魔術師(2)
そう、あいつに出会ったのはすごく晴れた日だった。
昔、レオと私と先生で住んでいた迷いの森の奥深くのログハウスに先生がボロい少年を魔法の縄でグルグル巻きにしながら担いで連れてきた。
すす汚れか多分元の色は違うのだろうが、どんな色か識別できないぼど汚れた伸びっぱなしの髪、身体中は傷だらけで折れそうなほど細い。
何より伸びっぱなしの前髪から覗く、この世の全てを憎んでますというようなこいつの眼差しが、こいつの過去を悠々と語っていた。
「アネモネ、レオ。
こいつが次期魔術師だ。」
「ムー!ムー!!」
「あれ?あんた喋れなくされてんの?」
少年はよく見れば口が縫い付けられたようにくっついていた。
「あぁ。
このクソガキ助けてやったオレ様にかみつこうのしてなぁ。
コイツ捕まえてたやつに見つかっても面倒だし一時的に黙らせた。」
「へぇー。」
「ムー!!」
グルグルにされて身動きが取れない、口も塞がれているイコール反撃されないと見た私は頬つつく。
「アネモネ!つついたらだめだよぉ!」
「もぉー!レオったら、そんなメソメソしないの!
あなたの役目は私を護ることでしょ!」
ほんとにこんな泣き虫で私を守れるのかしら、ていうか逆じゃないこれ?
私聖騎士の方が向いてる……?
レオは可愛い、お淑やか、弱々しい。
レオの方が聖女の方がよくない?
一見女の子みたいだよ。
絶対いつか女装させよ。
「アネモネ、いらん事考えるなよ。
すごい悪役みたいな顔をしてるぞ。
やるなら俺を巻き込むなよ!」
「ひっどーい。先生!
ただレオが聖女で私が聖騎士だったらピッタリなのにって思っただけよ!」
「無理だろ。レオはわかるとして、お前は聖女でも聖騎士でもなく魔王がピッタリだ。」
「僕は聖女じゃなくて、聖騎士だよ!
アネモネは僕が守るのぉー!」
「ムー!!ムー!!」
おっと話がズレてたわ。
こいつどうするかな。




