からない…とキキから恐ろしいことを聞かされ、俺達はつり橋でも渡るようにそぉっと外に出た。


正直な所今すぐにでも帰りたかったが疲労のせいか、体が言う事を聞かず、下ろした腰を上げようとしなかった。

こんな場所やからこそ、焦りはあかん!!疲れた時は休んだ方がええ。と言う光の言葉に皆賛成し、家の横の比較的綺麗な場所で話した。


誰からから話そうかと迷いも無く光が話しだした。


『コレ見てくれ!!』


『え…』キキ以外の4人は皆同じ反応だった。光は輪になって座った俺達の中心にエロ本をだしたのだ。


『コレ見てなんか思ったことあらへんか??おかしいとことか、変わったとこ!!』

と真面目に問う光に『お前が一番おかしいし、変わってる…』と綺麗に皆揃って同じ返事をした。


『皆の意見聞きたいと思うかもだけど、やっぱり先に説明した方が良いよ』

とキキが光に言うと、うむ、せやな。と頷き本の右上を人差し指でトントントンと叩いて、『ココや』。


【2019年12月11日…第23号発売♪】


正直ただの印刷ミスか、こうゆう表紙にしただけだろっと思った。

『まぁ…そら、そぉ簡単には信じんわな…』と光は一人で家に戻り何冊かエロ本を抱えて戻ってきた。


『全部見てみぃや!!』と豪快にばらまいた。


【2022年2月22日…第2号発売♪】

【2012年8月16日…第13号発売♪】

【2009年5月1日…第23号発売♪】

【2018年1月31日…第5号発売♪】

【2008年8月18日…第29号発売♪】


皆が言葉をなくし、光に注目した。ついさっき見つけた、コレを見るまではワイも少しからず疑ってたんや。と最後の本を指差した。


『うお!!』と五右衛門が真っ先に声を上げた。俺も続いて『あ…』と声を出してしまった。


『せや!!3日前に発売されたエロ本の次巻や!!』


嫌ぁぁぁな視線を感じながらもパラパラとめくって中身を確認した。見事…恐ろしくボロボロでパリパリになった本は次ぎ発売される本だった。


って事は…コレは14年後なの!!??とカオリンが一冊手に取り目を大きく開けて光に訊いた。


『そぉゆうことになるな…』と目を閉じ、頷いて少し沈黙が訪れた。


各々の横に置いた6つの懐中電灯の光が天を照らし、中和するように月の光と交じり合っていた。

柔らかい風が俺達を包み、異次元に連れて行かれるような。

いや、もぉ既に別の世界に居るのかもしれない…

未来の本…本!?


ちょっと良いか!?と俺は沈黙を破り話し出した。


『さっき羽樹と一緒にココに向かってる時に変な本があったんだけど…本というより日記帳かな…虫を食って、樹海で生活してたみたい。本の題名も樹海生活って書かれてて、それってもしかしてココに住んでたのかな???』


『その本ってどこにあるんや??』と光に訊かれ、少し俯いて、気味が悪かったから捨ててきた…とチラッと光に視線をやると、今すぐとって来いといわんばかりの表情で俺をにらんでいた。


『はぁ、すぐ近くだしちょっと取ってくるわ。』と言い、俺は来た道を少し戻り、本を探した。


確かこの辺のはずだけど…


ガザっと虫達にいちいちビクビクしながら、宝物でも探すように必死になって探した。


お!!あった。あった。と本を手に取ると。

本の下から大量のムカデ類の虫がワサワサとでてきて声を上げてひっくり返った。


正直言って…俺は虫が凄く苦手だ…見てるだけで寒気がする…


本も見つかったし、早いとこ光達の下に戻ろうとした時、目の前に同じ本が落ちているのを発見した。


あれ??…2冊目の日記帳かな…中を見てみると、前に見たのと全く同じ文だった。


今発見したのが俺が先ほど捨てた本で、ムカデたちの家となっていた本の方が2冊目の本みたいだ。


足早に皆の元へ戻り、『おまたせ!!』と声をかけた。


『お帰り』と言う皆の手元には光が持ってきたエロ本があった。

どぉやら俺を待つ間読んでいたらしい…なんとも異様な光景に、少しだけ可笑しくなった。


『はい、これ』と二冊の本を出すと、一冊じゃなかった??と羽樹から横槍が入り、少し恥ずかしい体験談を話し、2冊目をGETした事を話した。


この本の内容を見て、五右衛門とカオリンが顔を合わせ、叫んだ。


『え!!!!!』『マジカヨ!!!』


ビクッっと四人の視線が二人に向けられ、この日記に出てくる石、直ぐそこにあるぞ!!っと五右衛門が興奮しながら言った。


嘘だろ…と思いながらも全員でその石の前に座り、日記の内容と照らしあわすように眺めた。


『一緒…やな…』と光が言い、俺もあまりにも書かれたとおりの姿で置かれてある石に言葉をなくした。

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