第34話 リトリス
「つ、つまり妾と一度ではなく、何度も交わる必要があると」
「ええ。イラーマとかと同じように、単純に『魔王の加護』を発動させるだけなら一回だけ中出しすれば十分ですけど」
「な……中に出す……?」
「はい」
俺は真顔で頷いた。
「こ、子供が出来たらどうするのじゃ? 魔王とハイエルフの血を引く子など、呪われし存在として、世界中から討伐隊が押し寄せるぞ……!」
「そんな大げさな……。そもそも子供なんて出来ませんよ。異種族間の間に子が生まれにくいのはご存知でしょう? ましてやハイエルフなんて、ただでさえ妊娠しづらいはずです」
「……確かに、我が種族は滅多に子を産まぬ。じゃが――」
リトリス様はじっと俺を睨みつけてきた。
「それならば何の為に交わるのじゃ? 何度交わっても子が出来ぬのであれば、何の意味もなかろう」
「それは快楽の為です」
俺は何の迷いもなく即答する。
「か、快楽じゃと!?」
「はい。失礼ですが――リトリス様は性交のご経験は?」
「あるわけなかろう!」
「では、何度か交わってみれば分かると思います。最初の方は痛いだけらしいですが」
「子を成す為ではなく、快楽の為に交わると申すか……!?」
「その通りです」
リトリス様は完全に絶句していた。
俺と彼女とでは、どうやら根本的な倫理観からして違うらしい。
「どうしますか? こういうのは勢いも大事だと思います。ただ、別にやらなくてもイラーマが里にいる間は当然駆けつけますし、敵はもう襲ってこないかもしれません」
「分かっておる……考えるので、暫し待つのじゃ」
そう言ってリトリス様は顎に手をやり、じっと考え込む。
その美しい横顔に、葛藤の色がはっきりと滲んでいた。
そして――
「とりあえず今までの話のおさらいじゃ。そなたと一度交われば、今後その『魔王の加護』とやらが発動し、妾と離れていても連絡が出来るようになる」
「正確に言うと、『精神感応』というスキルで脳内通話が可能になります。あと『魔王の加護』は、防御系のスキルですね。状態異常も物理攻撃も魔法攻撃も耐性が跳ね上がります。大抵の毒や呪いは無効化されますし――猪に突進されても無傷で済んだ事例は確認済みです。これらが自動発動します」
「む……そんな特典までつくのか!? 敵に不意打ちを喰らっても、切り抜けることが出来そうじゃな」
「そうっすね」
「そして、妾だけの特権として、そなたと何度か交われば『魔王の寵愛』スキルが自動で付与され、そなたのスキルを好きな時にいつでも一つだけ発動できると」
「その通りです」
そこでまたリトリス様は腕を組み、眉を寄せて考え込む。
「……妾のご先祖様に叱られないじゃろうか?」
「はい?」
「異種族――しかも魔王と交わるなど前代未聞の出来事じゃろう。しかもそれが子を成す為でなく、快楽の為ときた」
「いえ、それは違います」
「なんじゃと?」
「目的がずれてます。得体のしれない未知の敵から、この世界を守る為でしょう? エクリプスを奪われるということは、すなわち世界の危機に直結します。それを防ぐためには、交わるしかないのです。ご先祖様が、どうしてリトリス様を責めることが出来ましょう」
リトリス様は驚いたように目を見開く。
「そ、そうじゃ! 世界を守る為じゃ!! ならば交わる以外に道はなかろう!!」
そう言うと、勢いよく椅子から立ち上がる。
「では、早速始めるのじゃ!」
「え? 今からすか!?」
「こういうのは勢いが大事と申したのは、そなたであろう!」
そして、身につけていた衣服をぱっぱと脱ぎ始める。
……超絶美少女なのに、そんな雑な脱ぎ方だと色気がまるで感じられない。
「何をしておる! そなたも準備せい!」
え、ちょ……すぐ近くにルチオ様いるんだけど!?
――いや、今はそんなこと気にしてる場合じゃない。
リトリス様の気が変わる前に、やっておかないと!!
「リトリス様、口づけの経験はございますか?」
「頬にならしたことも、されたこともある」
「そうですか……では失礼します」
そう言って俺は、その柔らかな唇を奪う。
一瞬、驚いたように抵抗されたが、強引にこじ開け、舌を絡める。
そして、緊張で硬直したままのリトリス様の身体をほぐすように優しく愛撫し、舌を全身くまなく這わせる。
「な……そ、そんなところ舐めるでない! 排泄する場所じゃぞ!? 汚いであろう!!」
「リトリス様の身体に汚いところなどありませんよ」
などと言いながら、俺は二つの穴を念入りに舐めまくる。
「そ、その口を洗わずに口づけするでないぞ!」
「いや、こういうのこそが快楽なのです」
必死に顔を背けようとするリトリス様だが、強引にこちらを向かせて、さっきよりも更に濃厚なキスをお見舞いする。
「こ、この無礼者が……」
はぁはぁと荒い息を吐きながら、リトリス様が俺を睨む。
「そんなこと言って……。めっちゃ興奮されたみたいですね。もう充分に潤ったようです」
「な……何を……訳の分からぬことを」
「またまた、分かってるでしょう? では、行きますけど……い、いいですよね?」
俺の問いに、リトリス様は目を瞑り、コクリと頷いた。
――ルチオ様にばれないように、出来るだけ音をたてないように。
普段よりも優しくその中に入り、ゆっくり目に腰を動かし、俺は発射したのだった。
この夜の出来事の詳細は、ノクターンに連載中の
「 元・魔王の中年童貞のエロ日記 」
ep11 ハイエルフの姫リトリス様との性交
にて公開してます。
宜しければ、そちらも読んで頂けると嬉しいです!




