鎖国と脅威
初っ端から暗い暗黒な歴史を語って申し訳ない。
だが基本俺はネガティブ。どうか許してほしい。
俺はもともと人付き合いが苦手なのと、中学時代のトラウマとが相まって、他人との友好関係を自ら遠ざけた。歴史的に言うなら鎖国したのだ。
俺は平穏主義をモットーとしている。平穏とはいつもと変わらず穏やかなこと。つまり平和だ。平穏を守り抜くには、まず目立たないことだ。いい意味でも悪い意味でも目立たない。例えばテストでは平均点程度を取り、体育の持久走では一位にも最後にもならず、真ん中の集団に紛れる。
人付き合いは何度も言うが苦手だ。何と話しかければいいか、どういう手順を踏めば友人になれるかわからない。仲良くなれば周りのペースに合わせなくてはならない。非常にきつい。俺は鎖国した。自分から声はかけないしかけかたを知らない。
だが、一人も友人がいないと思われてはまずい。なぜなら、それで目立つからだ。
いや、ホントはそんなことでは全然相手にされてないのかもしれないが、俺は気になって仕方ない。
そう、すべては平穏のため。
だがコミュニケーションは苦手だ。どうしようもなく高校入学から一ヶ月が経った。
いつしか俺は陰気なやつとクラスメイトに思われるようになった。
自分的には非常にまずい。変に目立ってきている。何とか目標物から脱却せねばならない。
目指すは普通!平穏!
青春謳歌できるのは今だけとよくいうが、俺は遠慮しておこう。
起伏がある人生ほど苦しいものはないと思う。高一の子供ごときがわかるかと言われそうだが、俺はネガティブだ。絶好調のときはいいが、絶不調のときはどこまで落ち込むだろうか。つまり臆病だと言える。
俺はネガティブで臆病でコミュ障で陰気な弱い人間なのだ。だからこそ平穏を追い求め、自分が傷つかないようにしている。
だからといって何もしないわけではない。真ん中に紛れなければ目立ってしまう。それゆえ、平均点以下の不得意教科を猛勉強したり、できないスポーツをできるように練習したり。仲良しグループAと仲良しグループBとの衝突のときは、どちらにも属さず中立無関係を宣言。結局「無関係ではない」と否定されAグループに入れられたが…。
やはり人付き合いばかりは難しい。打開策は友人をつくるか、俺の影を薄くするか。
全く、影が薄くなりたいものだ……。




