第12話 火竜討伐②
俺とオフィーリアに用意された宿は、周囲の住居と同じく樹上に建てられた木造の家で、居間を中心に寝室や客間がいくつか並ぶ造り。
磨かれた床に木の温もりを感じる家具が揃い、窓からは森の緑と木漏れ日が差し込んでいる。静けさと落ち着きに包まれた空間だった。
「それで、さっきの話だけど――貴方が力を取り戻す条件とは?」
「聞かない方がいいぞ……」
イラーマが切り出すと、すかさずオフィーリアが忠告してくる。
「俺が相手を伴うエロ行為で発射すると、ポイントが貯まる。そのポイントでスキルと交換できるんだ」
「……はい? まったく意味が分からないのだけど」
まぁ当然の反応だろう。
百聞は一見にしかず、ってやつだ。
「見てろ」
俺は右手を亜空間に突っ込み、スマホを取り出す。
何もない場所から突如現れた不思議な物体に、イラーマの目が大きく見開かれる。
「これだ」
スキル一覧画面を表示させ、指でスクロールして見せる。
「……これは?」
「俺が魔界で獲得してきたスキルや魔法の一覧だ。エロいことをするとポイントが貯まり、好きなスキルと交換できる」
「…………」
イラーマは眉間にしわを寄せ、理解しようと必死に考え込む。
「濃厚なエロ行為ほど、高ポイントをゲットできる。例えばあんたと一回中出しセッ〇スをするだけで十万ポイント。氷魔法程度なら一気に極限レベルまで上げられる。嘘じゃないぞ? オフィーリアが証人だ」
イラーマの視線がオフィーリアへ向く。
オフィーリアは肩を竦めて答える。
「ああ、本当だ。さっきの《無限収納》ってスキルも、あたしとヤッたことで取り戻してる」
「へぇ……貴方たちはそういう関係なのね?」
「ち、違う! 勘違いするな!」
オフィーリアは真っ赤になって叫ぶ。
「こんな中年太り、全然あたしのタイプじゃない! し、仕方なくヤッただけだ!!」
イラーマはふむふむと頷き、俺に向き直る。
「理解したわ。でも、初対面で中に出させるほど、わたしの貞操観念は狂ってないの。それ未満の行為でもポイントは稼げるのでしょう?」
「まぁな。ただ、精力の回復には時間がかかる。一刻を争うなら、一度で高ポイントを稼いだ方が効率はいい」
「……氷魔法を極めるには何ポイント必要なの?」
「32,500だ。ただし、同じ相手の同じ行為は次回以降、獲得ポイントが目減りしていくシステムになってる。単純計算はできない」
「なるほど、仕組みは理解したわ。――ちょっと試させて。オフィーリア、彼を借りるわね?」
「ああ、好きにしてくれ」
俺はイラーマに手を引かれ、寝室へと連れ込まれた。
「森で会った時にも言ったでしょう? わたし、貴方みたいな悪い男に惹かれちゃうの。だから、別にしてもいいんだけど」
「俺は全然、悪い男じゃないと思うけど……」
「性格の面だけ見れば、そうかもしれないわね。でも、わたしが感じているあなたの悪さはもっと根源的な部分。魂の奥で感じてるような。――魔界の王なんだから、悪の極限そのもの、ってところかしら」
そう言いながら、イラーマは俺をベッドに押し倒し、ズボンの上から股間を擦ってくる。
みるみるおっきくなっていく。
「本当に竜を退治出来たら、させてあげる。これは、手付金のようなものと思ってちょうだい」
イラーマは俺の下半身を丸出しにさせ、ダイレクトに触りながら、耳元でささやいてきた。
「ね? どうしてほしい?」
一週間分が溜まってるから、速攻でギンギンになる。
俺は息も絶え絶えに、何とか言葉を絞り出す。
「キ、キスしながら、手で優しく……」
「ふふっ、魔王様ともあろうお方が可愛い」
イラーマはゆっくりと俺に顔を寄せ、唇を重ねる。
最初はそっと触れるだけの優しい口づけだったが、やがて熱を帯び、舌を絡め合う激しいものへと変わっていった。
右手は俺のものを優しくしごいている。
――な、なんだ、これ?
快感の波が押し寄せ、頭がクラクラしてくる。
そして、そのまますぐに果てた。
「――今ので、何ポイントかしら?」
余韻に浸る間もなく、俺はスマホを取り出し確認する。
「18,000だな。もう一回同じことしても足りるかは分からない」
……いや、冷静に計算すれば次は16,200ポイントのはずだから足りるか?
まぁいい、黙っとこう。
このシステムは俺しか知らんし。
「そう。じゃ夜のお楽しみってことね」
そう言い残すと、イラーマはベッドから起き上がり、寝室を後にする。
残された俺は発射した直後だというのに、賢者タイムに突入することなく、今の濃厚なキスの感触と、口の中に残る、エルフ特有なのか、その甘い唾液の味を噛みしめる。
――そう言えば、キスなんてティアナと一回やっただけだしな。
中出しより経験少ないってどんなだよ。
その晩。
再びやってきたイラーマに対し、俺は口の中に発射した。
さっき一回出したから、ある程度持つかなと高をくくっていたが、全くそんなわけはなく、俺のものに蛇のように絡みつくその舌使いに成す術もなかったのだった。
「じゃ、出発は明日ね。期待してるわ」
イラーマはゴクリと呑み込んだ後、ティッシュで口元をそっと拭うと、そのまま窓を開け、夜の闇へと姿を消した。
獲得ポイントは30,000だった。
残された部屋には、まだ彼女の気配と月明かりだけが淡く漂っていた。
この日の出来事の詳細は、ノクターンに連載中の
「 元・魔王の中年童貞のエロ日記 」
ep03. エロドの森のエルフ、イラーマの手と口でイカされた日
にて公開してます。
宜しければ、そちらも読んで頂けると嬉しいです!




