『プチ・暴・露・大・会(中)』
『ごめんごめん。ちょっと言い方悪かったね』
俺達全員(一人嘘)誰からも告白されたこと無い、哀れな連中にキキと羽樹から謝られた…何かむなしいね。
どぉやら恋愛経験、人気度、は当然の様に女子達の方が格段に先輩らしい。そんなのはルックスで誰もが一目瞭然だが、何かちょっと価値観の違いって言うのかな…少しだけ寂しい感じになった。
『あ!!でもさ!!告白されてないのに付き合った経験あるってことはさ。告白してOKだったって事だよね!?それってすごいじゃん!!ね♪』
謝罪の次は慰め…『ネッ♪』と羽樹からキキにバトンが渡され、
『うんうん!!あたし告白とかしたことないし…勇気あるって思う。それに成功したんだもん本当に凄いと思うよ。』
キキは相変わらずポーカーフェイスで、本音なのか羽樹同様慰めなのかよく分からない。
流石のカオリンもなんとも言えないこの変な空気を嫌になったらしい。
『ねぇねぇ。次は優馬の質問だよね♪光の質問には皆答えたし、優馬質問してよ♪』
『え!?あ…あぁ。んー。じゃぁ現在好きな人って居る!?憧れとかじゃなくて恋愛対象でね!!』
【やっちまった。恋愛がらみの事なんてもぉ聞きたくなかったのに、カオリンのいきなりの振りにとっさに変な事聞いてしまった。】
『ちなみに。俺は今は居ないけど、高校卒業するまでにはちゃんとした恋愛してみたいかな!!』
【おいおいおい、何言ってんだ俺は…】
声に出しての自問自答。それもかなりの早口で、坦々と自分だけ語ってしまった。
『わいは一応おるで!!!まぁせやかて、脈無しもええとこやけどな!!!アハハハ…』
『俺は、優馬と同じで探し中やなぁ。まぁこっちも優馬と一緒なんだけど俺も高校卒までには彼女作って同じ大学いきてぇな!!』
『あんた、大学なんて行けないでしょ。あほだし♪』
『ほっとけ!!お前はおるんかおらんのか言え!!』
『うちは…内緒♪はだめだよね。居るって言えば居るよ。でも恋愛的に好きなのか、人?友達?として好きなのか分からないけど。』
『私も羽チャンと一緒で気になってる子は居るけどこれが恋愛感情なのかは微妙やね。』
意外にも皆あっさり答えてくれて、心臓バクバクさせていた自分が恥ずかしくなった。
【高3だもんな…好きな子の語り合い何て恥ずかしがる歳じゃねぇよな…】
『あたしは好きな子いるよ♪』
『((お"!?))』
今まで恋愛とは無関係っていうか20人もの狼(男)をことごとく断り続けたカオリンに好きな人!?
カオリンのとんでもない発言に俺達男子は勿論、キキや羽樹までもが驚いた。
『優馬♪』
『来た!!!!!!俺の時代!!!』
【神よ…俺は…一生カオリン、いや薫を大切にすると誓います。絶対にしあわ…】
『と…光と…五右衛門の事めっちゃ好きやに♪』
【…】
最初に優馬って名前出た時は神に一生カオリンを大切にすると誓ったのに…
放心状態の俺を見て皆、笑い転げていた。
『アハハ♪うちも優馬と光と五右衛門の事めっちゃすきやで♪』
羽樹がカオリンの頭をナデナデしながら、可愛いなぁと頬擦りしていた。
…優馬の質問終了…
『おッす!!!差し入れもって来たぞ!!!皆で食え!!!』
マスターがジュースとお菓子の差し入れを持ってきてくれた。すっかり・6・人・の世界に入っていた俺達はマスターの入室で現実に戻った。
外はすっかり暗くになり、さっきまで夕日が差し込んでレンガ色だった部屋が、いつの間にか電気の明かりの白い部屋に戻っていた。
『おまえら、盛り上がるのはいいが、時間とかは気にしろよ!!!俺だってこんな事言いたかないが、補導されたりしたらこの店にはもぉこれなくなるぞ!!!そしたら俺も寂しいし、嫌だ。だから次の日に学校ある時は時間を気にしろ!!次の日が休みのときは両親に連絡さえ入れてれば泊まっていって朝まで騒いでたって良い!!』
マスターに言われて時計を見たら21時を回っていた。流石にこれには俺達もびっくりした。
『まぁ22時にはちゃんと帰るんだぞ!!それまでに菓子食って、飲みもん飲んで、話をまとめろ!!明日は金曜だし、明日ならいつまででも話せるしな!!』
『あいよ!!』
光が軽く返事し、マスターはまた店に戻っていった。
『ってかもぉ9時かいな!!めっちゃはやいのぉ!!』
『な!!俺もびびったわ。』
マスターにも迷惑はかけたくないし、和茶にこれなくなるのも嫌だったのもあり、今日は素直に帰宅し、明日は泊まりの予定で話し合う事になった。
野郎同士で泊まる事も結構珍しいのに異性と泊まるなんて産まれて初めてで今の段階から遠足まえの小学生のように胸がドキドキしてやまなかった。
俺、五右衛門、光は最も正常な成人男子である。
俺達じゃなくてもこんな異例事態に遭遇したら世界中の男子は夢を描くに違いない。
ココで6人で寝るのかな!?…妄想は無限に広がる。
全てのパターン、状況、時にはそのパターン事の会話内容まで想像する…完全に俺達は妄想天国状態になっていた。
ありえない…ありえなすぎる…っと冷静に気持ちは違う方向に向けたが、下半身だけは言う事を聞かず、少しの間立ち上がることができなかった。
『なにしてんの!?明日、お泊りでゆっくりできるんだし、今日のところは早く帰ろうよ!!マスターに叱られるよ!?』
『わっかた分かった!!ちょっと先行っててくれ!!』
女子達に先に部屋を出てもらい、ほっと一安心。
『この変体どもが!!』
『われもじゃろ!!』
蛙や虫の泣き声に迎えられ、10分遅れて俺達も外にでた。
結構田舎だけに外灯も少なく、一面真っ暗でだった。
無数の星や月明かりなどの自然光源によるスポットライトを浴び、変体丸出しのの気持ちを落ち着かせるために深呼吸をした。
『じゃぁ帰るか!!女子送ってかんで平気か???夜道苦手ならワイらが付きそうで!?』
『平気平気殆ど3人帰り道同じ出しさ。』
『了解!!ほな皆きぃつけてな!!』
『またね〜♪』
俺は五右衛門と二人で明日の壮大な変体話をしながら帰宅した。
『それにしてもさ、あしたって同じ部屋にねんのかな!?』
『あー俺もそれ考えてたわ。』
『同じ部屋なら部屋で俺としては嬉しいけど…かなりせまくねーか!?』
『まぁなぁ。部屋同じならかなり隣接するぜ!!』
『そりゃ最高だわな!!』
俺は夜が好きだ。何だか素直な気分になる。
暗くて周りがあんまり見えないせいか安心出来る。
とくにこの時期は暑くも無く寒くも無く、気候的にも最高だ。
俺達は家の近くまで来ると川原に自転車を停めて、少し話した。
『お前さぁ、さっき彼女作って同じ大学行きたいっていってたよな〜大学ってどっか行きたい所あるんか!?』
『まぁよ』
お互い沈黙の間は石を拾っては投げを繰り返していた。
『どこ!?』
『ん!…あぁ。決まってるような言い方で言ったけど行きたい大学はどこでもよくてさ、まぁ一人暮らしして知らない土地に行ってみたいってのが希望かな…』
『ふぅん。』
『お前はどぉなんよ!?』
『おれか〜俺は全然なにも考えてねーや。』
『ふぅん。』
仲の良い奴と居る時は盛り上がる時は凄い盛り上がるけど、意外と沈黙も結構あったりするんだよね。
普段一緒に居るせいか話す事もないのもあるし、慣れてるせいで無駄に気を使わなくてすむのかな。
家族と居る時に会話を気にして、自分から沢山話しかけるって事がないみたいな…
『おい!!俺さマジで彼女作るわ!!』
『は!?』
五右衛門のいきなりかつ大胆な発言に少々戸惑った。
『つくるってお前まだ好きな奴もいねーんだろ!?』
『あぁ。今はな!!でもさ、俺らって何かふしぎじゃねぇか!?』
『なにが??』
『俺らの班よ』
『俺らの班の何が不思議なの?』
『他の班ってさ、まぁ班内での会話が無いわけじゃないけど俺らみたいに仲良くねぇじゃんね。』
『んーまぁそれは単に俺らの班員が気があってるんだろ??』
『それ!!!』
『は!?』
五右衛門が何が言いたいのか全く分からず、少々混乱ぎみだった。
『俺さ!!あの3人の誰かと付き合うは!!』
『え??あの3人ってだれよ』
『羽樹、キキ、カオリン』
『はぁ!?…マジに言ってんの!?』
『おう!!お前はあの3人じゃいやか??』
『嫌とかじゃなくてさ、あいつらルックスも良いし明るいしさ、他の男がほっとかへんって。俺らには友達…親友までが限界だな。』
『まぁなぁ。確かにそれはあるけどさ…まっお前は指くわえてみとけや!!』
『あいあい。で誰かあてはあるんか!?』
『いや、まだ今は友達としかみてねぇしさ。そのうち変わってくるだろ、男女間での友情は何とかってよく言うしな!!!』
『ハハハ!!まぁがんばれ!!』
五右衛門は五右衛門で前進するらしい。
そもそも、五右衛門は大学に一緒に行きたいって言ってたけど、光ほどではないが、キキ、カオリン、羽樹、3人とも頭は結構良いし、俺なら頑張れば何とかなるかもしれないけど…体育系の五右衛門がねぇ…
俺はそこが少し、いやかなり心配だった。
明日の準備もあるし、俺達はソロソロ自宅に帰る事にした。