『大・暴・露・大・会』
時は休む事を知らず…一歩一歩常に進み続ける。
今日という日、今という時間…
一秒一秒が最初で最後…
もぉ二度と全てが同じ状況なんて存在しない…
そんな事を考えさせられる意味深な夢を見ている俺。
【チュンチュン】と小鳥の囀りで…はなく目覚ましの【ジリリリリ】という激しい轟音で意味深な夢からも開放され、目が覚めた。
一週間続いた梅雨も今ではすっかり終わり、キラキラと元気な太陽の朝日が眩しい6月10日…時の記念日…が祝日ではない。
そう、六月は年間、12個の月の中で唯一祝日が無い月。水無月…ではなく俺らの間では祝無月で通っている。
え!?8月も祝日は無いぞって!?いやいや、だって8月は夏休みじゃん。平日も祝日も休日も関係ないサーマーバケーション!!
つーわけで、高校生の俺達にとっては祝日が無いのは6月だけとなる。実に萎える。
習慣病の様に布団からでて、ギャツビーで顔を洗い、めざましTVを見ながら朝食をたべ、クリアクリーンで歯を磨き、『行ってくるねー』と家族に言い玄関を開ける。
次はなんだっけ!?
あ!そうそう、俺が家を出ると必ず吠えてくる(俺だけに…)隣の家の犬。
バックウェル!!
キャンキャンなく可愛い犬とは程遠く、グルルルルと常に牙を出し、鳴き方だってワンワンを通り越してもはやウォンウォンに聞こえる次第だ。
そんな狂犬慣れしている俺は、平然と家を出た。
『ヤッポー!!』『ウッス!!』
『うるせぇ!!バックウェル!!!…じゃないね…』
突然の非日常的瞬間。羽樹!?と五右衛門!?
『ん!?今日学校だろ!?お前ら二人でなにしてんの!?まさか…朝帰り!?!?』
『ドキ!!!!』
『変なリアクションすな!!勘違いされちゃうじゃん!!』
悪ふざけする五右衛門を叩き、これまでの過程を説明する羽樹。
『…という訳なの♪』
『ほぅほぅ。要するに…』
昨日の夜親戚のおばさんの家に泊まった羽樹は、そのおばさんの子供、春香と話しているうちに春香と五右衛門が同じ小学校と言う情報を入手。
『へ〜じゃぁ五右衛門もこの家の近くに住んでるんだ。』っとあっさり理解。
翌日の朝、つまり今日。羽樹は五右衛門に電話し、近くに居るから学校一緒に行こうと伝える。
五右衛門も断る理由もなく、いつもの俺との待ち合わせ場所を伝え、そこに来いと言う。
五右衛門はいつも何故か俺より30分くらい前に来ており、ずっと待っている。
羽樹にも当然、自分(五右衛門)の集合時間を伝えている。
早!!!と思いながらも羽樹も五右衛門同様、俺の来る30分前に到着。
『優馬は30分後くらいにくるよーっ』とその場で聞かされ『化粧も、髪の毛の手入れも、色々短縮して急いだのに!!』と激怒する羽樹。
『え??いつも通り可愛いから全然気が付かなかった』と五右衛門の軽すぎる言葉に激怒すると思いきや、『えへへ。そう?』とアホ丸出しに許す。
気分良好♪とは言え、元々待つことの苦手な羽樹。
『優馬の家も知りたいし、迎えに行こ♪』と五右衛門に提案。が名案になり、今、俺の目の前に居ると言う非日常的瞬間にたどり着くまでの過程を聞かされたのだった。
『そゆこと♪五右衛門と優馬って意外と家近いんだね。』
『まぁお前らに比べたら一番近いけどチャリで15分かかるぞ!?』
『えー。近いやぁん。うちと同じ中学のキキとカオリンでも20分くらいかかるのに。』
『そんなにかかるんだ!!』
と実は班員(親友)のプライベートをあまり知らない俺達。
親友とはいえ男女のうす〜〜い壁みたいのでプライベートとかにはあんまり聞いたりしなかった故、2ヶ月以上たった今でもこのしまつ。
これじゃぁいかん!!と思い、今日の学校帰りにでも、和茶にて暴露大会!!を提案しようと思った。
とりあえず、学校に行かねばと、世間話をしながら学校へ向かった。
キーンコーンカーンコーン!!
始業の鐘…じゃなく終業の鐘。
『で、今から和茶で暴露大会するの???』
『おう!何か俺らもぉ2ヶ月もたってるのに、男女間ではお互いのプライベートって殆ど無知じゃんね。それを今日!!皆で暴露しようって思ってさ。どぉ??』
『えー。プライベート侵害やぁん』
『賛成!!!』
『わいも賛成や!!』
流石は光と五右衛門!!キキの反対そうな意見を押しのけグッジョブb。
『よーし。賛成意見しか出てないし。今からいつも通り和茶に集合!!』
『はぁい♪』
カオリンは相変わらず天然で可愛く返事してくれた。
ブツブツブツブツとキキと羽樹の憎悪を無視し、俺達は和茶に向かった。
今更だが、和茶には学校から約10分で付く距離にある。初日に何で1時間40分もかかったのか不思議でしょうがないが、まぁカオリ…その辺は放置しよう。
あの日以来、和茶には殆ど毎日顔を出すようになり、マスターの【赤字】に大貢献している。
最近では店の手伝いを無給料でしたり、学校の連中に和茶の宣伝をしたりと、黒字にも大貢献していた。
イーブンイーブンって事だな。
『おう!!お前ら今日も来たのか!!!ブハハハハ!!』
ブハハハハ!?ちょっと前までは、ブヒャブヒャブヒャブヒャ!!という笑い方だったが俺たちが指導し、調教し、何とかまともな笑い方になった。
それも黒字貢献の一部だよな。
『ちゃぁっす。マスター。』
『今日も世話んなるで!!コーラたのむわ』
『あたしはオレンジジュース。』
『あたしも』
まぁこんな感じで、すっかり我が家気分になっていた。
俺達専用の部屋。和茶6人席も結構住みやすい空間になってきだんだ。あの後、色々あって何気にホワイトボードとか付いちゃってたりしてるけど…これが意外に役立つんだよね。ほらっ。
≪大・暴・露・大・会≫
【ルール】
☆質問した内容には絶対に答える!!
☆男女交互に質問する。
☆嘘厳禁。
光が大きくホワイトボートに書き、皆が拍手。キキも羽樹も公開内容は漏らさないなら…と言う事で乗り気になってくれた。
『じゃぁわいから女子に質問や!!!!』
『はぁい♪』
『うん!!』
『OK!!』
『よっしゃ!光!!秘密あばいたれ!!』
『任せろや!!とっておきのがあるんや!!』
ニヤリと笑い、親指をビンッと立て決めポーズを見せてきた。
流石にこれには俺も五右衛門も期待が胸いっぱいに広がり、ドキドキしていた。
『ほないくで!!!女子ってオナニーはどのくらいしてるんですか!?』