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元・魔王の中年童貞~エロでポイント稼ぎ、スキルと交換して無双する  作者: 堅物スライム


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第46話 聖女②

 その晩。


 俺とカセイ導師、そして聖女カトロジー様の三人で夕食を共にした。

 広く長いテーブルの片側に俺、もう片側に導師とカトロジー様が並んで座る。

 目の前には白身魚のハーブ蒸しや温野菜の盛り合わせ、季節の果物などが並び、豪華さよりも栄養のバランスを意識したメニューになっている。

 まずはワインで軽く乾杯した。


 ……俺の目はどうしても、正面のカトロジー様に向かってしまう。


 色々な美女たちとヤリまくってきたが、彼女もまた他とは比較できないような美貌の持ち主だ。

 金の輝きを帯びた琥珀色の大きな瞳に、めっちゃ長いまつ毛。

 透き通るように白い肌、そして柔らかな光を放つ栗色の長い髪。

 世界中の信徒たちの心の拠り所として、確かにこれ以上ふさわしい存在はいない――そう思わせるほどの気品だった。


 今すぐスマホを取り出してポイントを確認したい衝動に駆られるが、グッと堪える。


「ヒロシ様がこちらに来られることは、ずいぶん前から分かっておりました。ようやくお会いできて、とても嬉しいです」


 カトロジー様はそう言って、にっこりと微笑んだ。


「分かっていた……? ああ、クイ司教から事前に連絡があったのですね?」

「いえ、違います。もっと前からです。一年以上前になります」


 ……ん?

 一年前なんて俺はまだ魔界で自家発電してたぞ?


「そ、そうなんですか? どこで俺のことを知ったのでしょう?」

「夢を見ました。とてつもない力を持つあなたが、わたしたちを救う夢を」

「は、はぁ……夢ですか」


 あれ?

 聖女様はそっち系の人か?

 などと思ったら、導師が補足してくれた。


「カトロジー様は予知夢の力をお持ちなのです。その御力によって、信徒たちは何度も救われてきました」

「予知夢……ですか? それは凄いですね」

「この小さな国が二千年もの間、独立を保ってこられたのは、代々の『聖女』様に受け継がれてきたこの力のおかげなのです」

「なるほど……」


 俺はあらためて、カトロジー様を見つめる。

 今度はいやらしい視線ではなく、力を探る為に。


「確かにカトロジー様には膨大な魔力を感じます。予知夢を使えると言われても、納得です。でも――それだけじゃないですよね?」

「はい?」

「もっと別の、大きな力も感じます」


 そう告げると、聖女はすっと目を細めた。


「さすがヒロシ様ですね。でも、それはあなたも同じでしょう? 癒しの力だけではなく」

「……まぁ、そうですね」


 完全に見抜かれてるな、これ。


「わざわざ、そのような小細工をされなくても、喜んでお迎えしましたのに」

「そ、そうですか」


 カセイ導師はきょとんとした表情で、困惑を隠せずにいる。


「あ、あの? 一体、何のお話を……?」

「ふふっ。教会もこれだけ大きくなってしまうと、一枚岩ではありません。色々な思惑が交錯しているということです。ヒロシ様のご想像通り」

「……全てお見通しということですね。俺はこのまま導師に魔法の指導を続けても?」

「はい、それはぜひお願いします。ヒロシ様がお知りになりたい情報も、わたしであればお答えできるかもしれません。いつでもお声がけください」

「ありがとうございます」


 完全に導師を置き去りにしたまま、俺たちは晩飯を終えたのだった。


 ◆◆◆


 俺に用意された部屋は、大聖堂に併設された宿泊施設だった。

 さすがに王宮やアルナ伯爵家ほどの豪華さはないが、風呂やトイレも完備されていて、生活に不便はない。

 もっとも、夜になったら瞬間移動で月姫やサフィラ様のところに戻って寝るつもりなので、ここは日中だらだら過ごすための休憩所として使うことになるだろう。


 食事も用意してもらえるらしいが、先ほどのように栄養バランスを優先した質素な料理では物足りなさすぎる。

 金は有り余っているし、基本は外食にすることに決めた。


 毎朝のアーリス様との修業はそのまま続けるので、導師への魔法指導は、導師の空き時間に合わせて午後にやることになった。

 導師も色々忙しいだろうしな。


 ◆◆◆


 そんな日常をしばらく送っていると、このニナオ市国での生活リズムにもすっかり慣れてきた。

 メーザン教の総本山だけあって人々の信仰は篤く、犯罪の匂いなど全く感じられない平和な国だ。

 さすが、ビザで入国を厳しく制限しているだけのことはある。


 街を歩いていると、カトロジー様の噂があちこちで耳に入ってくる。

 先日の一般謁見での美しさや神々しさに感動したとか、目が合った瞬間に昇天しかけたとか──

 その語られ方は、もはや「心の拠り所」というより、もう少し身近なスーパーアイドルのような存在に近い。

 メーザン教の組織体制においては、教皇は「制度や秩序の長」として教会全体の統治と運営を担い、聖女は「信仰の象徴であり精神的な支え」として信徒の心を導く存在とのことだ。

 両者は役割こそ異なるが、立ち位置としては同格に位置付けられている。


 導師が数日出張することになり、暇になった俺は大聖堂に併設された大きな庭園を散策していると、カトロジー様に呼び止められた。


「少しお話できませんか?」

「あ、はい。何でしょうか」

「ここは人の目がありますので、聖堂の中で」


 確かに庭園は一般開放されているので、カトロジー様の姿に気づいた人たちが、わらわらと集まり始めていた。


「了解しました」

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