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第006話「初めましてますたー」

前作と同じ流れなのはここまでです。

これ以降は新作のストーリーに変わっていきます。

ゴブリン購入分を忘れてました。すいません。

「大地さーん、まだやってるんですかぁ~?」


「なかなか納得いくのができなくてな、しっかしモンスター作成に必要なDPが3000DPで、各種設定毎に100DPが必要とか、かなり無茶な仕様だなこれ」


「まぁ、それでも計画段階よりは大分使いやすくなってますけどね、5000DPも一気に使わなくてよかったじゃないですか」


「確かにな、……これでよし、っと」


 大地がクリエイトモンスターの作成を完了させたのを見てPちゃんは横からウィンドウ画面を覗き込んだ。


「…大地さん、以前キメラがどうとか言ってたのにずいぶん美人さんに作りましたね」


「だ、だってCG作るみたいにマジで自由な造形にできるんだもん。理想の造形美やってみたくなっちゃってさ、」


「別に良いですけどね。ええ良いですよ。男性は大きい胸の女性が好きですもんね!」


「な、なんで怒ってんの? Pちゃん?」


Pちゃんが何に怒っているのかは分かんないが、とにかく俺の初めてのクリエイトモンスターは創り終わり、あとは召喚するのみとなった。しかしこのクリエイト、本当に自由度が高い。種族によってある程度制約はあるが、その範囲であればいくらでも形をいじれるし、能力もどんどん強化できる。(ただしDP必須)

こりゃまじでPちゃんの言うように雑魚モンスターじゃ比べ物にならねェな。


「さー、それじゃ召喚といくか、こい! 俺の美女モンスター!

〇――――――――――ル!!」銃ないけど、


 画面の召喚アイコンをタッチすると、目の前の地面に光の魔方陣が出現し、水面から浮かんでくるようにクリエイトモンスターが出現した。出現したんだけど…、


「なんか小さいですね、」


「小さいな、」


 現れたのは銀髪で二本の角を生やし、コウモリのような羽根を背中のあたりから生やした少女だった。んー可愛いんだけど、もうちょっと成長してからの方が好み…ってなんでじゃあぁぁぁぁぁぁぁぁ!!


 どういうことだ!? きちんと大人の女性で創造したはずだぞ?


 あわてて俺は画面を見ると召喚完了。と出ている画面の下に召喚errorと出ていた。なんだ? なにか操作間違えちまったか? そう思って俺は画面をモンスタークリエイトの画面にして切り替え、原因を探す。

だが、表示されたクリエイト画面には間違いなく俺の理想のプロポーションで創った3Dモデルが映っている。


「造形に問題はないな、なら設定か?」


 クリエイトモンスターには見た目の他に『種族』『能力』『スキル・魔法』等の見た目以外の設定(・・)を付ける項目もある。もちろん種族以外は何も設定しない事も出来るが、それだとPちゃん曰く、成長してもあまり強いモンスターにはならないらしい。


 そんないくつもある項目を一つずつ確認していく中、俺はある事に気が付いた。


「あれ、設定項目の画面にスクロールバーが付いてる?」


「あ、本当ですね」 


 嫌な予感を感じつつ、画面を下にずらしていくと、


 『年齢』・・・・・・初期設定値【10】歳 

 【注意!】召喚後の項目の再設定は出来ません。



「しまったあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」


「あーあ、やっちゃいましたね、大地さん。 確かにこの年齢設定であの容姿だと、何かそういうスキルか種族にでも設定しない限り、年齢相応の容姿になっちゃいますから、こういう設定に関しては厳しいんですよこのシステム」


「マジか~、」

 

 自分の失敗に軽く落ち込んでいると背後から声をかけられた。


「あ、あのぅ、初めましてますたー、これからどうぞよろしくお願いします」


「あ、よろしく。俺はダンジョンマスターの天海(あまみ) 大地(だいち)だ」


「私はピーポ・プライアス・ポポ・マリネです。Pちゃんって呼んでください」


「はい、畏まりました。それでだいちさま、一つお聞きしてもよろしいでしょうか?」


「ん、何?」


「あ…、その、私、なにかますたーのご期待に応えられなかったのでしょうか?」


 どうやらさきほどまでのやりとりを見て自分に問題があるのかと思ったらしい。生まれたばかりのなのにかなり察しがいいな。


「んーまぁ気にすることじゃないから、安心しろ」


「そうなのですか?」


「そうなの。 Pちゃん、確認なんだけど成長すればちゃんと大きくなるんだろ?」


「えぇ、それは大丈夫です。モンスターですから人間や他の動物より早く成長する可能性もありますし、」


「よし、なら何も問題はないな、 じゃエステラ、改めてこれからよろしくな!」


「はいだいちさま、では私も改めて自己紹介をさせていただきます。 だいちさまにお仕えするクリエイトモンスター、低位悪魔エステラでございます。絶対の忠誠をあなたに! どうぞ以後宜しくお願い致します」


 うやうやしく礼をして忠誠を誓うエステラに大地はむず痒いものを感じながら、なんとかダンジョンマスターとしてそれっぽい返事を返す。


「わかった。お前の忠誠、ありがたく受けよう。これから頑張ってくれ!」


「はいますたー!」


 はじめてのクリエイトモンスター、エステラとの顔合わせを済ませた大地たちはさっそくエステラの実力を確認することにした。


「残ってるなけなしのDPで購入したゴブリン達だ。エステラ、お前の実力を見せてみろ!」


「畏まりましたますたー!」


 6体のゴブリン達を前にエステラは余裕そうな顔見せ 一対一から始まって徐々に相手にするゴブリンの数を増やしてもエステラの余裕が崩れる事はなかった。それどころか大地の指示で6体全てのゴブリンがエステラを囲むように動き、四方から同時にエステラに襲いかかってもエステラは慌てることなく、一つ一つの攻撃に対応して、かすり傷一つつけることなく躱し続けてみせた。


「すげぇな、」

「さすがにクリエイトで作っただけありますね」


 大地とPちゃんがエステラの回避能力に関心していると、エステラが大地の方を見て申し訳なさそうに口を開いた。


「ますたー、差し出がましいようですが、そろそろわたしにも次のご命令をいただけませんか?」


「次の命令? ……もしかしてエステラ、お前ゴブリンに反撃してないのは俺が命令しなかったからか?」


「はい! ますたーの指示を忠実に守る事こそがわたしの忠誠の証ですから! 実力を示せとは申し付かりましたが、倒せとは言われませんでしたので、ご命令の範囲で実力をお見せしました!」

  

 なんという、よく言えばまじめ、悪く言えばバカだなこの娘、いや悪魔っ娘。


 大地はこの時、エステラをしっかり教育しなくては、と強く決意した。



 それから数日、大地はエステラに命令以外にも自分で考えること、行動することを時間をかけて教え込み、それが一段落すると、今度はダンジョンの外でエステラの教育を開始した。


「いいかエステラ? この世界には色々なものが存在している。俺もこっちに来たばかりだから教えてやれることはそんなにないけど、お前も知らない事はどんどん教師の俺に聞いてくれ、答えられることはなんでも教えてやる」


「はい! わかりましたますたー!」


「教師っていうより父親みたいですね」


「そこツッコまないでよPちゃん」


 ダンジョンの外に出たエステラは興味がある物にはなんでも近づいてじっくり観察して過ごすのがいつの間にか日課になり、口には出さずとも連日外に行きたがるようになった。大地としても少しずつ成長するエステラの姿をみるのは楽しかったので特に苦にもならず、毎日エステラに付き合って外に足を運んだ。

 そんなある日、いつものようにエステラとともにダンジョンの外に出ていた大地のそばにPちゃんが飛んできて話しかけた。


「大地さん、そういえば伝え忘れてたことがあるんですけど、」


「伝え忘れてたこと? なに?」 


「この前倒したあの鱗熊というモンスターなんですけど、身体の鱗が成長すると灰色から黒色に変わってその頃になると番いを作って行動するのが基本になるんです」


「番いって夫婦?」


「はい、であの鱗熊の鱗なんですけど、鱗が完全に黒く染まってました」


「…ってことはあいつ以外でこの近くにもう一頭いるってこと!?」


「いやいや、一緒に行動って言ったじゃないですか、あの鱗熊は単独だったでしょ?」


「そ、そうだな、そうだよね。あれから何日も経ってるし、もしもう一頭いるなら今頃ここにきてるだろうし、」


「まあ、このあたりに来たばっかりで巣作りと餌探しに分かれてたからいままで探しにくるのが遅れてたっていうんであれば話は別ですけどね」


「………Pちゃん、そういう発言をなんて言うか知ってるか?」


「? さあ?」


「フラグっつうんだよ!!」


「ぐおがあああああぁぁぁぁぁ!!」


「きゃあぁぁーー!!」


 エステラが居るハズの方向から聞き覚えのある咆哮と叫び声が聞こえてきた。


「エステラーー!」


 大地は自分が殺されかけたことを思い出しながらも震える足を動かしてエステラの居る方向に向かって走った。


「エステラー! 無事かー!!」


「はーい! お呼びですかーますたー?」


 ズコッ!


 エステラが鱗熊に襲われていると想像していた大地の光景と全く真逆の光景が眼前に広がり、無邪気に笑って手を振っているエステラに大地はずっこけた。


「いきなりこの大きいのが飛びかかってきてしつこいので仕留めたんですが、この毛皮の部分がもふもふで匂いを気にしなければすっごいさわり心地がいいんです! きゃー! やわらかーい! ますたーも触ってみませんか?」


「いや、遠慮しとくわ、あとエステラ、」


「はい? なんですか?」


「ダンジョンに帰る前に返り血は落とそうな?」


「は! これはますたーの御前で失礼を! すぐに落としてきます!!」


 エステラが居なくなったあと、首をへし折られ、腕も逆方向に曲がって絶命している鱗熊をまじまじと見た大地はエステラを作ったのは正解だったという考えを他の全ての考えを飲み込んで自分自身に納得させたのだった。






 現在までのDP使用状況


 手持ちDP 5340DP


 クリエイトモンスター作成 -3000DP

 モンスター各種設定    -600DP

 (内訳)

 ・名前設定

 ・種族設定

 ・能力値設定

 ・魔法設定×2項目

 ・容姿設定


  モンスター購入

  ゴブリン×6 600DP


 大地の現時点での残りDP  1140DP

  

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