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元・魔王の中年童貞~エロでポイント稼ぎ、スキルと交換して無双する  作者: 堅物スライム


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第64話 二千年の時をくぐる熾火

「お前たちは下がってよい。その者とは、二人きりで話す」


 深い琥珀色の瞳を細め、俺を値踏みするように見据えながら、ナルビーズ様は静かに命じた。


「承知しました。部屋の外で待機しております。何かございましたらお呼びください」


 門番がそう言って一礼し、角刈りとともに退室していく。

 扉が重く閉じられる音が響いた後、部屋の中は静寂に包まれた。


 天井は高く、声が反響しそうなほどの石造りの広い空間。

 余計な装飾も家具もなく、中央に鎮座する巨大な椅子――いや、玉座のようなものだけが存在感を放っている。


 当然、俺が座る椅子なんて用意されてないから、立ちっ放しになるんだけど、長話にはならないよな?


「懐かしい魔力だ。そなたにその記憶はあるのか?」


 ナルビーズ様はそう言うと、口元に笑みを浮かべた。


「あなたが期待しているような記憶は、残念ながら無いっすね」


 冴えない中年リーマンだった頃の記憶なら、あるんだけど。


「そうか。では魔王についてはどこまで知っている?」

「二千年前の天界との戦いで負けて、魔界に追いやられた。で、その後のことはよく分らんすけど、俺が二十年くらい前に魔界に転生して、先代魔王を倒して新たな魔王となった、くらいっすかね」

「先代魔王? そなたが持つその魔力を持たずして魔王を名乗っていたのか? とんだ不届き者がいたものだ」

「……え? そうなんすか?」

「魔王も六柱の巫女も、その魔力を引き継いだ者のみが名乗りを認められる。そなたが倒したのは、ただの道化だ」


 ――そう言えば、ルチオ様はリトリス様の魔力は先代の巫女とそっくりだとか言ってたな。


「……てことは、俺は最初から魔王となるべき運命だったと?」

「そうだ。でなければ、わずか二十年程度で魔界を統一など出来るわけなかろう」


 なるほど……。

 確かに、周りの魔族は何百歳、下手したら千歳を超えている連中ばかりだったのに、転生してたった二十年であんな偉業をあっさり成し遂げられるわけないよな……。


「てか、ナルビーズ様、ずいぶん詳しいんすね? もしかして二千年前のこともよく知ってるんすか?」

「様など不要だ。ナルビーズと呼ぶが良い。――二千年前か。よく覚えている。私は巫女でこそないが、魔王たちと一緒に天使たちと戦った」

「マジすか!?」

「奴とは魔族とダークエルフという種族の壁こそあったが、お互いの力を認め合う腐れ縁だった。そして、奴は色んな種族の女と性交したいという、とち狂った理由でここから出ていった」


 ……あれ?

 俺のこの性欲って、魔王の魔力に紐づいたものなのか?

 それとも、俺の前世での行き場のなかった性欲が、魔王の魔力を呼び寄せたのか?


「そして、あまりにもアホな理由で神に盾突き、天使たちと戦う羽目になり、私たちにも協力を求めてきたのだ」

「神に盾突く……? え? 魔王の力は天にも届くと称され、多くの人々が恐れと尊敬を抱いた。しかし、その力が傲慢とされ、神の怒りを買ったため、天より遣わされた天使たちとの全面戦争に突入することになった――と聞いたんすけど……。全然違うってこと? アホな理由って何すか?」

「口にするのも汚らわしい。忘れろ」

「そうっすか……」


 この口ぶりからすると、間違いなくエロ関係だろうな……。


「で、そなたは何故、この大陸にやってきた?」

「まさに、その二千年前の因縁と言いますか……六柱の巫女を探し、俺の加護を与える旅の途中って感じっす。四人までは見つかったんですが、残り二人の手掛かりが向こうの大陸では全く見つからなくて」

「加護? 何故そんなものが必要なのだ?」

「何者か――恐らく教会の『聖人』だと思いますが――『七つの大罪』を狙ってるようで、それを持つ巫女に危険が及んでるんす」

「……ほう」


 ナルビーズは一瞬、苦虫を噛みつぶしたような表情を見せた。


「何か知ってますか?」

「よく知っている……。だが、あれに加護など不要だ」

「ん? どういうことすか?」

「会えば分かる。そなたがこの大陸に来ていることも、既に把握しているだろう」

「え?」


 俺の脳裏に、この暗黒大陸に来る途中の海で遭遇した「巨大な瞳」の記憶が蘇った。

 空に浮かび、こちらをじっと見下ろす、おぞましい黒い瞳。

 全身の毛の先まで逆立つような、不安を掻き立てるぞわぞわした、あの感覚も。


「堕天使ニリングス。魔王が神に盾突くきっかけとなった、つまりは二千年前の大戦の元凶」

「堕天使……。確か、時々暴れてこの大陸を混沌に陥れるとかいうヤバい奴っすか?」

「そうだ」

「てか、あんたでも対処できないんすか? めっちゃ強そうなのに」

「元は天使だからな。『七つの大罪』がなければまともにダメージを与えられないレベルだ」

「あ、そういうこと……。てか、何で地上に堕ちたんすかね?」

「本人に直接聞くがいい」 


 俺は堕天使の居場所を教えてもらい、謁見の間を出た。

 その前にこっそりスマホを取り出し、ナルビーズを隠し撮りすることも忘れていない。


「ナルビーズ、2227歳。種族:ハイダークエルフ。獲得可能ポイント 100,000~1,000,000」


 さすがの最高レベルだった。

 見た目はロリでも2000歳オーバーなんだよな。

 てか、いつかヤレるチャンスとか巡ってくるのだろうか。


 ……いや、リトリス様だって最初は無理ゲーと思ってたけど、何とかなったしな。

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