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『キキ of past2』

勇次くんの友達、松田君によって衝撃的な事実を聞かされ、困惑しているキキ。

「嘘じゃねーよ。アイツお前に叩かれて尻餅ついた時に足首ひねったんよ。それだけなら捻挫くらいですんだんだけど…あのアホ我慢してさ、その場で痛いって保健室でも病院でも行けばよかったんだけど…それでさ、あいつ…お前との約束守るためにお前の家に3時間掛けて行ったんだわ、親の帰り待ってたらクリーニング店閉まって本当に約束破る事になるからな。それで次の日、異常に腫れてさ。流石に母さんと病院行ったって言ってたよ。そしたら、靭帯切れてて、本当に昨日は歩けたんですか!?って医者も驚いてたらしい。それで少しすれば治りますが…スポーツは無理ですね。特にサッカーやラグビーそー言った類のものは絶対やめてくださいって言われたんだってさ。…」


この後も昼休み中、松田くんの話は続いたけど、全く覚えてない。

話してる最中に、本当に泣き出しちゃって…

どぉすれば良いのか全く分からなくなって…


私は、この日の放課後、勇次くんを呼び出した。恐喝とかじゃなく、勿論話し合うためにね。

当然の様に勇次くんは拒否反応をみせたけど、お願い!!っと何度も頼んで、渋々OKをもらったんだよね。


そして放課後。勇次くんの手を引き昼休みに松田君と話した図書室にむかった。

「いきなり、なに!?悪口とか嫌がらせならソロソロ辞めてほしいんだけど…」

『本当にごめん!!!!!』ただ謝った。理由も何もいわず先にまず謝った。頭を深く下げて。

「え!?」私からの久しぶりの謝罪の言葉に勇次くんは凄い驚いてたよね。

『今までの嫌がらせだとか悪口、あれは勇次くんにね嫌われたって思って、それで…何で謝りたいのに無視するんだろう…なんで…なんで…って考えてるうちにね、悪い方にばっかり考えちゃって…』

「言い訳したいの??」

勇次くんの目は凍りついたように冷たく、見てるだけで震えて泣き出しそうだった。

『違う!!言い訳してるように聞こえたならごめん。今日松田君と話して…』

冷め切った目で私をじっと見て、「でっ!?」。

真っ黒な尖った目からは怒りが感じられる。

今更なんだ…??

松田から聞いたから同情か??…

散々、人をゴミみたいに扱って許してほしい??ふざけるな…


そぉ返事が返ってきそうで怖かった…でも…

『もぉ大好きなサッカーできないんだってね…全部聞いたよ。松田君は言えないって言ってたけど私が強引に…』

「君はいつもそぉだね。嫌がる相手を強引に…今だって」

『…』

「はぁ…なんで泣くのかな??泣きたいのは俺だよ…」

『そうだよね…』

「もぉ良いよ、許してあげる。」

『え!?』

「悪口とかさ嫌がらせした事はもぉ良いよ。これからしないなら、過ぎたことだしさ。」

1ヶ月ぶりくらいに勇次くんの笑顔を見た気がした。作り笑いかもしれないど…でも…足の事は…許してくれるはずないよね…

『ありがと…もぉ絶対しない…』

自己弁解するわけじゃないけど、元々私は、勇次くんの事を悪く思ってなかった。というより、無視されてムカついてた。ただそれだけだった。

話したい…仲良くしたい…その気持ちが全然伝わらなくて気持ちが分かってもらえなくて…上手く行かない事にイライラしてた。

本当に馬鹿な子だよね。今、昔の私に話しかけれるなら、あんたのイライラは勇次くんの事が好きだからなんだよって伝えたのになぁ。

「じゃぁこれからは仲良くしような。」

その言葉についつい私は聞いてしまった。

『でも、足の事は許してくれてないのに??仲良くしてくれるの??』

「え???」

『足怪我したから、無視とかしてたんだよね??』

「うぅ…」

『はじめから、足が原因で無視してたって分かってたら…』

「嫌がらせとかしなかったって??それってまた言い訳??」

『違う!!』

「嘘嘘」と本日2回目の笑顔をくれた、作り笑いじゃない…と思う。

「俺、キキさんの事好きだったの。話しかけられるたびに、あせってさ…それが原因で無視してるように見えちゃったのかも…」

『何言ってんの???』本気で意味が分からなかった。

「…まぁ良いや…でも足が原因で無視とか冷たくしたわけじゃないから…」

『でも…好きだったら、何で机はなしたり…冷たく接したりしたの??嫌いだからそぉしたんでしょ??』

「しるか…」

『…』

「俺は…キキさんのせいでスポーツできなくなったって思ってないから、その事ではキキさんに対して謝ってほしいとか思ってない。松田に口止めしたのも…何ていうか…ね…心配かけたくなかったんだよ…それだけ。」

『和…輪…羽…私も勇次くんの事好きだよ…』

「意味不明…それこそ、え"???でしょ…それこそ…好きだったら、何で机はなしたり…冷たく接したりしたの??嫌いだからそぉしたんでしょ??ってそのまま返したくなるわ…」

『同感。』

「アハハハハ」

『アハッ♪』


お互い意味不明すぎて笑えてきた。でもその意味不明なおかげで私たちは打ち解ける事が出来た。

小学生って…単純だよね…つきさっきまでは犬猿だったのに。


「でも、もぉ人を叩いたりしたらいかんよ??…」

『うん♪分かった分かった♪』

「真剣に聞けよ!!!!」

私は凄いびっくりした。親父の雷…その意味が分かった気がした。

「人を傷つけると相手も、自分も傷つく…だからさ…そんなこともぉしないって約束して。」

『ぅん・・・』

「絶対だよ??…」

『絶対!!』


勇次くんとはこれ以上、仲良くなる事はなかった。勿論嫌がらせはすることは無かったけど…

今思うと私の小学校時代ってミスばっかりだな…

初恋の子を傷つけ…将来を奪い…それで自分を傷つけ…


でも…良いんだ…最後に太陽に向かって笑う向日葵みたいな笑顔を私にくれたもんね♪


ありがとう…そして約束をまもれなくてごめんなさい…

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