表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
元・魔王の中年童貞~エロでポイント稼ぎ、スキルと交換して無双する  作者: 堅物スライム


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

30/70

第30話 メクアの森①

 リトリス様が要した荷物を《無限収納》に詰め込んでいく。


「ほう……イラーマから聞いておったが、何と便利な能力なのじゃ。これであれば馬車は不要じゃの」

「え? どうやって移動するんすか?」

「召喚獣を呼び出す」


 そう言うと、リトリス様は手慣れた仕草で宙に魔法陣を描き、低く詠唱を始めた。

 淡い光が溢れ、やがて陣から姿を現したのは二頭の白馬――ただの馬ではない。

 額から真っ直ぐに伸びる角が、神秘的な気配を放っていた。


「ユニコーン……すか?」

「そうじゃ。荷馬車を引くほどの馬力は無いが、その分疾い。当然、馬には乗れるのじゃろうな?」

「ええ、問題ないっす」


 愛馬スレイプニルと共に魔界の戦場を駆け抜けた日々が、脳裏に蘇る。

 そろそろ俺も召喚魔術を取り戻そうかな。

 まぁ、これもノーモーションで発動しちゃうから、ティアナのお手本にはならないけど。


「しかし、こんな幻獣に乗って移動してたらめっちゃ目立ちそうっすね」

「どうせ普通の馬に乗っているだけでも、わらわは目立つ。気にする必要は無いのじゃ」


 ……それもそうか。

 陽光を浴びてさらさらと揺れる金髪は、まるで光そのものを編み込んだかのよう。透き通る肌と高貴な雰囲気、そして圧倒的な顔面偏差値。

 ただそこに立っているだけで、老若男女を問わず、注目を浴びてしまうだろう。


 ◆◆◆


 従者もいない、エルフの姫君との二人旅。

 宿の手配などは、当然のように俺の役目になっている。


 姫にこき使われる元・魔王――魔界での臣下たちが見たら、間違いなくがっかりされるな。

 だが、効率を考えれば仕方ない。

 予想通りめっちゃ常識無いもん、この御方。

 しかも人目を引く外見してるから、うろちょろされると色々厄介ごとに巻き込まれそうだし。


 夜になると、俺は瞬間移動で抜け出し、ティアナ、月姫、サフィラ様の部屋を順番に、平等に訪れ、オフィーリアにも一回だけ中出ししておいた。

 ついでに久しぶりに剣の稽古もつけてやったが、《魔具創造》レベル10の魔力を込めた兄の形見の剣が、とんでもない進化を遂げていた。

 刀身は赤黒く変色し、チロチロと闇の黒炎が揺らめき始めている。


「すげぇな、ここまで育つ武器は滅多にねぇぞ」

「ふっ……それだけ、この剣にかける思いが強いってことだろう。あんたの《魔王の加護》で色んな耐性もついたし、もはやこの国最強の剣士になってしまったかもしれんな」


 確かに元々、聖騎士団の女将軍候補だった程の実力の持ち主だ。

 そこへこの魔剣が加わり、剣術もレベル9くらいには届いてそうだし、あの時の業火竜くらいならマジで瞬殺できるだろう。


「……あんまり、悪いことに力を使うなよ?」

「なんだ、悪いこととは?」

「好みの男を無理やり連れ込んで、お前が満足するまで腰振らせたりとか」

「す、するか!! ……最近はもう逆ナンなんてしてない! ひたすら剣の道を極めてるんだ!!」


 ◆◆◆


 今回の旅の目的地、大陸北部にひっそりと佇む「メクアの森」。

 そこに辿り着いたのは、エロドの森を出発してから三週間ほど経った頃だった。


 三日ほど前から急に気温が下がり、リトリス様は『無限収納』に預けていた防寒着をしっかり着込んでいたが、俺はそんな物を用意していない。


 まぁ服を買えばいいだけの話なんだが、いくら服を着こんでも寒いものは寒い。

 面倒なので、スキルを解放して問題を解決することにした。


《氷耐性 Lv.1》5,000P


 この程度の寒さならレベル1でも十分お釣りがくる。

 だが、この旅の間だけでも相当ポイントが貯まっていたので、一気に16万ポイント以上を投じてカンストさせることにした。

 これで極氷竜の吹雪ブレスをまともに喰らっても耐えられる。

 この世界にはおらんだろうけど。


 俺がスキルを解放する様子を見て、リトリス様は目を丸くしていた。


「なんと……そなたはそうやってスキルを解放していくのか。面白いものを見たのじゃ」

「ま、これで半袖一枚でも、ここで余裕で暮らせますよ」

「ほう……実に便利じゃのう」


 リトリス様は森の入口でユニコーンを異界に送還すると、目を瞑り意識を集中させる。

 小さく呪を唱えた瞬間、森全体がわずかに揺らぎ、目に見えぬ膜が霧散するような気配を感じた。


「結界を解除した。では行くのじゃ」

「了解っす」


 結界術は奥が深い。

 魔界で俺が使ってたようなのとは、原理からして違ってそう。


 森を進むにつれ、景色は迷宮めいて変貌していく。

 小動物や鳥たちは気配を潜め、ただ静寂だけが支配する世界。

 やがて雪がしとしとと舞い落ち、白い粒が音もなく肩に積もり始めた。


 その中で、リトリス様は何の迷いもなく歩を進める。

 どこから見ても同じ木々の並びにしか見えないのに、その足取りは確かだった。


「よく道が分かりますね。俺にはさっぱりなんすけど」

「このネックレスが導いてくれるのじゃ」


 そう言って、胸元の銀色の装飾を指し示す。

 淡く光を帯びたそれは、確かにただの装飾品ではない感じだ。


「へぇ……魔力か何かですか?」

「そうじゃ。古代から伝わる秘伝の魔法が込められておる」


 再び、俺たちは黙々と歩き始める。

 足元には雪が薄く積もり、踏みしめるたびに小さな音を立てた。

 森は次第に闇を濃くし、夜の帳が静かに降りてくる。


 やがて――


「着いたのじゃ」


 リトリス様のその言葉に顔を上げると、視界に広がったのは幻想的な光景だった。

 ☆で評価して頂けると大変励みになります!

 ポチっと押して頂くだけで、めちゃくちゃモチベーションが上がるので何卒宜しくお願いします!!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ