目覚め
時満ちる夜ー森の奥深くの屋敷で少女は深い深い眠りから目を醒し始める。
屋敷内の時間が再び進み出す。
木々は騒ぎだし、住人は静寂を守る。
深淵なる闇は歓迎し、蝋燭を妖しく灯す。
深紅の月の誘いは少女を夢の世界から現よへと魂を引き戻す。
そして、少しずつ目を開け、
眠りから少女は目覚め呟く。
「..... ここどこだ?」
少女は体を起こし、立って周りを確認すると棺桶の中に入ってることに気づく。
床は赤いカーペット、テーブルには花が生けられていたと思われる薄く水が濁った花瓶が置かれている。棺桶の近くにはドレッサーと鏡があった
。
少女は歩き、鏡の前に立ち自分の姿を確認する。
赤い布を主にフリルやレースをあしらいコルセットを付けた豪華なドレスを着ている鏡に写った少女の姿はか弱いと見えるほどに体が細く、その黒い髪に、深紅の瞳はこの世の者とは思えない程に美しい。それとともに悪魔のような禍々しさを合わせ持っていた。
少女は自分の姿に驚きを覚えた。
「..... 誰?」
指や足動かすと向こうの自分も動いている。自分自身であることは確実である。
何度も確認する、が、自分である。
嫌な感じがしてあれを確認するがやはりない。代わりにあるのは華奢な足に白い肌、スッキリとした股。また、声がとても高くなってることにも気づく。
「.....」
衝撃の事実に暫く放心してしまう。
「と、とりあえずここを探索してみよう」
ドアへとパタパタと歩いっていった。
その姿はまるで小さな子供のようであった。
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