第22話 冒険に出る前に
伯爵家に居候を開始して、一ヶ月近くが経過した。
サフィラ様の女の子の日以外は、ほぼ毎日中出ししていたので、ポイントはどんどん貯まっていった。
《魔具創造》はもちろん、ついでに《魔王の加護》もカンストした。
それでもまだ、イラーマの時に稼いだ分と合わせて、残り約100万ポイントが残っている。
サフィラ様が超絶美人なのは間違いない。
だが――正直、たまには別の女ともやりたくなる。
となると、手っ取り早いのは、やはり。
「俺の《魔具創造》がついにレベルMAXまで行ったぞ。どうする? その剣の強化もしてやれるが」
朝の稽古を終え、水を飲んで一息ついたところで、オフィーリアをさりげなく唆す。
「お、おおっ!? 本当か!? ぜ、是非頼む!!」
「もちろん……分かってるよな?」
「また中出しさせればいいんだろ? たっぷりサービスもしてやるから」
「ああ。ただ――今回のレベルアップに使ったポイントは、お前と何十回やったところで到底足りない」
「え? だ、だったら一体……」
「そんな悲しそうな顔をするな。これからお前は俺が望む時、いつでもやらせろ。必要以上に求めるつもりはないから安心していい」
「……ほ、本当だろうな? 毎日は無理だぞ?」
「分かってる。たまにだから、たまに」
久々のオフィーリア。
サフィラ様と一緒に成長してきたその成果を少しだけ発揮できて、今までよりは多少長持ちした。
――さて、明日はイラーマのところにでも行ってみるか。
◆◆◆
平和で穏やか、エロにも満たされた生活。
だが、それが毎日続けば――さすがに飽きも来る。
俺は久しぶりに冒険へ出ることにした。
サフィラ様にそう切り出すと――
「……つまり、わたくしにはもう飽きたと?」
頬をぷくっと膨らませ、思いっきりふくれっ面をされた。
「い、いやいや! そんなこと一言も言ってないっす! とんでもないっすよ! 男ってのは、どうしても冒険心が滾る瞬間があるんすよ。ずっと同じ場所に留まれないっていうか……。飽きるとか、そんなのありえないっすから!」
「……本当ですか?」
「はい。もし何かあれば《精神感応》で呼んでくれればいいっすから。何を差し置いても、速攻で駆けつけますから」
「……分かりました。殿方の冒険心を縛るのは無粋なもの。よほどのことが無い限り、呼び出したりはいたしません。安心して行ってらして」
渋々ながらも、何とか了承を得ることができた。
◆◆◆
ギルドの掲示板の前まで来た俺は、依頼を確認する前に、改めて自分の現状を整理することにした。
まず回復系。
《回復魔法》と《状態異常回復魔法》――どちらもすでにレベルMAX。
怪我も病気も毒も呪いも全部治せる。多分、隙は無いはず。
攻撃面は《武術》と《氷属性魔法》。
これもカンスト済みだが、まだ種類が心もとない。
とりあえず、剣を一本買って《魔具創造》で魔改造すれば物理火力に関しては問題なくなる。
その他の便利枠は《瞬間移動》《無限収納》《精神感応》。
この三つがあれば冒険生活の細々とした不便は、ほぼ解決される。
必要な物があれば、《精神感応》使ってサフィラ様とかに用意してもらえばいいし。
となると、何だ?
取り急ぎ何が必要だ?
――あ、いくら回復できても瞬殺されたら意味ねーな。
そんなヤバい相手がいない保証はどこにもないしな。
俺はスマホを取り出し、スキルを確認。
「とりあえず、こいつらを上げとこう」
《物理攻撃耐性 Lv.1》――必要ポイントは5,000。
そこに一気に162,500ポイントを注ぎ込み、MAXまで上げきる。
続けて《魔法攻撃耐性 Lv.1》も同じくカンスト。
合計で33万ポイントが一瞬で吹き飛んだ。
だが、まだ残りは60万もある。
緊急で何か必要になっても対処可能だろう。
さてさて、何か良さげな依頼はないかなと、掲示板の上から順に眺めていると、Aランクの案件を見つけた。
場所は――朧ノ国。
……って、どこだよ。
依頼内容は討伐。
詳細は「委細面談にて」とだけ書かれている。
何だこれ……。
これじゃ、何も分からんだろ。
とりあえず、依頼書を剥がして受付カウンターまで持って行く。
「あ、すんません。これの詳細を知りたいんすけど」
「はい、ありがとうございます! えーっと、これは……」
俺が紙を渡すと、受付嬢は内容を確認しながら申し訳なさそうに言う。
「そうですね、依頼人に連絡しますので、また明日の昼頃にお越し頂けますか?」
「え、明日……? あー、しょうがないっすね。了解っす」
さっき、あんなカッコつけて冒険に行くとか言った手前、アルナ家に戻るのはちょっと気まずい。
――よし、久しぶりにティアナの家に行くか。
となれば、瞬間移動っと。
◆◆◆
ティアナの部屋に到着。
ちょうど着替え途中だった彼女は、半裸のまま固まり、次の瞬間――腰を抜かすほど驚きの声を上げる。
またかよ。
「おい、この前もこうやって来ただろ? いい加減慣れろよ」
「な、慣れるわけないでしょ!? しかも、何でまた、ちょうど着替えてる時に来るわけ??」
「いやいや、お前こそ、何でこんな昼過ぎに着替えてるんだよ」
「薬草を摘みに行ってたから汗かいたの!! あっち向いてて!!」
「はいはい」
少し待つと、ティアナはようやく着替えを終え、だるそうに伸びをして問いかける。
「で、今度は何の用なわけ?」
「ん? 明日からまた冒険に出ることにしたから、ちょっと挨拶しに」
「別に挨拶なんていらないけど?」
「まぁ、そんな冷たいこと言うなよ。最近どうだ?」
「何が?」
「お前にも『魔王の加護』が発動してるから、病気とか毒とかそういうのに対する耐性が上がったはず。あと、魔法攻撃とか物理攻撃にも」
「なんで、こんな平和な村でそんな物騒な攻撃を受けると思ったのよ……」
「それもそうか」
「あ、でも、この前――森を歩いてた時、後ろから猪に突進されたけど、どこも怪我しなかった」
「おお、ちゃんと役に立ってるじゃん」
「え? そう言えばさっき病気とか毒とかにも耐性が上がったって言ってなかった?」
「おう、レベルMAXまで上がったからな。殆どの毒や病気は無効になってる。このまま一生、健康に過ごせるぞ」
「そうなの? 『精神感応』と同じ原理?」
「だな」
ティアナは少し驚いたように目を丸くするが、すぐに「ふーん」と納得した様子だ。
「で、出発前にお前と一発やっておきたい」
「だから何でそうなるのよ……やるわけないでしょ、この変態親父」
「どうしてもだめ?」
「だめ」
「……そうか」
俺は心底がっかりした表情になっていたはず。
「て、てか何であたしにこだわるのよ? 街には可愛いコ一杯いるんでしょ? あんたが相手してもらえるとは思えないけど」
「……そうだな」
「分かったら帰って」
「……ああ、帰るよ」
これは、さすがに無理だ。
あきらめて帰ろうとしたが、ふと思い出した。
「そう言えば、召喚魔法の方は順調か?」
「ぼちぼちよ。ちょっと行き詰まってるけど……」
「何で呼び出さないんだよ。その為の『精神感応』だろ?」
「さすがに、この程度のことで呼び出すのは気が引けるし」
「遠慮すんなよ。お前の為なら、些細なことでも飛んでくるから」
「またまた、口ばっかり」
「いや、マジだから……。お前は俺の初めての相手だから、いつまでも特別なんだよ」
「……」
ティアナは少し押し黙り、視線を落としてから小さく息をつく。
「じゃ、じゃあ、ちょっと教えて」
「おう、任せろ」
――夜までみっちりと時間をかけて教えてやった。
ティアナは一つひとつの詠唱や動作を確認し、試すたびに少しずつ自信を深めていく。
その表情にも満足感が溢れていった。
「多分、今日でレベル4くらいまでには到達したな」
「そう? 最大でいくつあるの? 100じゃないわよね?」
「10だよ。もう、お前はそろそろ初心者卒業を名乗っていいかも」
「ホ、ホントに!?」
「ああ、マジで」
ティアナは目を輝かせ、嬉しそうな笑顔を見せた。
そして、何か言いかけて言葉を飲み込み、照れ隠しのように視線を逸らす。
「何だよ」
「だ、だから……いいわよ、今日しても」
「え?」
「な、何回も言わせないでよ!」
――今さらながら、ようやく心と心が繋がったのか、俺たちは普通に恋人のようなセッ〇スをした。
あの日以来のキスもしたし、俺の結構無茶なリクエストにも恥ずかしがりながら応えてくれた。
ティアナから貰えるポイントなんて、微々たるもの。
だから、そんなのは別にどうでもいい。
ただ、純粋に――ティアナは俺にとって特別な存在であることを再確認しただけだ。
サフィラ様には怒られそうだけど。
この夜の出来事の詳細は、ノクターンに連載中の
「 元・魔王の中年童貞のエロ日記 」
ep08. ティアナとの久しぶりの性交
にて公開してます。
宜しければ、そちらも読んで頂けると嬉しいです!




