始まり (儀式 中編)
数えてみると40匹ぐらいいるであろう兎がこっちに向かって走ってきている。
うっ.....
その兎の中には痛々しいほどに肉を抉られていて中身が出てしまっている兎や血をだらだらと出しながら逃げている兎もいる。
きっとあの狂犬から逃げている際にやられた傷なのであろう。
「あっ..... 」
一匹の兎がとうとう捕まってしまった。
狂犬はその鋭い牙で包丁のような切れ味で兎を殺さない程度に傷つけ、そして他の兎の方に投げ飛ばす。
そう、他の兎を見せつけるように。
兎達は近く投げられた傷つき動けそうにない微かに息をしている仲間を見て、怯え怯み震え上がってしまった。
狂犬はそれを楽しんでいるようで狂った目にさらに血を走らせ口を釣り上げる。
こいつ.....楽しんでやがる.....
兎達はどうにか立ち直りまたこちらに走ってくる。猟犬もそれを追いたてるように走る。
このままじゃ不味い!
そして俺は猟犬とは反対方向の森に向かい走り出したが。
そこには消えていたはずの屋敷にあった。
その床には
蒼と金の禍々しい何かを出す金色の槍が刺さっていた。
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