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遺跡探検

長い階段を下り、ついに厳かな雰囲気の大広間に足を踏み入れた。壁には古代の文字や竜の彫刻が施され、天井には星空を思わせる光が散りばめられている。その中央には、青い光を放つ祭壇が鎮座していた。


「ここが遺跡の核心部だな……」


周囲を見回しながら、慎重に祭壇へと近づく。


「主、嫌な気配がします。警戒してください」


にゃんまるが耳を動かし、警告する。


祭壇には漆黒の装飾が施された革のベルトが置かれていた。ベルトの中央には、竜の目を模した宝石がはめ込まれ、不気味なほどの輝きを放っている。その瞬間、部屋全体が震え、周囲の壁から黒い霧が溢れ出した。


「やっぱり簡単には手に入らないか」


愛用のダガー「フェリスタル」を構え、祭壇を守るように立ち塞がる竜影に挑むが、その素早い動きに翻弄される。


「主、この敵には別のアプローチが必要です。この場にある装備を試してみては?」


にゃんまるの言葉に、祭壇に目を向けた。


「装備って……このベルトか?」


黒霧を掻き分けながら、祭壇の上に手を伸ばし、ベルトを掴むと、それは瞬時に彼の腰に装着された。


装着した途端、ベルトが青い光を放ち、主人公の身体に竜の魔力が流れ込むような感覚が広がった。その瞬間、頭の中に澄んだ声が響くように新たな情報が浮かび上がる。


《 鑑定を獲得しました 》


《 対象の詳細情報が可視化されます 》


「……鑑定スキル?」


驚きながら、目の前のベルトを改めて鑑定することにした。


「鑑定!」


ベルトが青白い光を放つと、視界に鮮明な文字とイメージが浮かび上がった。


竜護のベルト


ランク: 神秘級

属性: 竜の加護


効果詳細


1. 竜の加護(防御強化)

竜の鱗を模した魔法障壁を纏い、物理・魔法攻撃を軽減する。



2. 竜視(解析能力)

戦闘中、対象の動きや弱点が視覚化され、攻撃の予兆を見切ることが可能になる。



3. 竜気放出(攻撃強化)

装備中、武器に竜の魔力が付与される。竜のエネルギーを纏った斬撃は特に魔物に対して効果的で、追加の雷属性ダメージを与える。



4. 竜の絆(竜種との共鳴)

竜種の感情や意思がより鮮明に伝わり、意思疎通や信頼関係が深まる。



5. 鑑定スキルの進化

装備者の鑑定スキルが自動的にレベルアップする。これにより、魔法道具や敵の詳細な能力が視覚的に確認可能になる。


「すげえ……ここまで細かく分かるなんて


ベルトの力に感嘆しながら、目の前の竜影にも鑑定を試みた。


「鑑定!」


竜影の体が青白い光に包まれ、胸部に浮かび上がるのは明確な弱点だった。


「名前:影竜の幻影」

「特徴:竜の魔力で作られた防御膜」

「弱点:心核部分(胸部)」


「よし、分かった!」


竜影の素早い攻撃をかわしながら、主人公はフェリスタルに竜気を纏わせ、一気に胸部を狙った。その一撃が決まると、影竜は霧と共に消滅し、静寂が広がる。


「さすがですね、主。これでさらに強くなれます」


にゃんまるが満足げに微笑む。


「鑑定スキルの進化、竜護のベルト……どんどん面白くなってきたな」


腰のベルトを見つめ、新たな力を手に入れた充実感を噛みしめていた。さすが遺跡、遺跡といえばお宝。いいものを手に入れた!



「さて、この遺跡の探索も一区切りだな」


腰に手を当て、周囲を見渡した。竜護のベルトから放たれる微かな竜気が、どこか守られているような安心感を与えている。


「主、次の目的地を考える前に、一度休憩を取ったほうが良さそうです」


にゃんまるは隣に歩み寄り、毛繕いをするように前足をぺろりと舐めた。


「戦闘で魔力も使いましたし、この遺跡自体、少し疲れる場所ですからね」


「確かにな……」


軽く息を吐き、祭壇の周囲をもう一度見回す。「でも、こういう場所に来ると、もっと何か隠されてる気がするんだよな。」


「おや、そういう勘は侮れませんね。主の直感には、よく驚かされますから」


にゃんまるは小さく笑う。


「それにしても、このベルトはただの装備品以上に重要な意味を持ちそうですね。竜護……という名前も、何やら重大な秘密を秘めているように思えます」


にゃんまるの言葉に頷きながら、出口へと足を進めた。だが、その矢先、広間の奥で微かな光が瞬いた。


「……今の、見たか?」


警戒しながら足を止めた。


「ええ、確認しましょう」


にゃんまるが言うと、二人は慎重にその光の源へと近づいていった。そこには、小さな竜の彫刻が置かれていた。彫刻の中央には何かを差し込めそうな穴があり、周囲には古代文字が刻まれている。


「何かの仕掛けか? それとも……」


腰に手を伸ばし、竜爪の結晶片の残りがあればと思ったが、すでにそれはアークとの共鳴で使い果たしていたことを思い出す。


「どうやら、この謎は後回しになりそうですね」


にゃんまるは目を細めた。


「でも、主。これを覚えておきましょう。遺跡がもう一つの鍵を隠している可能性もあります」


彫刻の形を目に焼き付け、深く頷いた。


「分かった。また戻ってこよう。きっと、この竜護のベルトとも何か関係があるはずだ」


遺跡を抜けると、すでに夕暮れが辺りを包み込んでいた。赤い空に浮かぶ雲が、どこか不思議な静けさを感じさせる。


「今日も大冒険だったな……」


しみじみと呟き、遠くに広がる大地を眺める。


「主、この冒険が終わりではなく、次への道を開くものだとしたら?」


にゃんまるは柔らかな声で言いながら、隣に座った。


「この遺跡で手に入れた竜護のベルト、そして鑑定スキルの進化――これがどんな未来を切り開くか、楽しみです」


「そうだな……俺も、もっと強くなれる気がしてるよ」


にやりと笑い、腰に装着されたベルトを確かめた。


「でも、まずは次の町で宿でも探そう。少し休みたい」


「それには賛成です」


にゃんまるは軽やかに跳び、主人公の肩に再び乗る。


「さて、行きましょうか。次の目的地が、私たちを待っています」


そして二人は、輝く夕日を背に新たな冒険の一歩を踏み出した。


交易市へ向かう道中、広がる草原で足を止めていた。沈みゆく太陽の光が二人の影を長く伸ばしている。


「なあ、にゃんまる」


ふと立ち止まり、にゃんまるを見る。


「お前が転生して、この世界で俺とまた会うまで……どれくらい経ったんだ?」


にゃんまるは一瞬だけ沈黙し、目を細めた。


「……数百年は経っていますね。正確な年数は覚えていませんが、長い時間が流れていました」


「そんなにか……」


草原を眺めながら、感慨深そうに呟いた。


「俺にとっては、一瞬だった気がする。でも、お前は……一人で、ずっとこの世界を生きてきたんだよな。」


「ええ、ですが寂しくはありませんでしたよ」


にゃんまるは、目の前に来る。


「主と過ごした時間が、私を強くしてくれました。そして、この世界には新しい仲間もできました。リオンとも出会いましたしね」


「リオンか。そういや、聞いたことある名前だな……その勇者と一緒に世界を救ったってやつだろ?」


「はい」


にゃんまるは誇らしげに胸を張り、しっぽを揺らした。


「ですが、私にとって一番大切だったのは、主と再び巡り会える日が来るという希望でした。その希望だけが、私を支えてくれたんです」


静かに目を伏せた。


「……俺は、何もしてやれなかったけどな。」


「いいえ、主が今ここにいる。それだけで十分です」


にゃんまるはそっと手に頭を寄せた。


「これからも共に歩いていきましょう。この世界で、そして新たな冒険の中で」


小さく笑い、にゃんまるの頭を撫でた。


「ああ、これからはずっと一緒だ。」


夕陽の光の中、二人の絆が再び強く結ばれるように、静かな時間が流れていった。

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