休養 2(二日目 1)
日記 昨日は死ぬのところだった以上
まだ毒が完全には抜けきってはいないが酷かった頭痛や腹痛は大分収まり、ある程度動けるようになった。
回復力が尋常じゃなさそうだ。これが所謂異世界補正なのか?
今日までの倒れた日から三日間。その間だけで恐るべき早さで回復したということになる。
日本の医学でもさすがにここまで早く回復することはないだろう。
ともあれ、俺はやたら紫多めな朝食を作らせないため屋敷の外で掃除をしている白い少女を窓からぼーっと見ながら屋敷内にある食料庫へ向う。
もちろんだが予め昨日の夕食の際にちゃんと許可は取ってあり食材の場所も教えてもらい、その際食材のメモも書いてもらった。
必死すぎて少し引かれてしまったがこれは仕方がないことなんだ。
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食料庫に着くとひんやりとした空気が漏れている扉を開け中に入る。
お~寒いっ!ガタガタ
中はとても冷えていて現在の格好、ネグリジェからロングスカートのワンピースに変わったぐらいで素肌がもろに外気に触れるこの服では到底寒さを防ぐことは出来なかった。
早くでよ..... 凍えるりゅ..... ガクブル
いくつか必要な食材をとるとすぐさま食料庫を出る。
外の空気って温ったけぇ.....
心地よさに日向ごっこしていたくなるが朝食を作らなければならないので諦め台所に向かう。
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台所に着きメモを見ながら食材を調理していて思ったことがある。
どうやったらあの色になるんだあれ.....
現在使っている食材はハムにレタスもどき、見た目玉ねぎ味は人参のと、普通の玉ねぎである。しかし、このメモをいくら見てもあの色に変わる要素が全く見当たらない。
ふむ..... これはもう白いのの才能というべきか
もう考えることを放棄し、出来上がった料理を運んでいった。
テーブルの近くの棚に置かれた瓶に入った紫色の何かをみて、理解した。
これが原因だな、と。
ご閲覧ありがとうございました。




