表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/2

巻き込まれた人間の異世界生活 《改訂版》

 拝啓、父さん母さん。兄貴を迎えに来たって言う人の姿をした魔族...こっちの世界では彼らのことを魔族と言うらしいです...に引きずられた兄貴に引きずられたあたしですが取り合えず元気にやってます。まぁこっちの世界に来る途中何度か足蹴にした為、兄貴と離れてしまい困った事にはなりましたがなにやら言葉は通じるらしく取り合えず一人で生計を立てています。幸い下働きを募集していたところがあったので速攻で掛け合いました。ほぼ腕力にモノを言わせてですが。あ、なんかこの世界に来た時にチートな能力が付属されたらしく体力などがこの世界の一般人の3倍から5倍になってました。



「――カナン、ちょっと手を貸してぇ」


「はいよグエンさん。ここが終わったらそっち行きますんで、もうちょっと待ってて下さい」



 そして今日は何時にもまして屋敷の中がてんてこ舞いです。なんでも国王が先月通算596回目の勇者を召喚したらしく、勇者一行がこの屋敷に滞在するとか何とかでこっちの仕事が一気に増えました。マジ勘弁してくれって感じです。595人の勇者が召喚されたことから察するにどうやら兄貴にもあたし同様チートな能力が付いてんのか、はたまた周りのお付の人が優秀なのか分からないが兄貴は無事に生を謳歌しているようです。因みに595人もの数なんですがどうやらあたしは魔王=兄貴が出現してから数十 年から数百年程経って、この異世界に現われたようです。兄貴とはだいぶ時間軸のずれが出来ていました。ええ、なんてたって兄貴が結婚していてしかも自分より年上の甥が居る。しかも魔族って。マジ勘弁して。さっきも使ったが。


「ごめんグエンさん、待たせた?」


「ううんそんなことないよ」


「じゃ、さっさと始めてさっくと終わらせましょうか」


 あたしは慣れた仕事をさくさく進め、最後の仕上げとしてキングサイズのベッドメイクをグエンさんに手伝って貰いながら済ます。


「...さてとこれが終わったらグエンさんは裏に隠れててね。表に出てきちゃ駄目だよ?」


「ここに来る前アンヌさんにも言われたわ」



 クスクスと天使のように可愛らしく笑うグエンさん。正式名称はグルニエール・ハッシュさん。肩甲骨までの緩やかなカールのハニーブロンドの髪と琥珀色の双瞳を併せ持つとってもキレイな同僚さん。



「聞いた話によると今回の勇者一行、相当女癖が悪いって言うし、あたしとしてはそんな害虫如くの勇者の目にグエンさんを触れさせたくn「まったく、同感よ」...ってあれ?大奥様?」


「...全く、私も今回この屋敷にあの勇者が滞在すると聞いた時にははっきり言って国王バカの首を絞めてやろうかと思ったわ」


 このニーベングル家の家長であるラインテッド・オーベン・ニーベングルの母親で実質の屋敷の最高権力者様は大きな溜息をつきつつ...て、おいおい。臣下に慕われない王様ってどうよ。



「どちらかって言えば魔王に危機感持つよりも軍事公国となりのヴェールズに危機感を持って欲しいくらいだわ」



 その後もブツブツと呟く大奥さま。―――確かにそんな話しをあたしもちらほら聞いた。確か下町の居酒屋でご機嫌に飲んだくれてた従軍騎士団の...名前なんだたっけ? まぁいいや知らなくても困らないし。まぁ兎に角、そいつも今は魔族云々よりも国境沿いに進軍して来ているヴェールズに目を向けるべきだ。ってぼやいてたな。




評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ