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第12話 2つの個人的な話

何か気になる点があれば感想にどうぞ!

女店主がじーっとウェインを見る。


「それで〜?私に個人的な話って何〜?まさか今から口説かれるのかしら!?」キャー


「?なぜそうなる」


「あ!そうねあなたにはあの子がいるものね!」


「?何を言っているか分からないがとりあえず話を早くして良いか?」


「あーはい。そういうタイプね。ふぅん…で?話って何?」


「聞きたいことが二つある。まず一つ目、守護者、アルディア・シクシスについて詳しく知りたい」


「なんでアルディアさんのこと知りたいの?」


「少し気になるところがあるからだ」


「その気になることって何?」


「まず、なぜこの町をほぼ1人でを守っているのかだ」

「他の町から騎士を派遣してもらった方が町の安全性も上がり、負担も減ると思うのだが」


ウェインがそう言うと女店主がため息を出しながら言う。


「私もそう思うんだけどアルディアさんね、結構前からこの町にいるのよ。実際に私が子供の頃からすでにいるわけだし?そのせいか知らないけどアルディアさんに長い間守られている人たち、老人やおっさん連中が

『アルディア様さえいれば町の安全は確実じゃ!他の町の騎士など必要ないだろう』

ってな感じで町の防御面はアルディアさんにしか頼らないのよ」

「壁も移住者の家を建てるために邪魔だからってかなり前にぜーんぶ撤去しちゃうしほんとアルディアさんがいなくなったらどうなるんだかこの町は」


「長年町を守ってきているという確固たる信頼と大勢の移住者…それがこの町の防御面の脆弱さを形成しているわけか」


「そうね…アルディアさん年も結構いってるのに筋肉ムキムキだし馬鹿みたいに強いし、駆けつけるのも速くて何か危害を加えられる前に対処しちゃうのよねー。結果的にアルディアさんが町に来てからモンスターによる被害は0!だから町に騎士はいらないと言われても頷けちゃうのよね」


「そこだ。駆けつけるのが速い。速すぎるのだ。その理由を知っているか?」


「その理由?」


「やつが…アルディアが町にきてからモンスターによる町の被害は0…モンスターに危害を加えられる前に対処をする…おかしくはないか?まずどの方向から来たかなぜ気づけるのだ?」

「町は広い、現地に到着するのも速すぎる。しかも本人は年をとっている。なぜそんなに速く駆けつけられる?」


「駆けつけるのが速い理由は魔道具による補助のおかげよ」


「魔道具か?」


「足に風の魔石を埋め込んだブーツを履いていて、その影響でいつも駆けつけるのが速いのよ。もうすごいんだから!年とってるのにそれを感じさせない動きでいきなりどびゅんとジャンプで飛んでいっちゃうんだもの!」


「モンスターが来たことにいち早く気づける理由は?」


「んーそれは知らないわね。悲鳴が上がった時にはすでに現地に向かっているからよく分からないわ」


「そうか…」

「住んでいるところはどこか分かるか?」


「町の中央の大きな家に住んでいるわ…」

「てか何でそんなにアルディアさんのことを聞くのよ?ほんとにただ気になるだけ?」


「そうだ。なぜ長年この町を守り続けているのか…少し気になっただけだ」

この町(サンセルト)のことを本に書くにあたって絶対外せん人物のようだからな。情報はいくらあってもいい)


「ふぅん…聞きたいことが二つあるって言ってたけども一つのはなんなのよ?」


「2つ目は…」


ウェインはそういう時アクセサリーがたくさん置いてあるところに歩いていく。


「……何か実用的なアクセサリーはないか?」


「アクセサリー?どんなデザインのやつが好みかしら?」


「…分からない」


「分からない?自分用のじゃないの?」


「エリシア…さっきの子に渡す用のやつだ」


それを聞くと女店主は満面の笑みでウェインのところに歩いていく。


「へぇ?あの子にあげるやつなのね?」


「ああ、金はあまりないが何か彼女に買ってやりたいと思っただけだ」

「俺も彼女に命を救われている、そのお礼をまだしきれていない」


「律儀ね〜女の子にあげるアクセサリーなら指輪とかネックレスとかがベターだけど?」


「ならそれで良い」


「彼女の役職は?」


「冒険者だ」


「違う違う。剣士とか魔法使いとかあるじゃない」


「そういうことか。彼女は神聖魔法を使う神官だ」


「神官ねぇ…魔法を使うならこのネックレスなんかどうかしら?魔力量を少し増やしてくれる魔石が埋め込まれてる品物よ」


「魔力量を増やす魔石…値段は高いのか?」


「いや別に?属性がついてる魔石は貴重で高いけど魔力量を増やす魔石はそんなに高価ではないのよ?魔石で増やせる魔力量には限界があるしなんならたくさん採れるらしいし。ちなみにこれは2000ルミナ」


「そうなのか。ならをそれを買おう」


「まいどありー!箱に入れさせてもらうわね!」


そう言って女店主は細長く小さい箱にネックレスを丁寧に入れていく。


「値下げといい、個人的な話といい、なにかとすまないな」


「別に良いのよ!私の商売をしていく上でのモットーは誰にでも優しくフランクに!なの。その方が何かとスムーズに話が運ぶし…」

「常連さんになってくれる可能性も上がるでしょ?」


女店主がネックレスの入った箱を渡しながらニヒヒと笑う。


「商売上手なのだな。またいつかこの町に来たらもっと高額な物を買わせてもらうとしよう」


そうウェインは代金の2000ルミナを払いながら答える。


「ほんと!?何買わせるか来るまでに考えとくわ!」


「変な物ではないと良いがな…ではまた」


そう言ってウェインは道具屋の外と向かっていく。


「また2人できてねー!」


女店主の方をチラリと見てから店を出る。


店の外に出てとりあえず歩く。


「…これを渡すのは明日でいいか」


そう言って宿屋の方向へ向かうのであった。

詳しく知りたい方に


・魔力量を増やす魔石:魔石にはいろいろな種類があり、その一つ。加工し装備することによって魔力量を少し増やすことのできる。増える量には限界がある。

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