目覚めて、出会って、恋をして?
モチで死んだ。
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「こいつモチ喉に詰まらせて死んだんだって!」
ゲラゲラという笑い声に、俺の意識がかすかに蘇る。
「お?やっと起きおったか」
ぼんやりとした頭の俺に誰かが語りかけてくる。
だんだんと視覚が戻ってきて、辺りを見回してみるが見覚えがない景色のようだった。
少なくとも俺の部屋ではないようだ。
「おい!聞いてんのか!」
未だ思考回路がクリアではない俺に女性が語りかけてくる。
寝起きに大きい声を出されると頭がガンガンする。
朦朧とする意識の中、なんとか俺は聞き返した。
「…ここは?」
ふん、と鼻を鳴らしながら先ほどまで屈み込んで俺を見下ろしていた人物が立ち上がる。
「ここはあの世じゃ!」
何言ってるんですかこの人。
「正確には天国と地獄に行く前の分岐点、と言ったところじゃの」
「ここではお前さんの生前の行いを元に、どちらの世界へ行くかを判断する」
状況が飲み込めない俺を余所に、つらつらと言葉を並べ立てている。
ようやく、顔を上げてみるとその人物の姿が目に入る。
透き通るような白い肌、艶やかな黒い髪、整った顔立ち。そして全体的に小さい。
女性というよりは“女の子”という表現の方が相応しいであろう姿だった。
俺はその姿を見て電流が走ったかのような感覚を覚えた。
要するに「好みだった」という話だ。
「お前さんの生前の行いを見たけどのう、良い事も悪い事もしとらんな」
「なんつーか、すげぇ判断に困る…しかし、この死因…モチ詰まらせたって…ブフッ!」
どうやら俺の死因がツボに入ったらしく、話している最中も笑いがこらえられないようだった。
しかし、今の俺にはそんなことは関係がなかった。
少女の手をとり、真剣な眼差しを向け、言葉を告げる。
「惚れた」
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「はぁ????」
先ほどまでとは打って変わって、状況が飲み込めないのは少女の方になった。