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にゃんまるのファンとバトルジャンキー

ある日のこと、アレクサンダーが挑戦してきたのは、突然だった。彼は警備団の若い隊員で、にゃんまるの熱狂的なファンでもある。彼がいかににゃんまるを崇拝しているかはよく知っていた。


「お前がにゃんまると一緒にいるからって、あんなに偉そうにしているのが気に入らない」


アレクサンダーの目は鋭く、挑戦的な笑みを浮かべていた。淡々と見つめる。その背後には、にゃんまるが小さく首をかしげているのが見える。特に気にせず、冷静に答えた。


「何か言いたいことがあるのか?」


「お前が弱いからだよ」


アレクサンダーの声には、確かな自信と高慢さが滲んでいた。


「だから、決闘を申し込む。警備団の訓練所で、勝った者が全てを持つとしよう」


にゃんまるは肩に軽く触れ、少しだけ楽しそうに見守っていた。


「主、どうしますか?」


「大丈夫だよ」


にゃんまるに微笑んで答え、その後、アレクサンダーを見据える。


「決闘を受けて立つよ」


訓練所には、警備団の隊員たちが集まり始め、二人の対決に興奮した面々が見守る中で、戦いの準備が整っていった。訓練場の砂埃が舞い上がり、真剣勝負の緊張感が場を支配する。


アレクサンダーは手に剣を取り、早速構えを決めた。彼の動きは素早く、警備団でもその速さと力強さは一目置かれている。だが、その強さに動じることなく、しっかりと構える。ちなみに、武器は借りた長剣だ。


「いくぞ!」


アレクサンダーは鋭い一撃を放った。剣を一振りした瞬間、その剣先が眩しい光を放ち、向かって一直線に突進してくる。


だがその光に一瞬も反応せず、闇魔法を刃に込めてその剣を受け止めた。剣が接触した瞬間、周囲の空気がひときわ冷たくなる。闇の力でアレクサンダーの剣が重く感じ、力が抜けるように見えた。


「なんだ、これは…」


アレクサンダーは驚きの声を上げ、足を踏ん張るもその動きが止まる。冷静な目が、彼をじっと見据えながら告げる。


「君が思っているほど、僕は弱くないよ」


瞬間、素早くアレクサンダーの横に回り込み、彼の無防備な側面に一撃を加える。剣を斬りつける動作は流れるようで、アレクサンダーが何もできないうちにその体勢は崩れ、足元から転倒してしまった。


観衆が驚きとともに息を呑んだ。アレクサンダーは倒れたものの、無力感に苛まれながらも立ち上がる。


「くそ…こんなはずでは…」


息をつき、剣を腰に収めた。


「もう終わりにしよう」


アレクサンダーは、冷徹な態度とその強さに愕然としていた。彼の自尊心は完全に打ち砕かれたが、同時に彼はその実力に圧倒され、戦意を失っていた。


その場に集まった警備団の隊員たちは、実力に感服した。


「見事、そしてアレクサンダー、彼の本来の武器は長剣ではない。にもかかわらずこの有様だ。実力を見誤りすぎだ」


訓練所を見守っていた警備団の先輩隊員の一人が、感心しながら言った。アレクサンダーは悔しさで歯を食いしばる。


にゃんまるはそばに寄り、微笑みかける。


「主、お疲れさまです」


軽く頷き、アレクサンダーに手を差し伸べた。


「これからは、お互いに認め合おう」


アレクサンダーは一瞬戸惑うも、真摯な眼差しに何かを感じ取ったのか、やがてその手を握り返した。


「…分かった、次は負けない」


アレクサンダーが倒れた後、訓練所は一時的に静寂に包まれた。周囲の隊員たちは目を見開き、実力に驚きながらも、次第にその戦いぶりに感心している様子だった。にゃんまるも小さく誇らしげに微笑んでいる。


その瞬間、訓練所の扉が勢いよく開かれ、重い足音が響き渡る。周囲の隊員たちは、すぐに姿勢を正し、敬礼をし始めた。


「おおっ!どうした、みんな!」


その声は高らかで、力強く、堂々とした響きを持っていた。現れたのは警備団長、エルシア・ライトフォード。彼女は大きな身長と豪快な雰囲気を放ち、身に着けた鎧はどこか威厳を感じさせる。


エルシアは肩にかけたマントをひらりと翻し、じっと見つめてくる。


「ほう、こいつが新しい対戦相手か?」


と、ニヤリと笑いながら、目が輝いている。


少し驚きながらも、冷静にエルシアを見返した。


「あの…対戦相手って?」


「いや、いい戦いを見せてもらった!お前、すごいじゃねえか!」


エルシアはそのまま一歩踏み込むと、勢いよく大きな手で肩を叩いた。周りの隊員たちはその豪快さに一瞬驚いたが、すぐにエルシアの性格を理解して、納得の表情を浮かべた。


「新しい対戦相手を見つけると、どうしてもテンションが上がっちまうんだよな!」


エルシアは笑いながら大声で言った。その目は戦闘に対する興奮と、どこか子どものような無邪気さを感じさせるものだった。


「ちょっと待ってください!」


戸惑いながらも言った。


「団長、もしかして..…」


「そうだ、決闘だ!」


エルシアはすぐに声を上げ、周囲の警備団員たちも一斉に反応した。


「お前がこんなに強いなら、私もやってみたくなるだろう!どんな戦い方をするのか、見せてもらわねえとな!」


少し戸惑いながらも、エルシアの豪快な勢いに圧倒されていた。


「よし、決闘だ!場所はここだ、訓練所!さあ、かかってこい!」


エルシアは力強く拳を握りしめ、勢いよく剣を抜いた。


「お前の力、私が試してやる!」


その一瞬で、訓練所内の空気が変わった。警備団員たちが一斉にその場に集まり、熱気を帯びた視線を向けた。


にゃんまるも心配そうに肩に手を乗せ、憐れむように


「主、こうなっては逃げられません」


と呟いた。


その心配そうな顔に微笑み返し、構える姿勢を整えた。


「やるしかない」


エルシアは豪快な笑みを浮かべながら、まるで子どものようにテンションを上げていく。


「お前の実力、楽しみだな!私も全力で行くからな!」


そして、彼女は大剣を高く振り上げ、勢いよく切りかかってきた。剣で防御するもあっさり折れてしまった。


「まじかよ」


思わず呟く。


「そんなナマクラではつまらん!」


終わりかと思いきや攻撃が続く。その攻撃を避けるため、すぐに闇魔法で反応し、影の中に身を隠した。エルシアの一撃は空を切り、その隙間を縫って一歩踏み込み、フェリスタルを抜く。


「ふっ、そうでなくては!」


エルシアはその反応に驚きつつ、すぐに別の動きで追い詰めようとした。


その戦いの最中、エルシアはあくまで楽しむように、何度も戦いを続けた。彼女の攻撃は強力で、毎回、周囲の空気が震えるような衝撃を放っていた。しかし、その攻撃を避けつつ、魔法での反撃を繰り出し、エルシアの力に負けないように戦っていた。


「いいぞ、もっと来い!」


エルシアは満面の笑顔で言った。彼女の体に魔力がみなぎり、その圧倒的な力を見せつけるかのように、大剣が空気を切り裂く。


その激しい攻撃をかわし、少しずつ反撃のチャンスを見計らいながらも、エルシアの豪快な戦いぶりを楽しんでいるかのように見守った。


そして、最後の瞬間、エルシアの隙を突いて一歩踏み込んだ。闇魔法を込めた一撃がエルシアに迫り、彼女はその攻撃をぎりぎりで防いだ。しかし、攻撃が届き、エルシアは一歩後退した。


その時、エルシアは思わず大声で笑い出した。


「よっしゃー!これだ!これがいい戦いだ!」


と、満足げな顔を浮かべる。


「お前、面白いな」


エルシアは息を整えながら、言った。


「よし、認めた!お前は、これから警備団の一員だ!」


にゃんまるも安堵の表情で見上げ、少し微笑んだ。

にゃんまると声を揃えて、


「お断りします」


団長は信じられないと言いたげな表情だが、それはそうだ。


「なんでだ!」


「なんでもです!」


団長とのやりとりをみながらやれやれと言った表情のにゃんまるだった。


「主、お疲れ様でした」


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