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第017話「ダンジョンリフォーム1」

リアルの方が忙しくて執筆時間が取れず、ずっと放置となってしまい申し訳ありませんでした。ようやく一段落して時間が取れるようになったので執筆活動も再開していきます。

 大地達がダンジョンに戻って次の日、ダンジョン内は先輩ダンジョンマスターである水野のアドバイスを受けながら改善が進んでいた。


「そういやそろそろ飲み水を溜めておける場所がほしいとこだけど、どうするかな、入れ物もないし、」


「ふふ、安心しろ大地。このDP購入の中にある『水』を購入すれば入れ物の問題は解決だ!」


「DP購入の水?」


 水野に言われて大地は自分のウィンドウを開いて画面から購入の項目を開いた。


「あ、あった。これか」


 そこには 水 1L 1DPと書いてあり、桁が増えるのに比例してDPの量も増えていく計算になっていた。


「これで20L以上を一度に購入すると水瓶に入って出てくる仕様になってるんだよ」


「なるほど、確かにそれなら入れものには困らないな」


 入れ物の問題が水野によってクリアされると大地はさっそく水入りの水瓶を手始めに4つ80DPで購入し、ダンジョン内に作った生活エリアに置くことにした。


「さてと、次はいい加減この一階層しかないダンジョンをどうにかしようぜ」


「そういえば階層ってどうやって増やすんだ?」


「簡単だよ、トラップや通路を設置する感じでまずは階段か、転移部屋・転移トラップを設置してその先に通路や新しい部屋を設置して行くんだ。ただし、新しい階層を作るときには500DPかかる」


「えー、地味に痛い出費だなそれ、もしかしてそれも…、」


「そう、神の制限ってやつらしい」


「けっこうせこいなこの世界の神は」


「そういう事を言っていると神のお仕置きがくるかもしれませんよ大地さん」


「Pちゃん、リアルに神がいる世界でそういう事聞くとマジでありそうで怖いんだけど、」


「なら口に出さなければいいだけです」


「ふふ、大地くんのその反応、一年目のもっちーを思い出すわね。やっぱりかわいい」


「おいおい、今の俺は可愛くないってのか? Dちゃん?」


「そうはいってないわよ。頼れる男になったもっちーもそれはそれで素敵だし」


「……ディーレ、見ているこっちが恥ずかしくなるんで黙っててください」


「なによ~、ピーポはいっつもそうやって真面目ぶって」


「ただ普通に仕事しているだけです」


 PちゃんとDちゃんがいつもの感じで口喧嘩をしそうな雰囲気になりつつあると、そこにエステラがふよふよと飛行しながら戻ってきた。


「ますたー、言われたお仕事終わりました!」


「お、ご苦労さんエステラ、えらいぞー、」


「えへへ~、お褒めいただきありがとうございます、ますたー」


 大地はエステラにダンジョンの周囲で目立たないところに水野の持っていた魔導具『写し画の水晶』の小水晶を設置してくるように頼み、その設置作業を全て終わらせたエステラは大地の元に戻るといつものようにそばに控えるえるよう寄り添った。


「これでダンジョンの周辺に何かが来た時に確認しやすくなったな」


「けど、大丈夫なのか?」


「なにが?」


「鳥とか小動物に持ってかれないかな?」


「大丈夫だろ、小水晶は映像を映して送る以外に小さい結界を張れるから、動物程度じゃそうそう持っていかれたりしねーよ、それに持っていかれたり、壊された時は何かあった時って考えとけばいいだろ?」


「あー、そう言われるとそうか」


「で、次のダンジョン改造案だけど、」


「あ、俺も一つ提案したいんだけど、いいか?」


「ん? なんだ?」


「食糧生産がしたいんだよな、もっちーってそっちの知識なにか持ってない?」


「畑やりたいってことか? まぁ、種が合う土地と水の確保が出来てればそれこそ育てるだけならなんとかなるけど、味にこだわるとなったら一気に難しくなるぞ?」


「こだわらないとどのくらいになるんだ?」


「そーだなー、炒め物や塩入りスープにしてようやく食えるかどうかってレベルかな?」


「けっこう厳しそうだな、」


「あたりまえだ、元の世界ほどこっちの世界は品種改良も進んでなければ食文化の発達度合いもまちまちなんだからな? 当然野菜の水準だって元の世界とは段違いだっての。ほら、ここに来る時もらった野菜も俺が全部焼いたり、川の水で煮てたろ? あれだってそうしなきゃ筋張ってたり青臭くて食えたものじゃなかったんだからな?」


「そう言われると、火が通ってる割になんか味がよくないなー、とは思ってたけど……、」


「それがこの世界では普通なんだよ」


「改めて言うのもなんだけど、やっぱ異世界なんだなここって」


「そういうとこで異世界を認識するあたり、お前って良くも悪くも日本人だよなぁ、……俺もだけど、」


「じゃあとりあえず、食糧生産は後回しにして、ダンジョンの改築から始めよう」


「そうだな、まずは出来ることからだ」



~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~



 大地達がダンジョンの改装に取り掛かるのと同時に、エステラも大地から新しい仕事を言い付けられ、出かけている間に増えていたスライムと大地が新たに召喚したゴブリン達を一か所にまとめて、エステラ自身はそれらの前に立った。


「良く聞け! 我らがますたーの命により、これより私がお前たちダンジョンモンスターの全てを統括する存在となった。私の命令はますたーの命令と同じと考えろ」


「「「・・・・・・・」」」


 ダンジョンモンスターたちは皆一様に黙り、一部のモンスターは明後日の方向を見たり、地面を穿り返したり、中にはエステラに対して反抗的な目を向けている者も居る。


「うが、がうが、ががうーが」


「なに? ますたーの命が無くては私のいう事は聞けないだと?」


「がうーが」


「そうか、ならばお前たち全員でかまわない、一斉にかかってこい。一人でも私に勝てたなら全員好きにしていい」


 大地からモンスター達を統率しろと言われていたエステラはなんの躊躇もなくそう言い放った。

 最初エステラは大地が直接指示を出さなくては当然こうなる事を予想していた。しかし、大地はエステラに仕事を頼むとき、どうしてそうするのかを話していた。



 -数分前-


「俺が言い聞かせてもいいけど、そうすると多分昔のエステラみたいに言われたことしか他のモンスター達もしないと思うんだ。だからエステラのように他のモンスター達にも自分の意思で行動して自分の意思で俺以外の誰かの指示にも従えるようになってもらいたいんだよ。そしてそれを出来るのは俺の周りではエステラしかいないんだ。だから頼んだぞエステラ。でももし難しければいつでも言ってくれ、俺の方でもその時は別やり方を考えるから」


「いいえますたー、ますたーがそのように望まれるのであればこのエステラ、全身全霊を持ってそのご期待に応えさせていただきます!」


「うん、それじゃ頼むよエステラ、……ただし、無茶はするなよ? 他のモンスター達はお前と違ってまだほど強くはないハズだからな?」


「心得ておりますますたー」


 


 という経緯によってさきほどの宣言へと至り、そして現在、死屍累々を体現するかのごとく倒されたモンスター達の山がエステラの前に出来上がっていた。


「またずいぶん派手にやりましたねエステラちゃん」


「あ、P様。大丈夫ですよ。一匹も殺してませんから」


「その点については私から口出しするつもりはないですが、よくスライムまで殺さずに戦闘不能に出来ましたね」


「簡単です。ここに戻る道中で水野さんからスライムは核を魔力で強く刺激されるとしばらく身動きが取れなくなると教えてもらったのです」


「なるほど、そういえば水野さんはスライムの扱いに精通していたんでしたね」


「はい、あとはこのモンスター達の内、何体がまだ抵抗の意思を示すかどうか、」


「そうですか、大地さんも一日で終わるとは思っていないハズですから無理しない範囲で頑張ってくださいね」


「はい、お気遣いありがとうございます」


 エステラに叩きのめされて身動きが取れないモンスター達を見回してからPちゃんはエステラと軽く話をしてその場を後にすると、ダンジョンを改築中の大地の元に向かった。


「お、Pちゃん。エステラどうだった?」


「多分ですけど今日中に全員従いそうですね。大地さんの読み通りです」


「そうか、じゃ、あとの心配事は新入りが来た時に仲良く出来るかだな」


「まぁ大丈夫じゃないですか? 大地さんが仲良くするように言えば表面上だけでも仲良くできるでしょ」


「表面上じゃなくてきちんと仲間として仲良くしてほしいんだけどな、」


「ならもう少しエステラちゃんが成長するまで待つという手もありますけど、どうしますか?」


「……いや、やるよ、どっちにしろダンジョンの改築をするのにもほしい人材だし」


「なら悩むまでもないですね」


「おーい大地ー、水瓶置く場所ってここでいいのかー?」


「ああ、ごめんもっちー、今行くよ。 ……第2のクリエイトモンスター創造は明日だな」


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