第27話 月姫
聞き間違いか?
今、娶ってくれって言われた?
「え、あの……今、なんと?」
「うむ。娘の月を嫁に迎えてくれないかとお願いさせてもらった」
――は?
どう見てもまだ十代だよね?
俺と倍くらい年齢が違うんじゃないの!?
「い、いや――大事な姫君をこんなおっさんになんて。姫様も嫌でしょうし」
「この国の安泰の為だ。月もそれ位分かっておる」
「え? そうなんすか?」
俺たちのやり取りを黙って聞いている月姫に、思わず尋ねる。
「この国を守って頂けるのであれば、私には何の異存もございません。不束者ですが、宜しくお願いいたします」
「いやいや……えぇ!?」
「さっき、そなたが申したようにまたいつ何時、この国に危機が訪れるか分からぬ。しかし、そなたさえおれば、何の心配もいらぬことが分かった」
「そ、そうは言ってもですね」
「月の器量の良さはこの国で一番と思っておるが、そなたの好みではないのか……?」
「いや、とんでもないっす! こんな黒髪ロング清楚美少女なんて滅多にお目にかかれないと分かってます。だからこそ、俺みたいな薄汚れたおっさんに汚されて欲しくないと言いますか――」
めっちゃ早口でまくし立てる。
ティアナとかサフィラ様も汚してはならない感じだけど、月姫はもっと楚々としているから、余計にそう思ってしまう。
彼女に向かって中出しとかいう単語は絶対に口に出せないし。
そんな言葉を投げかけた瞬間、天罰が下りそう。
「い、いや俺は一応、冒険者なもんで、一つの場所に留まりたくないというか、縛られたくないというかですね……」
「ふむ。そう言えば冒険者であったな。確かに我々とは生き方が違うのかもしれぬ」
「そうなんす! アルナの街にも嫁みたいなのはいますし」
勝手に結婚なんてしたらサフィラ様にシバかれる。
「なるほど……では、月をそなたの嫁の一人にしてやってくれ」
全然あきらめないな、このおっさん……。
てか、この世界は一夫多妻なの?
「いやいや、一国の姫君をそんな扱いするわけには――」
「私はそれでも構いません」
月姫は頬をほんのりと赤く染め、会話に割り込んできた。
「先ほどお見せいただいた剣術、お見事でした。あんなにも強いお姿を見せられてしまったら、今後、他の殿方に興味を抱くことなど、どうして出来ましょうか? 責任を取って下さいまし」
強ければ、こんな中年太りしたおっさんでもいいのか……。
大丈夫か、この子??
「……分かりました。ただ、正式な婚姻という形式だけは無理だとご理解ください。めっちゃややこしいことになるので。ただ、この国を今後守っていくことは約束します」
「おお、その言葉さえ聞ければ充分だ! 宜しく頼むぞ!!」
殿は目を輝かせながら両手で握手を求め、俺の手を力強くがっちりと握りしめた。
◆◆◆
宴の席では、月姫が俺の横にぴったりと寄り添い、箸で一つ一つ料理を取り、丁寧に俺の口元まで運んでくれる。
武士たちも席に着き、箸を運びながら談笑する姿があちこちで見られた。
「美味しいですか?」
「はい、美味いっす」
周りは、そんな俺たちのやり取りを見ても、特に不思議がる様子もない。
多分これ、根回し済みだな……。
屋敷の広間には、和やかな笑い声や談笑が響き渡り、女中たちが給仕を忙しなくこなしていた。
生け花や行灯が柔らかい光を落とし、季節の料理や酒盃が並ぶ華やかな宴の雰囲気を演出している。
――そして、その晩。
かなり日本酒に酔った俺は布団へ飛び込み、柔らかな温もりに身を委ねる。
意識がふわりと遠のきそうになったそのとき、襖の向こうから声が届いた。
「ヒロシ様……宜しいですか?」
月姫の声だった。
「あ、はい。どうぞ」
そう答えると、月姫に従うように宵ちゃんも静かに部屋に入ってくる。
「どうしました?」
「はい、今日は共に夜を過ごしたく……宜しいですか?」
え?
いきなり?
「え……いいっすけど、添い寝ですか?」
「はい、ひとまずは……」
月姫は耳まで真っ赤にしてそう答える。
ひとまず……?
「そ、そうすか。で、宵ちゃんは何しに来たの?」
「私はただの補助です。お気になさらず」
いや、めっちゃ気になるっつーの……。
「ちょ、ちょっと失礼しますね」
俺は亜空間からスマホを取り出し、月姫にレンズを向ける。
「月、18歳。種族:人間。獲得可能ポイント 20,000~200,000」
18……ミレナと同い年だな。ギリギリ、オッケーか!?
見た目はまだ幼く、16歳くらいに見える童顔だけど。
20万ポイントはサフィラ様と一緒だな。
「……?」
不思議そうに首をかしげる月姫。
「いや、何でもないっす。法律に触れないか確認してただけなんで」
「法律……ですか?」
「ああ、すんません。何でもないっす」
俺の焦りに、月姫はますます首を傾げる。
……ええ?
どうすりゃいいの、これ??
俺は助けを求めるように、宵ちゃんに視線を向ける。
すると彼女は言葉を発することなく、ただ静かに俺を見つめ、ゆっくりと頷いた。
いやいや、どういうこと!?
やっちゃってもいいの??
ミレナみたいに、お前は監視しに来たの??
「ちょ、ちょっと人がいると気になるから、宵ちゃん出てってくれない?」
俺の声に、月姫はゆっくりと後ろを振り向き、宵ちゃんに向かって告げる。
「聞こえましたか? 私は大丈夫ですので、戻って下さい」
宵ちゃんは静かに頷き、一度深くお辞儀をする。
そして、足音ひとつ立てず、まるで空気のように部屋を後にした。
「では、失礼します」
そう言いながら月姫は、おずおずと布団に潜り込んできた。
……いいんだよな、これ?
逆に何も手を出さなかったら、据え膳食わぬは武士の恥とか的な感じだよね!?
一緒に布団にくるまると、月姫と自然に目が合う。
「宵がおりませんので、ヒロシ様にご満足いただける自信はございません。初めてなりに精一杯尽くしますので、ご容赦を」
「い、いや、そんな……こちらこそ……本当に良いのですね?」
「はい……宜しくお願いします」
昨日、あんだけ発射したので、宵ちゃんに復活のツボを押してもらいたかったが、そんな心配は杞憂だった。
軽く口づけを交わしただけでムクムクと反応し始める。
徐々に唾液を絡めあう激しい口づけに移行しつつ、浴衣をそっと脱がすと、黒髪ロング清楚美少女のイメージを損なわない、ほっそりとした体に控えめな胸が露わになる。
そして、恐らく初めての人にとってはハードルの高いドエロい行為も当たり前のようにしたり、させたりしていると、恥ずかしさで顔を真っ赤にしている月姫の姿に、俺のチ〇コは限界まで膨張し、とんでもない勢いで、その中に発射したのだった。
この夜の出来事の詳細は、ノクターンに連載中の
「 元・魔王の中年童貞のエロ日記 」
ep10 朧ノ国の月姫との性交
にて公開してます。
宜しければ、そちらも読んで頂けると嬉しいです!




