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勇者の恩恵

《剣術Vを獲得。剣使用時に補正がかかります。》

《弓術Vを獲得。弓使用時に補正がかかります。》

《槍術Vを獲得。槍使用時に補正がかかります。》

《武器スキルVを3つ習得を確認、条件を満たした為上級スキル武器術へと変換します。武器に指定なく補正がかかります。》


《物理耐性Vを獲得。物理攻撃の耐性が高くなります。》

《魔法耐性Vを獲得。魔法攻撃の耐性が高くなります。》

《状態異常耐性Vを獲得。精神攻撃の耐性が高くなります。》

《耐性スキルVを3つ習得を確認、条件を満たした為上級スキルダメージ耐性へと変換します。あらゆるダメージへの耐性をつけ、状態異常を無効化します。》


《神速を獲得。行動速度を大幅にあげることができます。》


《騎乗術Vを獲得。乗り物への適正に補正がかかります。》


《獣化を獲得。特定の猫になれます。》


《人化を獲得。特定の人の姿になることができます。》


《勇者召喚を獲得。1日に1度だけ勇者の魂を呼び戻し勇者と同等の力をもつ精霊を召喚します。》


わーお。これが勇者の恩恵。勇者の経験を引き継ぐとはこういうことだったのか。めちゃくちゃレベルアップしてる。某すぐ逃げるメタルなスライムを倒した時みたいだ。


「いろいろスキルを獲得したみたいだ。リオンのおかげだな......なんだかズルしてるみたいで気が引ける」


正直こんなに急にレベルアップして体がついていけるのだろうか。それに久しぶりの人の姿だ。慣れていかないと。


「どこかで体を慣らしたい。にゃんまる、どこかいい所はあるか?」


にゃんまるは少し考えるように顎に手をもっていく。


「では、ここの地下を使いましょう。その前にまずは服を、着ましょう。リセラ、準備をお願いします」


そう言われて自分の体を確認すると、なんと全裸だった。それもそうか、今までただの猫だったのだ、にゃんまるやジルバのように服を着ている訳では無かった。人になったらそりゃ全裸だよね。

その様子を見ていたリセラはこちらを見て下から上へ視線を走らせる。


「サイズを把握しました。少々お待ちください」


リセラの目の奥が少し光った気がする。なにかスイッチが入ったのだろうか。優雅に部屋を出ていく。

見ただけでサイズが分かるとは本当に優秀である。

暫くするとリセラがその手に服をもってもどってきた。


「主様、こちらをお召いただきます。お手伝いしますのでこちらへ」


誰かに服を着せてもらうのは恥ずかしいが有無を言わさぬその瞳に素直について行く。隣の部屋へ入るとそこはシンプルな家具が揃う部屋だった。


「ここは主様のお部屋です。どうぞお好きなようにお使いください。早速ですがお着替えを」


そういうとあっという間に脱がされ、いつの間にか新しい衣装に身を包んでいた。リセラさんすごい。

速すぎて俺でも見逃しちゃいました。


服装確認すると、身に纏う戦闘服は、漆黒を基調とした機能美を備えたデザインだった。

体に密着する薄手のシャツは、動きやすさを最優先にしたものだ。伸縮性に優れ、汗を逃す素材で作られているそれは、俊敏さを引き出すために存在している。袖は肘までの長さで、手首から先の自由を確保している。その上に重ねるのは、黒革のジャケット。肩や胸部には薄い金属プレートが仕込まれ、攻撃を受けても衝撃を軽減する設計だ。シンプルながらも左肩には小さな猫の紋章が刻まれ、猫のアイデンティティを象徴している。


下半身は、黒いハイブリッドパンツで包まれている。太ももから膝にかけては柔軟な布素材で作られ、膝下には軽量な防護が施されていた。右腿にはポケットが付いており、戦闘中にすぐ使える道具が収納されている。足元を覆うのは黒革のハーフブーツ。柔らかな靴底は静かな足音を生み出し、つま先部分の鋼鉄補強は攻撃にも耐える仕様だった。


さらに、腰には多機能ベルトが巻かれていた。そこにはポーションやナイフが収納されており、いざという時の備えが整っている。特筆すべきはバックル部分で、そこには勇者の魂が込められたネックレス「ブレイブハート」を模したデザインが刻まれていた。その光沢が黒い服装にアクセントを加えている。


手には黒い指ぬきの革手袋。指先が空いていることで、鋭い爪をそのまま戦闘に活用できる構造だ。一方で手の甲部分には軽い金属板が仕込まれ、防御力も忘れていない。


時折背中に羽織るショートマントは、移動時の防寒や威厳を示すものだ。黒い生地が動きに合わせて揺れるたび、まるで影そのものが踊っているように見えた。


その装いは無駄が一切なく、俊敏さと獣人としての力強さを引き立てている。黒の衣服に浮かぶ鋭い瞳、耳の尖り、そして揺れる尾が、存在を際立たせた。


服に感動しているとノックが聞こえた。


「主様、お召し物はいかがでしょうか。入ってもよろしいでしょうか」


許可を出すとヴァルターが失礼します、と入ってきた。


「とてもお似合いでございます主様。にゃんまる様より言伝を預かっております。準備が出来たら地下に来て欲しいとのことです。ご案内しますので私についてきてください」


「わかりました。リセラさんありがとうございます」


リセラは小さく礼をする。その姿もとても優雅で美しい。


「とんでもございません。それと私の事はリセラと、呼び捨てで構いません。お気をつけていってらっしゃいませ」


部屋を後にし、ヴァルターについて行く。

重厚な木製の扉が、屋敷の廊下の一角にひっそりと佇んでいた。何気ない装飾が施されたその扉は、一見すると他の部屋と変わらない。しかし、開け放たれると、そこには異なる世界への入口が待っていた。


扉の向こうには、暗がりへと続く石造りの階段が現れる。冷たい空気が下から上がってきて、鼻腔をくすぐる。湿った土と石の匂いが混じり、地下へと誘うようだ。階段の両脇には古びたランタンが取り付けられており、揺れる明かりが壁に淡い影を作り出している。その光は心許ないが、先へと進む者の足元をかろうじて照らしていた。


慎重に階段を一歩ずつ下りていく。靴底が石の階段を踏むたび、微かな音が静寂の中に響く。冷えた手すりに触れると、鉄の冷たさが手のひらを刺した。階段を下りるたびに、空気が徐々にひんやりとしていくのを感じる。上層の屋敷とは異なる、地下独特の重苦しい雰囲気がそこにはあった。


やがて階段の終わりが見え、暗闇の中に広がる広間が姿を現した。天井は低く、石壁が四方を囲む。ランタンの光がぼんやりと広間を照らし出し、壁面には古い装飾や文様が刻まれている。中央には古びた石のテーブルと椅子が置かれ、その上には古書や地図が無造作に広げられていた。


広間の奥にはさらに下へと続く道が見える。そこは他の何かへ繋がる場所であることを示していた。一瞬、立ち止まり、深い息を吸い込む。そして、静かにその奥へと足を進めた。


地下の空間が、さらなる空間へと繋がる。円形の構造が特徴的で、外壁は古びた石造り。その表面には無数の戦いの痕跡が刻まれ、年月を経た風合いが威圧感を漂わせている。そこに1匹のネコマタ。


「ヴァルターありがとうございます。主、ここはリオンと私がかつて修行した場所。ここならどんなに暴れても壁を壊すことがありません。全力で戦えます」


どうやらすごいところらしい。屋敷の地下にこんなところがあったとは、まったく想像できなかった。


「ヴァルターさん、ありがとうございます」


「お安い御用です。にゃんまる様、主様、お気をつけて」


ヴァルターは静かに礼をすると、壁際まで下がる。

さあ、自分の実力を確認だ。

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