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強くなる為に 8

翌朝、冷たい風が吹き抜ける修行場に立っていた。夜通しの練習で体は疲れていたが、心は燃えていた。さらなる練習が必要だった。


シェリルは、前に立ちながら口を開く。


「昨日の成果は悪くなかった。だが、まだ力を制御しきれていない。次は、攻撃を吸収するだけでなく、それを解放する段階に進む」


拳を握りしめ、頷いた。


「吸収した攻撃を、相手に返す…だよな」


シェリルは冷静に頷くと、手元にエネルギーを集め始めた。青白い光が彼女の拳に宿り、激しい気配が周囲を包み込む。


「まずはこれを受け止めてみろ。そして、自分の影の中で力を循環させるんだ。影の力を信じろ。それがお前の武器になる」


シェリルが放ったエネルギー弾が襲う。すぐに猫影潜行を発動し、影の中に身を潜めた。エネルギー弾が影に接触する瞬間、影を意識的に操作し、それを包み込むように飲み込む。


「来い…!」


エネルギーが影の中で弾け、その強大な力を感じる。だが、それをそのまま放つことはまだできない。影の中でエネルギーが暴れ、解放される隙を探しているようだった。


「もっと影を安定させろ!」


シェリルの声が響く。冷静さを取り戻し、影を自分の意志で制御し始めた。影の中のエネルギーが徐々に収まり、安定していく。


「いける…!」


影を操り、エネルギーを一気に放出した。青白い光が影から弾き返され、シェリルへ向かって一直線に飛んでいく。


シェリルは素早く動き、それを回避する。


「ようやく形になったな。ただ、まだ力が粗い。反撃の精度を上げろ」


息を切らしながらも、笑みを浮かべた。


その後もシェリルの指導を受けながら、影の中でエネルギーを扱う精度を高めていった。影を自在に操り、攻撃を吸収し、それを反撃に利用する。その技術は、確実に進化していく。


数日後、ついに猫影幽牢を完全に使いこなせるようになった。


影が周囲に揺らめき、まるで忠実な従者のようにその動きを追従していた。


猫影幽牢が完成に近づき、次なる課題に挑むことになった。それは、反射した攻撃をさらに強化し、威力を倍加させる技術だった。


シェリルは修行場の中央に立ち、見据える。


「お前は吸収と反射を覚えた。しかし、それだけでは不十分だ。真に使える力にするには、相手の攻撃を超える力を持たなければならない。」


黙って頷き、拳を握りしめる。


「どうやればいい?」


シェリルは指を一本立て、冷静に答える。


「影は力を増幅する媒体にもなる。お前の集中力と体力、それに影の性質を最大限に利用するんだ。力を吸収した影を圧縮し、それを放つ瞬間にエネルギーを解き放てば、威力は倍になる。」


シェリルは再びエネルギーを放ち、向けて強力な衝撃波を打ち出した。


「これを反射してみろ。ただし、威力を倍にして返すことを目指せ」


猫影幽牢を発動し、影の中に身を潜める。その衝撃波は影に吸収され、一瞬の静寂が訪れる。


「次だ…!」


影を圧縮し、吸収したエネルギーを小さな球体のようにまとめた。影の中で圧縮されるエネルギーは不安定で、暴れるように震えている。


「落ち着け…影は自身の力だ」


影の制御に集中し、徐々に圧縮を完成させる。そして、そのエネルギーを一気に解放した。


「行け!」


影から放たれたエネルギーは、衝撃波となってシェリルに向かう。しかし、シェリルはその衝撃波を片手で受け止めた。


「惜しい。確かに威力は増しているが、まだ十分ではない。もっと集中しろ。影を自分の一部だと思え」


シェリルの助言を受け、再び挑戦を続けた。影の中でエネルギーを圧縮し、さらに自分の魔力を融合させることで力を増幅させる。


数時間の試行錯誤の末、ついに影は完全に安定し、圧縮されたエネルギーが黒い光を放ち始めた。


「これなら…!」


再びエネルギーを解放した。黒い光が爆発的に広がり、シェリルの放った攻撃の数倍の力で彼女に向かう。


シェリルはその衝撃波を受け止めず躱し。


「やったな。今のは確かに私の攻撃を超えていた」


汗を拭いながらも、自信に満ちた笑みを浮かべた。


「やった!」


シェリルは腕を組みながら頷いた。


「これでお前は基礎を超えた。だが、まだ応用の余地がある。これからの戦いで、この技をさらに磨け。真の力を手に入れる」


その言葉に力強く頷き、修行を続ける意志を新たにした。シェリルは新たな課題を与える。


「猫影幽牢は強力だが、そのままでは機動力に欠ける。影を移動させ、好きな場所に設置できれば、お前の戦闘はさらに進化する」


興味を示しながらも困惑した表情を浮かべた。


「影を動かすってどうやるんだ?影って基本的に固定されたものじゃないのか?」


シェリルは微笑みながら説明を続けた。


「影は光と対象物が作り出すものだ。しかし、魔力を使えば影を実体化し、対象物から切り離すことができる。それを操れるようになれば、影の自由操縦が可能になる。」


シェリルはまず、影を実体化させる練習を指導する。


「まずは自分の影を観察しろ。自分の体と影の感覚をリンクさせるんだ」


地面に映る自分の影に集中する。影が微かに揺れるのを感じ取り、魔力を注ぎ込む。


「影を引き剥がすように意識するんだ。それはお前の一部だが、独立した存在にもなれる。」


何度も試行錯誤を繰り返し、ついに影が薄い霧のように立ち上がる。実体化した影が手元で揺れ動く。


「これが…影の実体化か」


シェリルは頷きながら指摘する。


「ここまでは基礎だ。本番はここからだぞ。」


次のステップは、実体化した影を遠隔で動かすことだ。


「影を動かすには、自分の意識を影に乗せる感覚が必要だ。影はお前の分身だと思え」


実体化した影を見つめながら集中する。影に向かって手を伸ばすと、それがふわりと動き出した。


「いいぞ、その調子だ。ただし、動かすだけじゃ不十分だ。影を相手の攻撃に割り込ませたり、攻撃の起点として利用しろ」


シェリルが小さな石を投げる。それを見て影を動かし、石の進路に割り込ませることで衝撃を吸収させた。


「やった…!」


「まだまだこれからだ。影をもっと素早く、正確に動かせるようになれ」


最終段階では、複数の影を同時に操る訓練に入る。

シェリルが次々と攻撃を仕掛けてくる中、影を使って防御し、反撃の準備を整える。影を二つ、三つと作り出し、それぞれ別々の動きをさせることで戦術を立体的に展開する。


「これが影の自由操縦…!」


影を自在に操る感覚を掴み、ついに修行の最終段階を迎える準備を整えた。


シェリルは満足げに頷きながら言う。


「影を完全に操れるようになれば、お前は新たな戦闘スタイルを手に入れる。それはお前自身の力だ」


決意を込めてシェリルを見据えた。


「ありがとう、シェリル。必ずこの力を自分のものにする」


シェリルは頷くとニヤリと笑う。


「よろしい、さあ、最終試験といこうか」


遂に最終試験!

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