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『合縁キキ縁』

『キキ…若干痴話話に聞こえてつまらない部分もあったけど…それは置いといて…自分も悪いって思ってるならさ…光に謝ろ…』

『ゥンゥン、あたしのために怒ってくれたのは嬉しいけど…それでキキちゃんが悲しんでたらやっぱり辛いよ…ちゃんと謝れば天国の勇次くんも許してくれるよ…絶対…』

キキはまだ少し残っている泪を拭き、少し笑って答えた。

『アハハ。そだね。また同じ間違えを何回も繰り返しちゃだめだよね。叩いてギクシャクしたら小学校の頃と何も変わってない事になっちゃうしね…それと…勇次くんは生きてるから…ねッ!!!!』

目は鋭くカオリンに向けられた。

『ギャ。ごめん!!』

『じゃぁ。光たちでも探しに行こうか。』

『うん♪』



『え!?ってことはお前…今日じゃねぇの!?銭形とか言う奴が帰国する日って…』

『せやで…』

『おいおい!!良いのかよ…会わなくてさ。』

『いや、わいもな…幸一君、明日帰ってくるよ、っていきなり昨日の夜オカンから聞かされてな、一瞬…幸一って誰や!?思ったけど…まぁすぐ思い出したわ。せやかてワイにとっては自分らも大切な親友やんな…』

『だからか…』

要約、光があんなにもイライラしてたか分かった…

『せや、ワイとしては今日の泊まりが無いなら無いではよぉ帰ってな、銭形に会いに行きたかってん。でも…カオリンには酷い事言うてこのままじゃあかんって思ってる。会いに行くしてもその後やなって…』

『その後の説明は俺達がしとくから、謝ったらすぐに行ってやれ!!』

『おう!!ほんまおおきに!!』

まだ和茶に居ると良いな!!と自転車を走らせ、和茶へと向かった。



少し風も出てきて雲行きも怪しくなってきた。と思ったら直後、額にポツと1滴落ちた。

『うへ〜雨降ってきたぞ…』

『え!?マジ??』

『やっかいな雨やの〜もぉちょびっと空気よめや。』

ポツポツと小雨の中和茶に少し服を濡らしたが、自転車で10分で着いた。


『キキィ、羽樹〜、カオリーン』

俺と五右衛門は、早いとこ光を親友に合わせてあげたい一心で一生懸命探した。

和茶には居ない…取り合えずTELしてみても…トゥルルルルトゥルルルル…となり続けるだけで出なかった。

『電話にでーへんって事は移動中やで…チャリンコは置いてあるけど、ここにおらんのは間違いない。周り探すで』

和茶の周りの道や、近くの店にも行ったりした…が何処にも居なかった。


結局和茶で立ち往生するしかない状態に、光はまたイライラと頭に血が上りだした。

ちょっと頭冷やすと言い、雨にうたれに屋根の外に出て、和茶の前の道でもしかしたらソロソロ戻るかもしれないと左右見ながら立っていた。

俺も五右衛門も…光に何度もお前は先に帰って良いぞって言ったけど、光はそれはあかん!!!の一点張りだった。


ガチャ。

!!!

『優馬!?と五右衛門!?』

和茶の中から羽樹が出てきた。電気も付いてなかったし、居る事なんて想像もつかなった。

とてつもなく驚き腰を抜かしそうだった。あまりの驚きに声が出なかった…

『羽樹!!!!!マジでビビったわ…中にいたん!?』

『ぅんぅん。光は!?』

俺は親指をクィッと光のほうに向け、『あそこで女子の帰りを待ってる』と伝えた。

『え!!びしょ濡れじゃん。』

『悪いけどさ…裏からでて今帰ってきたみたいに光の所に行ってやってくんない!?』

『ぅん…カオリンとキキも連れて出るね…』

『サンキュ…』


数分後、光が嬉しそうに俺たちを呼んだ。

『優馬!!!五右衛門!!!はよ来い!!』

羽樹達だな…と五右衛門を顔をあわせ笑い、すぐに駆けつけた。

『帰ってきたか!?』

『おうおう!!キキ!!羽樹!!カオリン!!遅いやないかい!!ホンマ心配したで!!!…濡れてるやないか…』

『光…』

キキは泣き出し、俺も貰い泣きしそうだった。

五右衛門が、たまたまをよそおい、和茶が空いてる事に気が付いた…ふりをした。

『うお!!鍵…かかってねぇやん!!』

『…』

『…』

下手すぎる…やばいなこれは…

『マジか!!!!五右衛門やるやないかい!!こーゆうときホンマたよりになるわー!!』

『…』

『…』

取り合えず俺達も、喜んだふりをして、皆中に入った。


『まずゆわせてくれ、皆…ホンマすまんかった。ワイが取り乱して、カオリンに酷い事ゆーてもぉた。羽樹やキキにも…それに優馬や五右衛門にもえらい迷惑かけてもぉた。ホンマすまんかった。』

光はグッと目を閉じ、頭を上げなかった。光に続いて声を出したのはキキだった。

『私もごめんなさい。特に光にはあやまらいといけないって思ってる。だから光…顔上げて…』

キキの涙声に、光はゆっくりと頭を上げ、キキを見た。と同時にキキは光の胸に飛び込み、もぉ絶対離さない!!ってくらい強くギュッと腰に手をまわし…『ごめん…光…ごめんね…本当にごめん…』と泣いているキキに光は動揺していた。


『おいおい…どないしたん!?大丈夫か??…なんでワイにあやまんねん!?…キキは何も悪い事してないやないか??…謝るのはワイのほうやで!?…』

『私…私…光を叩いた…』

『はぁ??…そんなもん当たり前のことやないかい!!…んな事であやまらんでええ!!』

『光…良いから聞いてあげて…』と羽樹に言われ、俺も五右衛門も光も訳の分からないまま、キキの話を聞いた。

『あのね…』

キキは俺達にも昔の事を話してくれた。

『そかそか…でもな…ワイを叩いたのは正解やで??…あのまま見てみぬふりしとったら…それこそカオリンにあやまらなあかんで!?…コレは一方的に暴力ふるっとるんとちゃう…せやから、やっぱりあやまらんでもええ。なっ。』

と光にしては珍しく優しい言葉をかけてやり、キキの頭をなでていた。

【ん!?】

一瞬光と目が合い、ニヤリと笑った気がした…まぁ気のせいだろう…

この時、五右衛門も俺と同じ事を考えていた。

光は、じゃぁ俺の話も聞いてくれ…と俺と五右衛門に話した事をそのまま包み隠さず全部話した。

いじめられてた事も…親友がアメリカに行き、今日戻ってきている事も…

『せやから、悪いけど、わいはソロソロ銭形に会いにおもてる。皆にはホンマすまん気持ちでいっぱいや…でも…ホンマに大切な奴何や…分かってほしい…』

当然、誰も反対はしなかった。むしろ早く会いに行ってあげてって気持ちがでいっぱいだった。

『おおきに!!ホンマありがとうな。じゃぁわいは行くわ。』

『おう、銭形にヨロシクな!!』

『僕はもぉいじめられてないよって言っとけよ!!』

『カカカ、キキ…ええか!?ワイソロソロいくで!?』

と光が言うと、

和茶に入ってから約30分くらいずっと抱きついていた事に今の今まで気が付いてなかったらしく、

キキは今日の夕日の様に顔を真っ赤にして、凄い勢いで離れた。

『い…いってらしゃい。』

『(((アハハハハハ)))』

キキの慌てようと、片言の日本語に、キキ意外は皆笑えた。

『ほな、また明日な!!』

『おう!!』

『うん!!』


光はびしょびしょのまま外にでて、ドアをガタンと閉め…ガチャっとまた開け、一言だけ言ってまたガタンと閉めた。


『ちなみに…キキはCカップ!!…ワイの好みやで!!』

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